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裏切りの夜
仔犬養 ジン著 / 小山宗祐イラスト
ムービック
ゲンキノベルズ(2007.5)


「遊ばれて捨てられた復讐なんだろう?」
捜査課の刑事・ケイゴは、美貌の内務監査課・ダイアーを落せるかの賭けをする。熱い抱擁を交わし賭けには勝ったが、ダイアーの誠実で愛に餓えた本当の姿を知り罪悪感を覚える。
その後、真相を知ったダイアーとの関係は最悪。しかも殺人事件関与の疑いがあるとダイアーに取調べを受けるケイゴ。
愛を知らない男と愛を求める男の一夜限りの裏切り――。
ケイゴ・カワハラ(29歳)×ニッキー・ダイアー(年上らしい)

ケイゴは、サンフランシスコ、ミッション署捜査課の刑事。
ある晩ゲイのパーティで、仲間内との賭けで声をかけ、寝たのがダイアーでした。電話番号を交換して別れたものの、罪悪感にかられたケイゴはダイアーの電話を無視。
その後、ケイゴが賭けをしていたことがダイアーの耳にも入り、連絡は途絶えます。
そんなある日、ある殺人事件について、ダイアーが内務監査としてケイゴに事情聴取に現れます。ケイゴが事件に関わっている疑いがあると問い詰めるダイアー。

それを、自分がダイアーを弄んだことへの復讐だと感じるケイゴ。
実はケイゴの身辺は清廉潔白というわけではなく、脛に傷持つ身。しかし、父が警察内部の役職に就いているため、ケイゴの意思があろうとなかろうと、彼は“特別扱い”されているのです。
そんなケイゴを執拗に捜査しようとするダイアーは、やがて上司や同僚から妨害や嫌がらせを受け孤立していきます。
そんな状況にケイゴは次第に苛立ちを感じ始める。
ダイアーに真実を話したケイゴは自らも事件に関わっていきます。

愛を信じない汚職刑事ケイゴと、愛を求める正義感溢れ清廉なダイアー。
二人の恋愛に、事件が上手く絡んでいました。
翻訳物的な言い回しの文章なので、慣れるのにちょっと時間がかかりました。昔は翻訳物しか読まなかったんですが、最近BLしか読まないので(笑)。
同僚、被害者、その仲間など英語名がたくさん出てきて、文章に慣れないうちに人物や関係を把握するのはちょっと大変でしたね。
けれど、だんだん慣れてくると、登場人物も絞られてきますし内容の面白さもあって無理なく心地よく読み進むことができました。宗教的な考え方やゲイに対する偏見を事件に絡めたのも、『アメリカ』を舞台にした話らしいですし、議員の妻のスピーチの使い方もなかなか良い締め方だと思います。

二人の関係がどう決着するのか、なんせ叩けばボロが出るケイゴですからラストをどう締めるのか気になってました。探偵・・・が一番ありそうですか。
Hも、なんだか「男同士のH」という雰囲気が匂ってきてて、綺麗で夢のようなHとは違い、「ゲイのH」という感じがして結構エロいと思いました。
小山さんのイラストも雰囲気があって合っていたと思います。夜光花さんのイラストを書かれたとき、「筋肉30%オフにした」とブログで仰っていましたが、今回は前回より増量ですね?(笑)

仔犬養(こいぬかい)ジンさんは新人さんですね。ネットでオリジナル小説を書かれていて、出版社の目に止まってのデビューだそうです。残念ながら拝見したことがないのでわかりませんがこの路線が普段の持ち味なんでしょうか。
これからどういったものを書かれていくのか、とても気になる作家さんですね。
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