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彼は週末にドアを開ける
ななお あきら著 / 有馬 かつみ〔画〕
雄飛
アイノベルズ(2006.6)


仕事はできるが高飛車でいけすかない男と噂される三枝だが、実は報われぬ恋に悩み、傷ついていた。
そんな時、会社の同期会で昔密かに憧れていた片山と再会する。あの頃と変わらぬ誠実な態度に惹かれ、ようやく過去の恋に決着をつけた三枝。片山も毎週のように大阪から三枝を訪ねてくれるようになり、喜びを隠し切れない。
しかし、片山は三枝の過去の恋の相手が誰かを知ると、三枝を責めてしまい…。
片山壮平(かたやまそうへい)×三枝桂(さえぐさかつら)
同い年、27歳。

磐田商事の中近東担当課に所属する三枝は、カタールへの出張中、上司の高田と不倫関係になってしまいます。
異国の地だけでの出来事と割り切ろうとする三枝ですが、高田は日本に帰ってからも関係を続けようとするそぶりを見せる。
お互い遊びでは済まない想いが芽生え始めていることを感じ、しかしその重さに躊躇する三枝は、ある日出席した同期会で、新入社員のとき憧れを抱いていた片山と再会します。

三枝は英語とアラビア語が堪能だったことで、新入社員のうちから海外事業部という花形部署に所属されましたが、それが同期入社の人間から妬まれ、しかも元々人付き合いが苦手でクールな見かけが災いして敬遠され、同期会でも三枝に話しかける者は誰もなく、独りで座っていました。
そんな時、たまたま隣に座った片山と三枝は言葉を交わすのですが、片山は三枝に関する風評が間違っていることに気づきます。
片山は大阪支社、三枝は東京本社と距離は離れていますが、メールアドレスと電話番号を交換し、また会うことを約束する二人。
そしてそれ以来、何故か片山は三枝が日本にいる週末には、手土産を携えて大阪から必ず訪ねてくるようになります。

片山への昔の憧れを喚起されつつ、高田のとの不倫の行方に悩む三枝ですが、片山の一言で高田との別れを決意。片山の胸で泣き、片山はそれを受け止めてくれ、友人から恋人へと二人の関係は変化していきます。
しかし、片山が東京支社に戻ってくることになり、三枝の不倫相手・高田の部署に配属されて、片山は三枝の不倫相手が高田だったことを知ってしまう。実は高田の妻は片山の元彼女で、夫の浮気を疑った彼女から相談を受けていたことがあるんですね。浮気相手というのが三枝だったと知った片山は、怒りで三枝を責め、ショックを受けた三枝は出張先で倒れ、声さえも出なくなってしまいます。

同人誌3巻をまとめたものということらしく、三枝と片山の不倫、三枝と片山の恋、そして誤解や嫉妬を乗り越えて硬く結ばれるまで、というふうにお話は別れてますね。
同人誌だった当初から片山の存在感が薄いと言われていたらしく、かなり書き直したそうです。少なくともこれを読んだ限りでは、私は薄いとは感じませんでした。
実はもうひとり、三枝の友人で途中から登場してくる安住(あずみ)という人物がいるんですが、高田、安住と比べると、片山がだけがジタバタするところがあって株を下げているようです(笑)

私の受けた印象では、高田は三枝の「奥さんと別れてくださいって言ったらどうしますか?」という問いに口籠もった時点で×です(笑)
高田の三枝への気持ちに疑いは持ちませんが、そのままいったら彼は奥さんと別れることもできず、三枝を捨てることもできず泥沼になったんじゃないかと思う。三枝と別れるときにジタバタしなかったのは褒めたいですね。身の程を知ってるからだと思う。そういう点では大人でもあるわけです。偉そうなことを言える立場では決してないと思うが、喝を入れる立場だったとしておこう(笑) 願わくば、三枝を想う以上の気持ちでもって奥さんを想っていることを望みます。奥さんを選んだのだから、奥さんを「幸せにして」やりなさい。

それから安住ですが、 結婚し、一児を儲け、妻の言うことを何でも聞いてやり自由にさせ、妻と子のことを考えて単身赴任しているのに、すべてが無関心のためと取られ、結局離婚されてしまう。彼はとてもいいひとなんですが、奥さんにはその愛情が伝わらず、三枝にもその友情がまったく伝わっていなかったところを見るとかなりぶきっちょなタイプのようです。
三枝が自分の気持ちを抑え込んでしまうタイプなので、感情表現が下手な安住と仮につきあってもうまくいかないと思います。しかし、ちゃんと伝え合えたら、いいカップルになれるかも。
でもこの本の流れでは安住はそういう位置じゃないんですよね。彼はホントにいい親友。今後、安住が片山と争うとしたら片山はヤバイかもしれませんが、安住はわかりやすい愛情表現をすることが条件。それができなくて失敗してるから(笑)。

そして片山ですが、三枝が同期会でみんなに無視されたことに怒ったり、不倫を嫌悪するというところから察するに、誠実で生真面目、かなり潔癖であることが推察できます。もともとモラルに反することに憤りを感じる正義感の強いタイプな上に、愛情と間近にいる顔を知ってる人間への嫉妬が加わってしまったので、一度許したはずのことを蒸し返して怒ってしまう。これは確かにマズイんだけど、ある意味とても片山らしい。
いい意味でも悪い意味でも、「愛する人」に真っ直ぐに自分が感じた気持ちを伝えることができたのは片山だと思ったんですよ。
と、影が薄いという片山を贔屓してみました(笑) 

で、お話としてはどうだったかというと、普通に面白いというところでしょうか。
お話の流れとか登場人物の出方とかに、同人誌で三部作という雰囲気が何となく出てるな~と思いました。
そちらは読んでないけれど、きっともっと高田や安住が暗躍(笑)してたのかもしれませんね。
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