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甘く、獰猛な欲望
藤森 ちひろ著 / 石原 理イラスト
大洋図書
SHYノベルズ(2006.5)


最大野党に所属する政宗泰成は、堂々とした物腰と自信溢れる答弁で若手政治家のなかでも際立つ存在であり、恋人にしたい独身政治家No.1に選ばれたこともある。
だがその実態は…ミルクプリンが大好物で、秘書である嵯峨暁彦に対してセクハラ三昧のだらしない男だ。
水と油、政宗のだらしなさに辟易しつつもなぜか憎めない暁彦だったが、ある夜、政宗に強引に抱かれてしまい―!?
政宗泰成(まさむねやすなり・32歳)×嵯峨暁彦(さがあきひこ・28歳)
政治家と秘書。

父の跡を継いで議員となった政宗は、政治家としての手腕、堂々と自信溢れる物腰、そして精悍で男っぽいその風貌から、若手政治家の中の注目株です。
しかし有能さを発揮する表向きの顔と違って、政宗は実は大きな子供のような男。
寝坊して髭を剃り忘れたり、ネクタイを締め忘れてきたり、髪に寝癖がついていたり、片方ずつ違う靴を履いていたり、靴下を履いてなかったり。酒に弱いくせに酒が大好き。酔うと陽気になり、いきなりどこででも寝てしまう。そしてミルクプリンが大好き。

尊大で男っぽく自信たっぷりで有能なのが、素に帰ると子供っぽい…ああ、可愛い(笑)。もしかしてプリンの食べかすでも口元にくっつけたりするのかしら。拭いてあげたい。
しかし、政治家の秘書としてだけでなく、そのあたりの世話までさせられているのが秘書の嵯峨です。世話だけならまだしも、政宗の秘書になった二年前から、嵯峨は尻を触られたり抱きつかれたりとセクハラまでされています。
そしてある日、酔ってつぶれた政宗をマンションまで送った嵯峨は、嵯峨のお見合い話にキレた政宗に無理矢理抱かれてしまいます。

無理矢理と言っても、政宗はずっと嵯峨を口説いていたんですよね。嵯峨が「セクハラだ」と決めつけ、悪い冗談かからかわれていると頑なに思っていただけ。
嵯峨を抱いたときも「本気だ」ときちんと言ってるし、そのあとも、政宗は何度も自分の気持ちをちゃんと伝えています。
しかし、この嵯峨が全くそれを信じないんですねー。

なんでそんなに「冗談だ」「セクハラだ」と頑なに決め付けているのか、わからないですね。「自分の気持ちをなかなか認めない受」というやつですが、今回、この嵯峨には正直苛つきました(笑)。
男が男を口説くわけがないとか、政宗が普段いい加減だから信じられないとか理由はいろいろあるみたいですが、現実に男を好きな男はいるわけだし、普段いい加減だと言っても、政宗は結構マジで気持ちを伝えてるので、ここまで「冗談」と決め付ける頭の固さは理解できませんでした。
嵯峨は「クールビューティー」という秘書の定番タイプですが(笑)、政宗の言葉をわざとのように毎度毎度曲解し冷たくあしらうのは、クールというより意固地、ただの鈍感だと思います。抱かれたことをホントにおぞましいと思ってるかのようですが、そんなにイヤだったら秘書を辞めないのも不自然ですよね。

と、嵯峨については厳しいことを言ってしまいましたが、お話は面白かったです。
政界の裏で起きる事件を絡め、適度に本格っぽく、でもとてもわかりやすく、その世界の雰囲気が味わえました。難しい言葉も出てくるんですが、昨今話題になった事象が多いので理解しやすかったです。

政宗はとても魅力的だけれど、嵯峨の気持ちが最初から正宗への想いに気づくまで、どうもちゃんと入ってこなかったのが残念です。
でも世話の焼ける男とクールな秘書の会話は面白く楽しめました。
かなりいいカップルになると思います。
普段は受の尻に敷かれ、Hのときは立場が逆転…とある意味私の理想のカップルです。


これを読んでる途中で、「三個でいくら」ではなく、ちゃんとした美味しいプリンが食べたくなり、読書を中断して車を飛ばし買いにいってしまいました。
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