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有栖川家の花嫁
雪代 鞠絵著 / 一馬 友巳〔画〕
雄飛
アイノベルズ (2006.6)


旧華族の流れを汲む名門・有栖川家当主・誉との結婚が決まっていた姉が出奔した。焦った父に騙された水晶は、何も知らないまま、その身代わりとして誉に嫁がされてしまう。
若く美しい、けれど「妻は道具」と言い切る尊大な誉に抗う術もなく、水晶は心と身体を踏みにじられた。
そしてその日から、水晶は有栖川家の因習に従い、昼は貞淑で慎ましやかに、夜は従順で淫らに、誉の妻として暮らすことになり…。
有栖川誉(ありすがわほまれ・24歳)×真野水晶(まのあきら・18歳)


姉の身代わりに、男でありながら「嫁」として嫁がされるという設定がちょっと面白そうかなと思って読んでみました。
しかしのっけからウェディングドレスの下に隠された恥辱プレイに、タジタジ(笑)。その後もHシーンは回数も多く、恥辱陵辱とかなり濃いので、純情な私は腹いっぱいです。

でもそれだけでなく、有栖川家の、現代とは思えない古めかしいしきたり、花嫁を迎える際の淫靡な風習など舞台が面白く、また尊大で傲慢な誉の背景、水晶の健気さなど、人物やストーリーがしっかりしていてなかなか面白いお話でした。
エロいけれど、それだけに終わってなかったですね。

有栖川家の当主、誉の父は現在海外で病気療養中であり、有栖川家の唯一の跡取り・誉が当主になるための条件が、「分家から嫁を取る」ということでした。
そこで、有栖川家の遠い分家で、ただ一人、誉と年齢のつりあう水晶の姉・珠生(たまき)を娶ることになりますが、珠生は婚礼の儀式を前に別の男と出奔。行方知れずになります。
そこで珠生に瓜二つの水晶を身代わりとして立て、予定どおり婚礼を決行することに決め、実の父や姉とは別れ、母と二人きり北陸の地で暮らしていた水晶が、わけのわからぬままに騙されて連れてこられることになります。

有栖川の家は、「男尊女卑」がまかり通っていて、女はただの「道具」。家の都合での政略結婚はもちろん、有栖川の「高潔な血」を保つため、分家から嫁をもらうことも珍しいことではないという、現代モノなのにちょっと前の時代に戻ってしまったかのような雰囲気が全体に漂っています。
姉の身代わりに嫁になることを強いられた状況に水晶が唯々諾々と従えるわけもありませんが、無理矢理踏みにじられ、また姉を思う気持ちも捨てられず、水晶は身勝手な誉と有栖川家に翻弄されることになります。

冒頭の結婚式のシーンも初夜も、水晶を陵辱し、そのことに何の憐憫も感じない誉…という図なので、そのまま虐げられたままでいては、ただ辛いだけなんですが、水晶は、健気でそしてとても前向きなんですよね。
誉の心の中にある「傷」に気づいたときから、水晶は誉に近づこうとそれは健気に尽くそうとします。それもなかなか報われず…辛い状況は続くんですが。

誉は愛することを知らない人。彼の立場のせいで幼い頃に受け続けた他人の悪意は意識しないままに心に傷となっていました。水晶の前向きさ、健気さが誉の心を解しはじめますが、それでも伝え方がわからないんでしょうね。
せっかくお互いの心がかみ合い始めたと思ったら、水晶の言葉を曲解して怒り、口論に。「お前の心も身体も俺のものだ」と言った誉は完全に水晶を好きになっていると思うんですが、その後にしたことと言ったらまあ。
でもとうとう水晶に拒絶されて傷ついた顔をする誉は、ちょっと良かったかも(笑)。

Hは私にはキツかったですけど(あくまで“私には”で世間的には珍しいものではないです)エロ先行というわけでなく、お話は面白いし、スイスイ読めてしまいました。
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