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ヤクザとネバーランド
砂原 糖子著 / 高城たくみイラスト
幻冬舎コミックス
ルチル文庫(2007.5)


広告代理店に勤める奈木蝶也のもとにヤクザが来た。離れて暮らしていた花畑組組長の父が亡くなり、二代目を継げと迫る組員たちにヤクザ嫌いな蝶也は断る。組員の中にひとつ下の幼馴染・枦山尭平がいた。大人しいがキレると凄い尭平が蝶也は苦手だった。
なぜか尭平だけが蝶也に組長は無理だと言い、思わず蝶也は、組長を引き受けてしまうが……!?
枦山尭平(はぜやまたかひら・26歳)×奈木蝶也(なぎちょうや・27歳)

暴力団組長の息子の奈木ですが、両親は中学時に離婚しており、ヤクザ嫌いの奈木はそれ以来父の稼業からは完全に離れ、普通のサラリーマン生活を過ごしています。
母と父が別れてからは、父には会ったこともなかったのですが、その父は「跡は息子に継がせる」という遺言を残し病死してしまいます。奈木の行方を探していた組員によって突然父の死と想定外の遺言を知らされた奈木。
当然、組を継ぐ気など微塵もありません。
しかし、諦めない組員たちは、奈木に食い下がります。

そんな中で再会したのが幼馴染だった枦山でした。枦山は大人しく目立たない子供だったのにキレると恐ろしく、幼稚園で流血沙汰を起こしたことがあり、その怖さから奈木は枦山を苦手にしていたのです。
しかし誰もが奈木を組長にと望む中、枦山だけが反対します。奈木はつい「組長と呼べ」と言ってしまい、なし崩しに組長にされてしまいます。

心中では抵抗する奈木ですが、いい雰囲気になっていた先輩同僚とは、奈木が暴力団関係者ということで駄目になってしまいます。八つ当たり的に事務所に乗り込んで「解散だ」と告げてみれば、組長が失恋したらしいと組員たちに慰められ酒盛りになる始末。
そして悪酔いして吐いたところで気づいてみれば事務所の二階で介抱してくれた枦山と二人きり。二人はそこで初めて関係を持ってしまいます。

ヤクザと言っても父の組は総勢6人という弱小規模。父のカリスマ性で成り立っていた組は、父の死後、辞める者が続出してしまったのです。事務所を巣鴨に置き、寂れた喫茶店や商店から細々とミカジメ料を得る状態で、今にもつぶれそうです。
ヤクザでありながら、実家の肉屋を手伝いに帰ってしまったり、事務所で出されるお菓子が巣鴨らしく(?)落雁だったり、なんだかほのぼのアットホームな雰囲気が漂う組です。組員も若頭と企業舎弟の枦山を除けば、なんだか頭は悪いけど気はいいチンピラ風な男たちばかり。
そんな組織と組員たちの姿と、奈木とのやりとりは面白おかしく、嫌がってるのにズルズルと組長に祭り上げられてしまい、いつのまにか人情味ある組員たちにほだされてしまうあたりは面白いです。

女顔で普通のサラリーマンが、アットホームなヤクザ組織の組長になっての奮闘記・・・であってもそれはそれで面白いんでしょうが、ところが後半、一気に雰囲気がバイオレンスに血なまぐさく変わります。
突然の変貌にちょっとびっくりしましたけど、実は結構ゾクゾクしました(笑)。前にもどこかの感想で度々書いてますけど、わたくし「ギャップ萌え」の気があるもんですから。攻めの方にギャップがある方がより萌えるのですが、これもなかなかでしたよ。
でもちょっと怖いですね。組員が可愛く見えちゃいますから。でも、『組長』となったら、このくらいでないといけないかもしれませんよね。

無口で言葉も上手くない枦山ですが、枦山の思いはなんとなく滲み出してきます。寡黙で不器用だけれど一途な男は素敵です。こういう男だと、なかなか恋愛が盛り上がらないのは玉に瑕ですが。枦山は寡黙なだけでなく、ちょっと変わった男でしたが、そんなところも可愛いかな、と。

ただ奈木が本物のヤクザへと転身していく心の変化よりも、やはりBLですから枦山と奈木の恋愛部分にも、もっと重点置いて欲しかったかな~とは思います。
砂原さんの受けは変わった人が多いけど、今回は普通?と思っていたら、大どんでん返しでしたね(笑)。
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