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花に射す影
火崎 勇著 / 朝南 かつみイラスト
ワンツーマガジン社
アルルノベルス(2007.5)


仁科は旧家・松坂家の愛人の子として生まれ、跡継ぎとは無縁の存在だった。けれど花のような笑顔の恋人・杉浦との日々に幸せを感じていた。
だが突然杉浦が失踪し、幸福な日々が崩れ去る。
杉浦を愛し待ち続ける仁科。
しかし杉浦が仁科の父・松坂郷一郎の養子となり全財産を手にしたと知らされる。そして松坂家に駆けつけた仁科を迎えたのは別人のように冷めた眼差しの杉浦だった。
裏切りに激高した仁科は杉浦を組み敷き強引に身体を繋げるが…!?
仁科史郎(にしなしろう)×杉浦日向(すぎうらひなた)
同い年、20代半ばくらい?

不幸な生い立ちに生まれ、周りに壁を作っていた仁科が、大学で自分と同じ天涯孤独の杉浦と知り合い友人となり、卒業後はルームシェアをして暮らすうちに惹かれあい、関係は恋人へと変わっていく。
「杉浦がいれば他には何もいらない」というほどの幸せぶり。しかし、ある時期、突然杉浦の様子に変化がおき、やがて杉浦は失踪してしまう。

そして、行方を捜し、待ち続ける仁科の元に、突然、香川(かがわ)という男がやってきます。
仁科は、光輝グループの総帥・松坂郷一郎の妾腹の子で、認知はされているものの、会ったことは一度もありません。実父とはいえ愛情も沸かず、グループにも興味のない仁科は、無関係を貫いてきたのですが、訪ねてきた香川の口から、失踪した杉浦が松坂の愛人となり、しかも養子となって光輝グループの全てを手にしようとしていると聞かされます。
実際に対面した杉浦は冷たく、自分が全てをもらうと言い放ちます。裏切りに激昂した仁科は、乱暴に杉浦を抱き、実父・松坂と杉浦の思惑を阻止するべく、光輝グループを掌握に乗り出します。

愛人の子、恋人の裏切り、などメロドラマティックな要素がいっぱい。しかし、語り手が攻め側で、燃えるような怒りは感じるものの、仁科はそれほど熱いタイプではないので、どちらかというと淡々とした印象です。
杉浦視点だったらかなり切ない話になったかと思いますが、想像するだに、それは鬱陶しいです(笑)

松坂自身にも財産にも執着のない仁科が、杉浦の裏切りを知って、自ら香川の策に乗り父の会社で働き始め、目的はともかく業績と評価をどんどんあげていくことになります。
杉浦を追い出したあとは、会社などどうなってもいいと思ってはいるんですが、実は仁科にとってはそうマズイ事態でもないんですよね。それどころか、仁科の力を存分に発揮する場所を得たようにも見える。
つまり、愛人の子、日陰の存在だった仁科にスポットが当るわけで、何だかんだ言って仁科の存在は周囲に認められていき、「これは誰かの差し金だな?」と想像がついてきます。
杉浦が本当に仁科を裏切っているというのは有り得ないので、そうすると、杉浦の筋書き?そして背後にはもっと大きな存在が?などといろいろ推測したりします。。

杉浦は、仁科に対してとことん「尽くし型」なのですね。とっても健気でジンとしてしまう部分もありますが、ここまでの自己犠牲って、私にはちょっと考えられません。杉浦は自分を捨てて仁科のためだけに動いてしまうので、男としてはちょっと引き過ぎのような気もします。
仁科が杉浦の裏切りを知ったあとは、杉浦が出てこず、直接絡まなくなってしまうのも寂しい。
ドロドロしたお話になりそうなんですが、先ほども書いたように視点が攻め側なせいか、あまりそういう感じはありませんでした。
朝南さんのイラストが素敵でした。
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