イラスト/秋森びびか
官能マンガ家に、大手出版社から執筆依頼!?
昂の担当になったのは、一つ年下のエリート編集者・真行寺。学術書から異動してきた彼は、新作のネタ打ち合わせには熱心だけど、セックス描写の話になると、なぜか話題をそらしてばかり。
ところが、不審に思っていたある夜「あなたは経験豊富なんでしょうね」と不意打ちでキスされて!?
昂の担当になったのは、一つ年下のエリート編集者・真行寺。学術書から異動してきた彼は、新作のネタ打ち合わせには熱心だけど、セックス描写の話になると、なぜか話題をそらしてばかり。
ところが、不審に思っていたある夜「あなたは経験豊富なんでしょうね」と不意打ちでキスされて!?
真行寺聖人(しんぎょうじまさと・24歳)×水城昴(みずしろすばる・25歳)
官能漫画家の水城の元へある日大手出版社から執筆依頼が舞い込みます。
打ち合わせに現われたのは見惚れてしまうほどのいい男・真行寺。
二人は連載に向けてプロットの相談を重ねますが中々これというのが出来上がらないまま時間ばかり経ってしまいます。注文は「セクシーコメディ」ということで、そちらの描写の相談もしようとしますが、何故か真行寺は性の話題になると歯切れが悪い。大学でバイオテクノロジーを専攻し、学術書部門からコミックへ異動になったという真行寺は、もしかして官能漫画家なんかと仕事をするのが厭なんじゃ?と不安になる水城ですが、思い切って訪ねると「経験が無い」という答えが返ってくる。
しかし、そうだったのか!と驚いた水城は「あなたは経験豊富なんでしょうね」とキスされてしまいます。
実は「経験がない」のは女性とだけ。「男性となら過去に多少なりともいろいろありました」という真行寺に水城は「つきあってもらえませんか」といきなり告白されます。
仕事相手とそういう関係になることは避けたい水城は躊躇しますが、真行寺には考えて欲しいと言われます。
そうやって真行寺とのことを宙ぶらりんにしていたある日、水城は高校時代の同級生で水城にとって初めての男・宮野上総(みやのかずさ)と偶然再会します。
しかも上総からも「やり直したい」と言われてしまう。
そんな気はないと口では言いながら、押しの強い上総を完全に撥ねつけることのできない水城。
“二人のいい男に言い寄られて、さあどうしよう?!”
簡単に言うとそういうお話でした。
感想を端的に表すとすれば、水城のアシスタントの和田(わだ)君が大変的確に表現してくれていました。
「あほらし」
「もてもて自慢ですか?」
同感です。
これは自慢話であり、水城に感情移入することによって「二人のいい男」に求愛されて困っちゃうけどなんかウレシイ、そういう気分を味わえるようになっているのだと思います。
金丸さんがあとがきで「自慢」「ノロケ」について語っておられるのは偶然ではないのです(笑)
水城に感情移入できなかった場合は、モテる友人に「A君とB君に告白されちゃってぇ~。こないだなんか二人が部屋の前でバッタリ会っちゃって、あたしの取り合いで喧嘩になって、どっちか選べって言われちゃったの。そんなこと言われても困っちゃう~。ねぇどうしたらいいぃ?」と聞かされる方の立場になります。
和田君のリアクションは正しい。
水城は多感な10代のころ自分の性癖に気づき、後ろめたさや罪悪感でかなり悩みました。ゲイであるということで卑屈になっていて、自分は一生誰にも愛されないと頑なに思ってしまったようです。
だから高校時代、上総とつきあうことになった時は、嬉しくて捨てられたくなくて彼の暴力さえも許したのに結局捨てられる。
それ以降の恋でも相手の顔色を伺い自分から積極的に求めないので相手に物足りなく思われてまたフラれる。
悪循環に嵌まっているようで一見可哀相にも見えますが、マイノリティーに悩んで「誰にも愛されない」と悲観していた水城は実際別れたとは言っても恋人は何人かできてるし、漫画家になりたいという夢も叶いコミックが出れば大型書店の平台に並べてもらえるほどになってるわけです。
ゲイであることがそう簡単に開き直れるようなことじゃないとしても、同じ境遇の人に比べたってすごく恵まれてますよね。
臆病になる理由にはもうならないと思うんだけど。
なのに卑屈な部分だけはどうしても残ってるようで「自分なんか…」という思考が染み付いてるみたいです。
けれど真行寺と上総の間で迷っているのはそういう理由ではないですよね。真行寺は仕事相手だから、上総はもう好きじゃないから(笑)。
なんとなくちぐはぐな感じがします。
そして強引に出られると流されてしまい、あげくに逃げ出す…。
結局水城が恋に臆病になっていたのは、自分から求めたいほど好きじゃなかったから…ということなんですよね?これも臆病とは違いますね。
真行寺がこの三角関係から降りたと聞かされて初めて、自分が真行寺を好きだったことに気づく。
こっちの気持ちなんか頓着しない強引な男が好きと主体性のないことを言ってた水城ですが、それも多分本当に好きな相手に会えなかったから。
恋に恋していた水城が初めて真行寺を自分から追いかける。
そうでもしてくれないと納得できないけれど何かヘンですね(^^ゞ
さて水城から離れて、二人の攻についてですが秋森さんの二人並んだカラーイラストはカッコイイですねぇー!いっそのことハッキリしない水城はやめちゃって二人でくっついたらどうですか。
真行寺は真面目で誠実で優しくてハンサムで素敵です。上総もカッコイイけれど、二人の違いは誰を一番大事にしてるかですね。真行寺は水城のことを一番に考えてくれているけれど、上総が一番大事なのは自分だと思います。
三角関係にしたことと、一人称で水城の思いばかりがクローズアップされてしまったせいで、なんとなく真行寺は置いてきぼりになり二人の恋愛が薄かったのが物足りなかったですね。
年下丁寧語攻めだったんですが全然そんな感じはしなかったです。
真行寺の方が大人だから。
官能漫画家の水城の元へある日大手出版社から執筆依頼が舞い込みます。
打ち合わせに現われたのは見惚れてしまうほどのいい男・真行寺。
二人は連載に向けてプロットの相談を重ねますが中々これというのが出来上がらないまま時間ばかり経ってしまいます。注文は「セクシーコメディ」ということで、そちらの描写の相談もしようとしますが、何故か真行寺は性の話題になると歯切れが悪い。大学でバイオテクノロジーを専攻し、学術書部門からコミックへ異動になったという真行寺は、もしかして官能漫画家なんかと仕事をするのが厭なんじゃ?と不安になる水城ですが、思い切って訪ねると「経験が無い」という答えが返ってくる。
しかし、そうだったのか!と驚いた水城は「あなたは経験豊富なんでしょうね」とキスされてしまいます。
実は「経験がない」のは女性とだけ。「男性となら過去に多少なりともいろいろありました」という真行寺に水城は「つきあってもらえませんか」といきなり告白されます。
仕事相手とそういう関係になることは避けたい水城は躊躇しますが、真行寺には考えて欲しいと言われます。
そうやって真行寺とのことを宙ぶらりんにしていたある日、水城は高校時代の同級生で水城にとって初めての男・宮野上総(みやのかずさ)と偶然再会します。
しかも上総からも「やり直したい」と言われてしまう。
そんな気はないと口では言いながら、押しの強い上総を完全に撥ねつけることのできない水城。
“二人のいい男に言い寄られて、さあどうしよう?!”
簡単に言うとそういうお話でした。
感想を端的に表すとすれば、水城のアシスタントの和田(わだ)君が大変的確に表現してくれていました。
「あほらし」
「もてもて自慢ですか?」
同感です。
これは自慢話であり、水城に感情移入することによって「二人のいい男」に求愛されて困っちゃうけどなんかウレシイ、そういう気分を味わえるようになっているのだと思います。
金丸さんがあとがきで「自慢」「ノロケ」について語っておられるのは偶然ではないのです(笑)
水城に感情移入できなかった場合は、モテる友人に「A君とB君に告白されちゃってぇ~。こないだなんか二人が部屋の前でバッタリ会っちゃって、あたしの取り合いで喧嘩になって、どっちか選べって言われちゃったの。そんなこと言われても困っちゃう~。ねぇどうしたらいいぃ?」と聞かされる方の立場になります。
和田君のリアクションは正しい。
水城は多感な10代のころ自分の性癖に気づき、後ろめたさや罪悪感でかなり悩みました。ゲイであるということで卑屈になっていて、自分は一生誰にも愛されないと頑なに思ってしまったようです。
だから高校時代、上総とつきあうことになった時は、嬉しくて捨てられたくなくて彼の暴力さえも許したのに結局捨てられる。
それ以降の恋でも相手の顔色を伺い自分から積極的に求めないので相手に物足りなく思われてまたフラれる。
悪循環に嵌まっているようで一見可哀相にも見えますが、マイノリティーに悩んで「誰にも愛されない」と悲観していた水城は実際別れたとは言っても恋人は何人かできてるし、漫画家になりたいという夢も叶いコミックが出れば大型書店の平台に並べてもらえるほどになってるわけです。
ゲイであることがそう簡単に開き直れるようなことじゃないとしても、同じ境遇の人に比べたってすごく恵まれてますよね。
臆病になる理由にはもうならないと思うんだけど。
なのに卑屈な部分だけはどうしても残ってるようで「自分なんか…」という思考が染み付いてるみたいです。
けれど真行寺と上総の間で迷っているのはそういう理由ではないですよね。真行寺は仕事相手だから、上総はもう好きじゃないから(笑)。
なんとなくちぐはぐな感じがします。
そして強引に出られると流されてしまい、あげくに逃げ出す…。
結局水城が恋に臆病になっていたのは、自分から求めたいほど好きじゃなかったから…ということなんですよね?これも臆病とは違いますね。
真行寺がこの三角関係から降りたと聞かされて初めて、自分が真行寺を好きだったことに気づく。
こっちの気持ちなんか頓着しない強引な男が好きと主体性のないことを言ってた水城ですが、それも多分本当に好きな相手に会えなかったから。
恋に恋していた水城が初めて真行寺を自分から追いかける。
そうでもしてくれないと納得できないけれど何かヘンですね(^^ゞ
さて水城から離れて、二人の攻についてですが秋森さんの二人並んだカラーイラストはカッコイイですねぇー!いっそのことハッキリしない水城はやめちゃって二人でくっついたらどうですか。
真行寺は真面目で誠実で優しくてハンサムで素敵です。上総もカッコイイけれど、二人の違いは誰を一番大事にしてるかですね。真行寺は水城のことを一番に考えてくれているけれど、上総が一番大事なのは自分だと思います。
三角関係にしたことと、一人称で水城の思いばかりがクローズアップされてしまったせいで、なんとなく真行寺は置いてきぼりになり二人の恋愛が薄かったのが物足りなかったですね。
年下丁寧語攻めだったんですが全然そんな感じはしなかったです。
真行寺の方が大人だから。
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