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好きと言えなくて
小川 いら著 / 北畠 あけ乃〔画〕
フロンティアワークス
ダリア文庫 (2006.6)


大学二年の春、佐久間智春はバスケ部の勧誘で高校の親友・大友寿志に再会する。当時親しかった二人は、智春の不用意な発言から気まずい別れ方をしていた。バスケを通して大友との友人関係を修復したいと懸命にアプローチする智春に、最初は冷たかった大友も次第にうち打ち解けていく。
だが、二人で過ごす時間に心地よさを覚えはじめたある夜、智春は大友に触れられ、感じてしまい…!
大友寿志(おおともひさし・19歳)×佐久間智春(さくまともはる・20歳)
同級生ですが、智春は大学二年、大友は早生まれで帰国子女なので19歳・大学一年生。

大学の弱小バスケット部に所属する智春は、校内の新入部員勧誘で、高校の同級生・大友に再会します。身長180を軽く越え、バスケ経験者である大友を入部させるべく、先輩たちにハッパをかけられる智春ですが、実は智春と大友は、仲の良かった高校時代、あることで気まずい別れ方をしたきりとなっていました。

高校時代、大友が智春に打ち明けた「自分はゲイ」ということを、智春はクラスメイトたちに話してしまったんですね。
素直で明るく無邪気であけっぴろげで分け隔てのなく、そしてちょっと天然な智春は、大友からゲイだと聞かされた時も、何の嫌悪も違和感も感じませんでした。「ああ、そういうこともあるか」程度の認識で、だからと言って大友に対する見方を変えることなどなかったんですが、誰もが智春と同じように受け止めるとは限りません。
自分の価値観のままに、それが後ろ暗いこととは少しも思わず気軽に口にしてしまったことで、大友は同級生たちから避けられるようになってしまいました。それで初めて、自分のしたことが間違いだったと気づいたんですね。
自分が話したことで、好奇や嫌悪の目で見られるようになってしまった大友への罪悪感で、智春は大友に顔向けできなくなってしまいました。そしてそんな智春を大友も避けるようになり…。
それから少したったある日、大友は「家庭の事情」でいきなり転校し、智春の前から消えてしまったのです。

自分のせいで学校にいられなくなったのでは、と智春はずっと気がかりにしていました。
もう一度友達に戻りたい。大友がバスケット部に入り、一緒にいる時間が増えてから、二人は少しずつ昔の「親友」だったころの親しさを取り戻していきます。校内で会えば話をしたり、学食でお昼を一緒に食べたり。大学から近いところに住む大友の家にあがりこみ、泊めてもらったり食事を作ってもらったり。
大好きだった親友との仲が再び元も戻ったことが嬉しくてたまらない智春。

智春は、天真爛漫というか、天然というか…。
「ゲイ」だと宣言している大友の前で裸になったり、同じベッドで寝ようとしたり、無邪気に抱きついたりと自由気まま。「ゲイ」に拘りがないかわりに、警戒心もないし、大友は「友達」と思っているのでやりたい放題なんですが、大友の方は、ちょっとこれは「生殺し状態」では?というのが薄々伝わってきます。
無邪気に懐いている智春と違って、大友はもしかすると智春が好きなんじゃないかな~というのが何となくわかる。
このあたりのお互いの意識の違いが面白いです。
ある夜、いつものように大友のベッドに転がり込んだ智春は、自分の意志と関係なく勃ってしまうんですが、大友への気持ちが友情から特別なものへ変化しているのを心が自覚する前に身体が自覚してるようです。大友に「手伝ってやる」と1度されてしまったあと、別の時にやはり同じ状態になったときは、オネダリまでしてしまいますが、智春の認識は、体育会系男子によくあること…くらいなんでしょうか(笑)
もちろん大友だって困った状態になるわけですが、「今度は俺が」という智春に、「結構だ」とトイレへ行く大友の忍耐力は大したものです。

じれったい二人で、なかなか恋愛模様になりません。
智春は自分が大友を好きだと自覚したとたん、今までの傍若無人な振る舞いはどこへやら、大友を避けてしまうんですから。

友達から恋人へ…って難しいんですね。
男同士だから尚更。
「友達」と「好き」の間を微妙に綱渡りする、「好きと言えない」二人は端で見てると大変じれったいですが、微笑ましい目で見つめてあげたくなる恋のお話でした。
好きなお話でしたね。


さて、またイラストの挿し違いがありました。P191とP213の挿絵が入れ違ってます。
先日の英田さんで、こんなの初めてだ~と思ったら、続けてあるとは。
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