BL読書感想日記※※※ 詳しくはカテゴリーの「このブログについて」をご覧下さい。

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イラスト/奈良千春

日雇い労働者の集まる街で診療所を経営している青年医師・坂下。
労働者たちのリーダー格・斑目は、屈強な男たち相手に一歩も譲らず日々奮闘している坂下を気に入り、なにかとちょっかいをかけていた。
ある日、坂下と仲の良いホームレスのおっちゃんが肝硬変を患っていることが発覚。家族に知らせようとする坂下を、斑目は無駄だと一蹴する。
坂下を諦めさせるため、身体と引き換えならおっちゃんの住所を教えてもいいと条件を出す斑目。脅しのつもりだったが斑目だが、坂下は自分の本気を示すため、その条件をのみ抱かれることに―。
斑目幸司(まだらめこうじ・30代半ば)×坂下晴紀(さかしたはるき・29歳)

「愛してないと云ってくれ」雑誌掲載
「根無し草狂詩曲」書き下ろし

すっごく面白かったです。
日雇いのオヤジと美人医師というだけでもう胸が高鳴ってしまったんですが、コメディで面白いし、それだけでなくほろりとさせる人情も絡んでて、文章も読みやすくて一気に読んでしまった。

金儲け主義の大病院の実態に嫌気が差していた坂下は、医師を必要としながら困窮で診察を受けられない人たちのためにと日雇いやホームレスの集まるこの街で診療所を開き、金がなかったり保険証さえも持たない患者たちをツケで診察してやっています。
その様子はまるで「掃き溜めに鶴」ではなくて「掃き溜めに軍鶏(しゃも)」と評するのは斑目。診療所を訪れる荒くれの屈強な男たちを物ともせず、叱り飛ばしたりゲンコツで殴ったり。まさに鶏冠を立てて周りを威嚇しながら闊歩する軍鶏が目に浮かびます。
そんな中、斑目はしょっちゅう診療所にやってきては、下ネタを飛ばし坂下にちょっかいを出しています。

ガテンもガテンですよね。
斑目は屈強な身体つきに無精ひげ、野性的ないい男で体中から汗とフェロモンが発散されて匂ってきそうです(笑) それだけでクラクラ。
いつもセクハラまがいの下ネタばっかりのたまうこのオヤジが私のいけないツボを押し捲りです。はっきり言うと大好きです、ガテン(笑)。
対する坂下もクソオヤジに翻弄されつつも、きっちり対抗する気構えは持ち合わせていて二人のやりとりも面白いです。気は強いんだけど、根が真面目でおぼっちゃんでもある坂下が弱ってしまうと、スケベオヤジの斑目はそれを察してやんわり励ましたり、包んでやる優しさも持ってます。
甘いと言われながらも自分の理想を貫こうと、時にくじけながらそれでも野蛮な男たちの中で奮闘する姿や、単なるスケベオヤジではない懐の深さや優しさに、お互い惹かれていったのかな~と思います。

親しくしていたホームレスのおっちゃんが病気になり、家族に連絡しようとする坂下に斑目は無駄だと言って連絡先を教えません。
身体と交換条件で住所を聞き出したものの、出向いてみれば家族には剣もほろろに追い返され、しかもおっちゃんが高額当選した宝くじの当り券を坂下に預けたと知ると、「遺産狙い」で暴力的に取り替えそうとする家族たち。
日雇いと言う設定、BLだから萌えだ~とか言ってますけど現実の哀しさもかいま見えて、おっちゃんの死にはしんみりさせられてしまいました。

書き下ろしでは斑目の異母弟が現れ坂下を気に入り手に入れようとします。この異母弟はヤクザ。
坂下の祖母の心臓は手術が必要なのに、祖母は手術を拒否して坂下の元へ家出してきます。手術を受けずに亡くなったおっちゃんのことを思い、どうしても手術を受けさせたい坂下でしたが祖母は頑固でうんと言わない。
いつもツケで診療している自分の病院には金も設備もなく、医師であるのに何もしてやれない。おりしも怪我をした患者が安静にしていないことを怒った坂下は「ヤブ医者」と罵られ、あとで斑目からその男が「女房とヨリを戻すために必死で働いている」ということを聞き、金でなく患者一人一人と向き合うはずだったのに事情も知らずにただ怒鳴りつけるだけで、それさえ出来ていない自分に気づく。
そして自信を失くしてしまいます。自分はここにいても何の役にも立たない。お金が欲しい。
そう思う坂下に、斑目の弟は「自分のところにくれば金もあるし祖母に医者もつけてやれる」と言い坂下を追いつめます。
そして「行く」と言ってしまう坂下。

斑目はただの日雇いではないです。
彼は昔ブラックジャックでした(笑)。
個人的にはブラックジャックでなくてもいいんですよ、ぜんぜん(笑)。
本当は凄い男なのよというところはドリームかな、やっぱり。それで安心ということもあるだろう。冷静に考えるといろいろ不安だし(笑)
白衣も似合いそうですし、それはそれでカッコいいですよね。
この差が「ギャップ好き」のツボまで押してくれました。

中原さんの趣味てんこもりだそうですが、OKどんとこいです。
他の脇役陣も、おっちゃんや祖母を始め、若い衆(笑)の双葉(ふたば)など皆魅力的です。
ホントに面白かった。
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日雇い労働者の集まる街で、ツケもきく診療所を経営している坂下。ツケというよりほぼ踏み倒されてる状態なので、もちろん経営は火の車。それでも労働者たちがこの診療所を頼みにして、日々集まってくれていることが楽しかった。また、リーダー格ともいうべき斑目は、坂下...
2010/07/30(金) 00:58:08 | ◆小耳書房◆
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