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イラスト/今井車子

デザイン会社に勤めている鈴木は、仕事の関係で小学校の同級生・成島と偶然再会する。
料理研究家として売れっ子になっていた成島だが、親もおらず一人寂しく暮らしていた。それでもつらそうな顔も見せず、健気に生活している成島に、鈴木は徐々に惹かれていく。
二人きりの時間を過ごしていたある日、成島の元に担当編集者の丸山が訪ねてくる。成島に異常な執着を見せる丸山に鈴木は不安を覚えるが…。
鈴木(下の名前不明・27歳)×成島葵(なるしまあおい・27歳)

「名前を呼んで」雑誌掲載
「ぎゅっと抱きしめて」書き下ろし の二編収録されています。
再会モノです。
鈴木の一人称で語られています。

主に出版関係のデザインを引き受けている個人のオフィスで働いている鈴木は、ある日仕事の関係で偶然成島と再会します。
しかし鈴木を覚えていた成島に対して、鈴木は成島のことがすぐに思い出せません。見るからにガッカリした顔をする成島。
後日記憶の底を探りに探ってようやく小学校の時の同級生だったことを思い出します。

銀行員の父を持ち、二、三年で転勤転校を繰り返してきた鈴木は、その頃はどちらかというと“友人”に固執するタイプではなかったようです。反して成島は学校ではいじめられていた子供で、転校してきた鈴木もそれを知っていたけれど、鈴木はそういう周りの思惑に捕らわれるような子供ではなかったため、普通に成島に声をかけていた。
それが成島は嬉しくて、彼の中で鈴木のことは特別となっていたんですが、小学校の時のことだし、しょっちゅう友人が変わる鈴木が覚えてないのは仕方が無いでしょうね。

今は成島が「料理研究家」として売れっ子になっていることを知った鈴木は、偶然成島の住所を記したメモを見つけ、再会したとき自分が覚えていなかったことにがっかりしていた成島を思い出し、罪悪感もあって住所を頼りに成島のアパートを訪ねます。
そこで食事を振舞ってもらい、それをキッカケに成島のアパートへちょくちょくご飯を食べさせてもらいに通うようになり…だんだん気持ちが傾いていくんですね。

お話としてはわりと地味めな気がします。
派手な出来事に翻弄されるのではなく、鈴木の一人称で語られる想いがお話を引っぱっていく感が強いように思います。
鈴木と成島が近づいていくのに焦った丸山が成島に告白してしまい、驚いた成島が行方不明になるというような事件(?)もありますが、それより二人でご飯を食べながら、観覧車に一緒に乗りながら、少しずつ気持ちが動いていく、そういう過程の方が印象に残りました。
お金持ちの家に生まれたのに借金のため全てを失い、家族まで次々に亡くしていった成島が、鈴木と一緒にいると幸せになれる、鈴木の思い出は自分が一番幸せだったころと直結してるからと言うのが、いじらしかったです。

「ぎゅっと抱きしめて」は恋人となったその後の二人。
成島と一緒にいるとつい欲求が暴走してしまう鈴木ですが、なぜかやんわりと断られてしまう。電話も携帯も持たずに連絡は家に訪ねていくという手段しかない成島に携帯だけでも持って欲しいと思う鈴木ですが、話を切り出しても浮かない顔で承知してもらえない。
本当はすぐにでも同棲したいのに、実はがっつきすぎていて成島は引いているのでは?と、自分との温度差に悩む鈴木。

相手のことをお互い想ってるのはとてもわかるんですよね。なのにズレていくこの感じが…本当にじれったいです。
そして鈴木のオフィスにいる面々が…ボス、同僚の真央、経理士の沖田なんですけど、この人たちが引っ掻き回す引っ掻き回す。
しかし…ちよっとウザくないですか?(笑) 
私は鬱陶しかったなぁ、この人たち。
引っ掻き回して、結局最後もお膳立てしてもらって仲直りしたみたいで…まわりに踊らされる、こういう展開は好きじゃないです。
鈴木と成島の二人で解決して欲しかったと思いました。

「同い年ワンコ攻」でした。
がっついてる様子を社の面々に「ふがふが犬」とからかわれているのが可愛いです。ふがふがって…なんとなく鼻息荒く成島に喰いついてる様子が目に浮かびますね。
ワンコ好きなんで、鈴木は○。
成島は…いじらしいけどハッキリしなさ過ぎたり、ちょっと弱々しさが強かったですかね。成島のイラストも大変可愛らしく…女の子ですね、これは(笑)

お話は雑誌分の方が好きだったかな。
思えば雑誌分の雰囲気が好きでその後も読んでみたいと思って購入したんですが…。

鈴木のボス・鬼頭と経理士の沖田の話が読みたい~と思う方も多いかも。
このカップルは、私のツボからは外れているので遠慮します…(^^ゞ
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