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太陽と月の背徳 下
高岡 ミズミ著 / 水名瀬雅良イラスト
講談社X文庫ホワイトハート (2006.6)


―俺は、まだ言ってなかったか。愛している。心から―
疎遠になっていたかつての友、悠仁と偶然の再会を果たした美貌の神官・月花は、その純潔を悠仁の手によって強引に奪われてしまう。
神官の身体は神のもの。傷心のまま悠仁と別れた月花を待っていたのは、敵国エスタルの卑怯な罠だった。
愛する者を救うため、男たちが動き始める!!
悠仁(ゆうじん・26歳)×月花(げっか・24歳)
高岡さんのファンタジー、続編です。
表紙は、もうひとつのカップル、叡帝・清寿と莉央です。

前作で、新天帝・莉央(りおう)を庇い、敵国エスタルに連れ去られてしまった月花。
莉央が月花に預けた「天帝の御印」の行方を聞き出すため、エスタル国の・昂顕(こうけん)と故天帝の弟で天帝殺害の犯人でもある白汪(はくおう)によって、月花は地下牢に閉じ込められ、拷問されてしまいます。

月花助けるべく悠仁がエスタルにその姿を現すまで、半分以上のページ数が割かれています。すぐにでもエスタルに乗り込みたい悠仁ではありますが、国と国の間のこと故、いきなり乗り込むことはできず、無事ラドルクに到着した新天帝・莉央、神の国サバールの祭主、そしてガルトの叡帝・清寿(せいじゅ)の後ろ盾をもらわなければならない。
悠仁がジリジリしながらあっちへ行ったりこっちへ行ったりしている間にも、月花の美しい銀の髪は無残に切られ、暴力を受け足枷で傷ついて、月花はボロボロになっていきます。あー、じれったい(笑)。
早く助けだしてー!ジタバタしたくなりますが、悠仁がようやくエスタルに姿を現したあとは、大変スピーディーに事件は片付いていきます。
拷問といっても、それほど痛々しい(痛いには痛いけど)シーンはないので良かったです。

話の間ほとんど離れていて、月花の心と身体が回復したとたん、ラストで月花は神官の職を辞し旅に出ることを決意してしまうので、ラブ面ではちょっと物足りなかったですね。
再び悠仁の元へ戻ってくると約束しての旅立ちで、気持ちはちゃんと結びついたハッピーエンドだけれど、やっぱり二人一緒で幸せでいる姿を見たかったと思ってしまった。やっと気持ちが通じたらすぐに別れなんて。。

そういう意味でもその後が気になるし、昂顕も姿をくらましてしまったままだったりするし、まさかその後のリクエストを見越して中途半端にしたわけじゃないですよね?(笑)
悠仁と月花の他に、叡帝・清寿と新天帝・莉央のカップルもいるんですが、こちらにもページを割いたり、前作で謎となっていた叡帝の過去の真実なども入れ込んだため、その分悠仁と月花に廻る分が少なかったですね。
上巻でいろいろ興味深い人物を出して、それぞれの人間関係の相互関係などもきちんと作って、先の面白さが期待できる展開だったため楽しみにしていましたが、やはり(下)のみで全部まとめるのには無理があったか。
人物設定などなかなか面白かったと思うのですが、もっと腰を据えて長いシリーズで書く事ができたら、様々なエピソードももっと突っ込めただろうなと惜しい気がします。
本物と比べちゃダメだというのはわかってるんですけどね(笑)

BLという点から言えば、こういう舞台は好きだし、騎士も神官もドンと来いですので、それなりに面白く読みました。
読みやすいから短時間でスイスイ読めます。
ラブ面がもうちっと充実してればもっと良かったな。
いや、この設定で上下完結はやはり短いよ。

黒い将軍・悠仁がとても素敵でした。
バルコニーから悠仁の腕に飛び降りてみたいですねぇ~。
重量オーバーでつぶしてしまうか…。
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