イラスト/石原理(アイノベルズ)
鎌倉南署の管轄でヤクザが日本刀で斬り殺される事件が発生した。
現場に残された1本の刀を頼りに、犯行に使われた刀を追うことになった刑事の京介は、若く繊細な美貌の刀鍛冶・博雪にたどり着く。そして博雪から、二本の刀は因縁つきの対の剣で、殺人に使用された方は、抜くと人斬りを誘うと聞かされた。
信じられずに残った刀を抜いてしまった京介だが、妖しい夢に導かれ、博雪を犯してしまい―!?
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大門京介(だいもんきょうすけ・30歳)×当麻博雪(たいまひろゆき・28歳)
刑事と刀鍛冶。
連続殺人事件を追っていく刑事ものですが、オカルト風味が入ってます。人斬りを誘う妖刀・紅と、対になっていて紅を抑える白。日本刀に纏わる因縁がうまく絡んでいて面白かったです。現代モノでありオカルトチックであり和風味もする、もちろんちゃんと恋愛も。そのバランスが好きでした。
鎌倉南署にヤクザが切り殺されたという一報が入り、刑事の京介はコンビを組むベテランの小橋とともに現場に駆けつけます。現場は血の海で被害者は腹と背中を斬られ絶命している。
傍には一本の日本刀があり、凶器となったもう一本は持ち去られた様子。日本刀から犯人を追うべく、京介は刀鍛冶の博雪の元に残された刀を持参して聞き込みに行くことになります。
現われた博雪は長い髪を一つに結び着物を着た美貌の男。
日本刀は江戸時代、当麻の先祖の刀工が作り藩主に献上したもので二本対になっており、殺人に使われた刀「紅」は人斬りを誘う刀。因縁話の残る刀で、手元に残った「白」と一緒にしておかないと、再び殺人が起こると博雪は言います。
そして日本刀の行方を辿るため、京介、小橋は博雪とともにある小説家の家を訪れることになりますが、そこではすでに第二の殺人が行われたあとでした。
オカルト的というのはこの刀のことだけじゃなく、京介が「霊感体質」であるというのもそうです。
この刀には、最初の持ち主の藩主と寵愛した側小姓の悲恋の因縁が纏わっており、それ以後、戦時中やはり愛し合いながら戦火の中で沈む軍艦の上でお互いを斬って自害した軍人(男同士)の念も残されています。その念のせいか刀は呼び合っていて、残された「白」は「紅」を求め、その念が霊感体質の京介の中へと入ってしまうんですね。
そして藩主や軍人達の夢を京介に見せ、京介は対を求めるように博雪を抱いてしまうわけです。京介、博雪のカップルと、ここにもう二つのカップルの悲恋もちょこちょこっと登場してくるのでちょっとお得でコレが結構萌えです。
刀鍛冶の博雪は亡くなった父から刀について聞かされており、もし「紅」が盗まれた時は、「白」が清浄な気を持つ強い男を選ぶから、お前は身体を与えられるように覚悟しておけと言い渡されていました。
「紅」が戻るまで京介は「白」を助けなければならず、博雪は京介を助けることとなります。
そうは言っても刀の意思だけで動かされているわけではなく、二人はちゃんと素のままでも惹かれあっていくのが良かったです。操られてという状況ではLoveとしてはちょっと寂しい気がするし。刀を取り戻すためにというよりは、刀に関わってきた愛し合う男たちのように、そして対の刀そのもののように、惹かれるべくして惹かれあったというように感じられるのが良かったですね。そしてラストも悲恋の男達とは違って、自分達は諦めず幸せに刀を守っていくというところに持っていっているのがいいんですね。
殺人の犯人探しの方は、霊感体質の京介が小説家の幽霊から犯人を教えてもらうので(笑)、わりとすぐにわかります。死んだばかりで幽霊慣れしてない幽霊がちょっと面白かった。日本刀に殺人に幽霊に…とドロドロしていそうなのに重い感じはなく、時々笑いを誘う場面があっていい具合に力が抜けてます。犯人探しや推理の場面もありますが、やはり刀に纏わる因縁や情がお話を面白くしているという感じです。
190cm近い長身に剣道の名手で誠実で義理堅く公平で真っ直ぐな京介が、刀の情に憑かれながらも、取り込まれずに自分を見失わずにいるのがとても頼りがいがあって男らしく素敵。また博雪の方も和風の奥ゆかしさと刀鍛冶としての力と強さが凛としていていいです。
二本の刀も実は結構エロティックです。刀は男の方の一部のことを言ったりしますしね。特に「白」は男のかたのアレをかけて作られたということになっておりますので。でもHはそんなに濃くないですけどネ。
オカルトといってもこれはとっつき安いと思います。
石原さんのイラストもお話に凄く合っていました。この吊り目がいいんですよ。
面白く読めました。
大門京介(だいもんきょうすけ・30歳)×当麻博雪(たいまひろゆき・28歳)
刑事と刀鍛冶。
連続殺人事件を追っていく刑事ものですが、オカルト風味が入ってます。人斬りを誘う妖刀・紅と、対になっていて紅を抑える白。日本刀に纏わる因縁がうまく絡んでいて面白かったです。現代モノでありオカルトチックであり和風味もする、もちろんちゃんと恋愛も。そのバランスが好きでした。
鎌倉南署にヤクザが切り殺されたという一報が入り、刑事の京介はコンビを組むベテランの小橋とともに現場に駆けつけます。現場は血の海で被害者は腹と背中を斬られ絶命している。
傍には一本の日本刀があり、凶器となったもう一本は持ち去られた様子。日本刀から犯人を追うべく、京介は刀鍛冶の博雪の元に残された刀を持参して聞き込みに行くことになります。
現われた博雪は長い髪を一つに結び着物を着た美貌の男。
日本刀は江戸時代、当麻の先祖の刀工が作り藩主に献上したもので二本対になっており、殺人に使われた刀「紅」は人斬りを誘う刀。因縁話の残る刀で、手元に残った「白」と一緒にしておかないと、再び殺人が起こると博雪は言います。
そして日本刀の行方を辿るため、京介、小橋は博雪とともにある小説家の家を訪れることになりますが、そこではすでに第二の殺人が行われたあとでした。
オカルト的というのはこの刀のことだけじゃなく、京介が「霊感体質」であるというのもそうです。
この刀には、最初の持ち主の藩主と寵愛した側小姓の悲恋の因縁が纏わっており、それ以後、戦時中やはり愛し合いながら戦火の中で沈む軍艦の上でお互いを斬って自害した軍人(男同士)の念も残されています。その念のせいか刀は呼び合っていて、残された「白」は「紅」を求め、その念が霊感体質の京介の中へと入ってしまうんですね。
そして藩主や軍人達の夢を京介に見せ、京介は対を求めるように博雪を抱いてしまうわけです。京介、博雪のカップルと、ここにもう二つのカップルの悲恋もちょこちょこっと登場してくるのでちょっとお得でコレが結構萌えです。
刀鍛冶の博雪は亡くなった父から刀について聞かされており、もし「紅」が盗まれた時は、「白」が清浄な気を持つ強い男を選ぶから、お前は身体を与えられるように覚悟しておけと言い渡されていました。
「紅」が戻るまで京介は「白」を助けなければならず、博雪は京介を助けることとなります。
そうは言っても刀の意思だけで動かされているわけではなく、二人はちゃんと素のままでも惹かれあっていくのが良かったです。操られてという状況ではLoveとしてはちょっと寂しい気がするし。刀を取り戻すためにというよりは、刀に関わってきた愛し合う男たちのように、そして対の刀そのもののように、惹かれるべくして惹かれあったというように感じられるのが良かったですね。そしてラストも悲恋の男達とは違って、自分達は諦めず幸せに刀を守っていくというところに持っていっているのがいいんですね。
殺人の犯人探しの方は、霊感体質の京介が小説家の幽霊から犯人を教えてもらうので(笑)、わりとすぐにわかります。死んだばかりで幽霊慣れしてない幽霊がちょっと面白かった。日本刀に殺人に幽霊に…とドロドロしていそうなのに重い感じはなく、時々笑いを誘う場面があっていい具合に力が抜けてます。犯人探しや推理の場面もありますが、やはり刀に纏わる因縁や情がお話を面白くしているという感じです。
190cm近い長身に剣道の名手で誠実で義理堅く公平で真っ直ぐな京介が、刀の情に憑かれながらも、取り込まれずに自分を見失わずにいるのがとても頼りがいがあって男らしく素敵。また博雪の方も和風の奥ゆかしさと刀鍛冶としての力と強さが凛としていていいです。
二本の刀も実は結構エロティックです。刀は男の方の一部のことを言ったりしますしね。特に「白」は男のかたのアレをかけて作られたということになっておりますので。でもHはそんなに濃くないですけどネ。
オカルトといってもこれはとっつき安いと思います。
石原さんのイラストもお話に凄く合っていました。この吊り目がいいんですよ。
面白く読めました。
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