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ありふれた愛の言葉ありふれた愛の言葉
久我 有加著 / 松本花イラスト

新書館
ディアプラス文庫 2006-6


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誠の営む小料理屋に近頃よく顔を出す場違いな二人連れがいる。やたらに容貌の整った若い男と小学生らしき少年。関係は不明。常連たちは騒ぎ立てるが、誠にはどうでもいいことだった。
かつて栄光と挫折を一度に味わい、今は惰性で生きているような日々。男から向けられる苛立つような視線は気になるが、追求すうる気力はない。
だが、ある日、誠はその男・陸生から突然「あんたの息子や」と少年を紹介され…!?
今国陸生(いまくにりくお・25歳)×二本垣誠(にほんがきまこと・28歳)

高校生の頃書いた小説が世に出、売れに売れ、一時は時の人となった誠は、その後一本も小説を書けなかったことで頂点からドン底へ堕ちるという経験をしました。
それ以来無気力となり、祖父の遺してくれた小料理屋を継いだものの、「小料理屋」とは名ばかりで夕方から4時間ほど店を開け、おにぎりと味噌汁を出すだけ。それさえも怠惰に、それこそ息をするのも面倒臭そうに生活しています。
そんな誠の店は、祖父の代からの常連客、大阪の下町の人たちによってもっているようなものですが、二ヶ月ほど前から、美形の男とこれまた美少年の小学生という場違いな二人組みが姿を現すようになります。
苛立つように自分を見つめる男に胡散臭さを感じるものの、誠には問い詰める気力もありません。なんせたくさん喋ると疲れるんです(笑)。
無愛想に迎え、無愛想におにぎりと味噌汁を出す。ただそれだけでしたが、ある日、開店前の店にその二人連れが「話がある」とやってきます。
そして、その男は「今国陸生」と名乗り、小学生は、誠の子供だと言い出します。

誠の子供だという少年・新(しん)は、誠が高校生の頃親しくしていた一年先輩の今国芽衣(いまくにめい)の息子でした。誠が芽衣と親しくしていた時期と、新の年齢は計算的にも合う。
芽衣は数年前に亡くなり、現在、新は、芽衣の弟である陸生と二人で暮らしています。しかし、陸生が仕事はホストという商売柄、なかなか新の面倒を見切れず、また世間的にも職業への風当たりが強い。新のために「父親」が必要だと思い、陸生は誠の元にやってきた、とそう言います。

新は学校帰りは誠の家に帰り、仕事が終わった陸生が迎えにくるまで、誠と共に過ごすようになります。そしてそれ以来、怠惰でまったく気力のなかった誠が、少しずつ変わっていきます。
誠も、陸生も、そして新もみな家庭的には恵まれず、誠や陸生は心に傷を残しています。この奇妙な三人が、少しずつ家族となっていく過程を見ているような気がしました。

「血」の繋がりは必ずしも絶対ではないと誠が思うように、お話の舞台となる大阪の下町の人のいい年寄りや住人たちも、皆、血の繋がりはなくても、長年誠を可愛がり、心配しつつ見守ってくれた人たちばかりです。
血の繋がった家族が与えてくれなかったものを、誠はその人たちからもらったし、新と、陸生も「血」からは得られなかったものを、誠も含めた三人でこれから作っていけそうな気がする。

「家族」というものを考えさせられてしまうんだけれど、そのほのぼのとした言葉の意味とは裏腹に、実は背景はかなりシリアスです。でも、誠がそういうものに対してすでに何の期待も抱かず、無気力だったからこそ、「血」ではないもっと大切なものを見極めすんなりと受け入れることができたのかな~とも思います。
陸生の方は、ちょっと下心入ってたかもしれませんけどね(笑)

ネタバレしないようにかなりいろいろ隠して書いてます(笑)
新は本当に誠の子供なのか?陸生は本当に芽衣の弟なのか?芽衣は本当に亡くなったのか?とか。

ほのぼのと思って読むとちょっと違いますよ。
お話としてはかなり地味めだと思います。じっくり読むという感じかな。
全体の雰囲気のせいかHシーンがとても不自然な感じがしました。そのシーンがあること自体が(笑)。
心意気はともかくまだまだ未成熟な二人に思えるんだけど、周りに気のいいオジチャンやオバチャンがいっぱいいて、新の成長に関しても手厚くフォローしてくれるでしょう。
新はその性格も可愛らしいんですが、イラストがまたたまらん可愛さでした。
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