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月も星もない
久我 有加著 / 金ひかるイラスト
新書館
ディアプラス文庫(2007.5)


突然、相方からコンビ解消を告げられた温。絶望的な気持で街をさまよっていたところ、やはり同じ日にコンビ解消を言い渡された秀永と遭遇する。
共に売れない芸人同士。傷を舐めあうかのように、勢いで身体を重ねてしまう。翌朝、「おまえの初めての男になった責任をとりたい」と秀永が言い出し、二人でコンビを組んでみることになるが…!?
秀永元継(ひでながもとつぐ)×城坂温(しろさかはる)
二人とも二十代半ばくらい。

「月も星もない」
「昼も夜もない」
「全漫当夜」の三編。

売れないお笑い芸人・温(はる)は、相方の健次郎(けんじろう)からコンビ解消を告げられた夜、同じ日にやはり相方にコンビ解消を告げられた秀永と出会います。
酔った秀永とシラフだけれど意気消沈茫然自失の温は、意気投合(?)し、なぜか寝てしまいます。うろたえ謝る秀永は、「責任をとりたい」と、一緒にコンビを組もうと言いだします。

高校生のとき、お笑い好きでこっそり書き溜めていたネタを見た健次郎に褒められ、それが元でお笑いの世界に入った温は、健次郎に恩義のようなものを感じていて、コンビだった頃は、健次郎に意見したりすることは全くできませんでした。ネタも全て温が書いていました。

が、秀永とは、お互い意見をぶつけ合い、時には喧嘩になったり、またお互いの良い部分を認め合ったりして、そうやって二人でネタを作り上げる作業で、温はお笑いの世界に入って初めてのコンビの楽しさを味わうことができました。
二人で新しくコンビを組むことを事務所に認めてもらうため、稽古に励む二人は、やがて惹かれあっていきます。
しかし、『相方』と『恋人』は両立できるのか。
二人が初めて会った夜、飛行機のパイロットランプを見上げ、「売れますように売れますように売れますように」と流れ星と間違えてお願いした秀永に、「ピカピカ光ってるから流れ星の一億分の一くらいは願いを叶えてくれるやろ」と返す温のやりとりから、コンビの名前が「パイロットランプ」になるというのは、なかなか良いエピソードだと思いました。
二人がコンビを組むようになるまでが『月も星もない』。

少し顔を知られるようになった二人が、これに優勝すれば全国区間違いなしという全国漫才コンテストを目指すまでが「夜も昼もない」。
うまく行っている二人ですが、名前と顔を知られるようになったことで、それに便乗していい思いをしようとする輩が群がってきます。勝手にコンビを解消して引退したはずの健次郎が、温に擦り寄ってきて、それを拒否すると、有名芸人とsexしてそれを自慢している女の子を使って二人の間を引っ掻き回そうと画策。
全体的にほのぼのしたお話ですが、この辺は、ちょっと人の毒が見え隠れして苦さも感じました。

「全漫当夜」は、全国漫才コンテストで優勝し、これから人気を得ていくだろう二人で、ラストとなっています。
売れない状態から、一生懸命、真摯に上を目指そうとする前向きな二人が良かったです。厚みもわりとしっかりあって読み応えも十分。
久我さんの、もうひとつのお笑いシリーズ(?)『バンテージ』もチラッと出てきますので、そちらを読んだ人もなんとなく嬉しいでしょう。読んでなくてもまったく大丈夫ですが。
こちらも続編が決まっているそうなので、二人がどんな風になっているのか、次回が楽しみです。
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