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カッパでも愛してる
樹生 かなめ〔著〕
講談社X文庫ホワイトハート (2006.5)
通常24時間以内に発送します。
イラスト/神葉理世

桜の精と称されるほどの美貌の持ち主・一色柊馬は不運菌を持つ男として周囲から恐れられている。
どれほど業績好調な会社も、柊馬が入社すると業績が悪化し、倒産するのだ。
そんなある日、柊馬はかつて父の会社を助けるために身体の取引をした本郷彬と再会して…!?
本郷彬(ほんごうあきら)×一色柊馬(いっしきしゅうま)
25歳、同い年。


変わったタイトルですよねぇ。
でも凄く気になりますよね。 
“カッパって何だよ?”
樹生さんは比較的好きなんですが、時々ついていけないのも確かにあります(笑)
柊馬の接待芸「パンツちょうだい~!」を連呼された時は、これはアカン!最後までついていけないかもと思ったんですが、読み進めば以外にも笑えるラブコメディでした。
馬鹿馬鹿しいとも言えますが(笑)。
彬の柊馬への妄執ぶりは「限りなくシリーズ」の攻に近いかもしれない。
冷静に考えると凄く怖い執着なんだけど、全て愛情が強すぎる故ということが伝わってくるところとか。あんなキチクではないですけどね(笑)。もっとずっと可愛らしいし。愛はたっぷりだけどちょっとヘンなところは「不条理な男」の邦衛にも共通する部分がありそう。でも彬は話せばなんとか通じそうだから邦衛より扱いやすい(笑)
似てるようでちょっと違いますが、要はヘンな攻であるところは同じです(笑)
お話の雰囲気はずっと軽め。

とにかく入社する会社がことごとく倒産するだけでなく母の胎内に宿ったときから不運に遭い、周囲も巻き込んできたのが柊馬です。
もともとの生まれは会社経営者の息子で裕福な生まれだったものの両親は幼い頃に離婚し、会社は人手に渡り父は亡くなり、今は一卵性双生児の異母弟・和馬(かずま)兵馬(ひょうま)と三人で狭いアパートに住んでいます。
学生時代からの友人・瀬戸(せと)が経営する会社に拾われ営業部長として接待に身体を張る日々。
そんなとき、接待で利用したキャバクラで、柊馬は彬と再会します。
大学時代、自分のものになってくれれば柊馬の父の会社への融資を約束すると言い、柊馬を自由にした日本有数の規模を誇るグループ会社の息子の彬。しかし父の会社は叔父に乗っ取られ、柊馬はそれをきっかけに彬の元を逃げ出しました。
その後彬はアメリカに留学。それ以来の再会です。

彬はとにかく大金持ちの将来は大グループの頭取となる立場で、そんな彬にはお金や打算で近づいてくるものが多かった。受け継ぐ財産と肩書きでだいたいの人は彬の愛を得ようと必死になり、彬は愛されるだけ。愛されたくない場合は恨まれないように誘いを上手にかわす術は覚えたけれど、実は愛した人に愛される術がわからない。
愛されようと努力する必要がなかったんですもんね。
そんなわけで彬の愛情表現は非常に奇異なものとなってしまいました。
「融資をするから僕のものになって」というのがそれです。
それまで彼の周りにいた人たちの愛はお金で買えました。だから柊馬の愛が欲しくて彬は大真面目にそう言ったんですね。それに帝王学を学んだ彼はある意味とても冷徹で、口約束など形のないものは信用しません。柊馬が欲しいなら「愛してる」と言えばいいんだと言われても、そんな言葉だけの実態のないものを信用する心理がわからない。
彼は自分の理解できる範囲で、誠実に愛情を示したつもりだったわけです。言葉などという不確かなものでなく形で、実態で示した。それがイコール「お金」だった。彬にとっては最大限の愛情表現だったんですね。

「もしかして俺のこと好きなの?」と柊馬は再会して初めて彬の心を知ります。
「お金」でこれ以上ない愛情を伝えたつもりの彬でしたが、柊馬にしてみれば大学時代の関係はまさに金で買われた愛人か援助交際のようなものだったんですよね。
柊馬は情に厚い男だし優しいから、そんな彬の間違った部分に大学時代に気づいていたら違ってたんでしょうけどねー。

彬の独占欲は凄いです。
ここまで攻がストレートだと愛情に関しては読んでる方は全く安心だし、彬の傲慢だけどやはりどこか拙い愛情表現はなんとなく可愛らしく見えましたね。
気持ちは溢れんばかりなのに美味く表現できないぶきっちょさは微笑ましく思える。
しかし柊馬を手に入れるために彬のしたことは、実は可愛らしいとはとても言えないですよね(^^ゞ。まさに権力と財力をフルに使った凄い執着心です。
こんなに愛されたら…ちょっと怖いよね、やはり(笑)

柊馬の不運菌の半分くらいはちゃんとした理由があったわけですが、それでもついてない人には変わりないですね(笑)
命に関わることなどないように祈りたい。

さて「カッパ」ですが、そこだけ説明するとなんじゃそりゃって笑えるけど意味はあんまり感じないただのギャグになっちゃいますね。実際そうなった人はとても笑い事じゃないけど、このシーンは笑えます。
でもちゃんとラストに繋げてました。
たとえカッパだろうがなんだろうがどうなろうが愛してる、それだけ強い愛情という深い(?)タイトルでありましたよ。

軽いコメディで深く考えずに楽しめるんですが、樹生さん独特のノリがあるので好みが分かれるかもしれませんね。
個人的に一番の難所は前半の柊馬の接待シーンかな。
真面目で一生懸命ゆえとわかっていても、先行き不安になりましたから。それを抜けたらOKでした。
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