イラスト/片岡ケイコ(リーフノベルズ)
買収騒動に揺れる名門ホテルの御曹司・貴志は、取引中止を求め売却先の担当者・高城に面会した。
しかし、高城の求める中止の条件は―貴志の身体。
高城の残酷な言葉と痺れるようなキスが貴志の誇りを傷つけていく。
だが、代償だと穢される恥辱に耐えた貴志の元に、買収決定の報せが届き―!?
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高城哲臣(たかしろてつおみ・30代前半)×中路貴志(なかみちきし・23歳)
「交換条件は身体」
とてもよくあるパターンですね。
実はちょっと期待していたんですが、これはツボを外れてたかな…。
自分の父が経営するホテルを買収されるとなったら、それまでいくら疎遠だったとは言っても知らん顔ではいられません。ましてそのホテルは父と亡くなった母の出会いの場所であり、自分にとっても亡き母の思い出の場所だった。
しかし、息子の自分には父から直前まで何も知らされず、父の秘書から内情を聞いて父の元へ駆けつけても、「お前は心配するな」と蚊帳の外に置かれてしまう。
気は焦るし、いても立ってもいられない貴志ですが、この貴志くんには何の力もない。大学院生で未だスネカジリの身だし、読んでいくと周りから大事に大事に守られて育ったお子さんのようで、世間知らず。
ホテル内の思い出の庭園のすみっこで泣いていたところ、高城と出会うわけです。
買収を考え直して欲しいと頼む貴志に高城は「覚悟」を求めます。「覚悟」ができたら連絡してこいと連絡先を渡される。
「覚悟」とはいったい何だろう。その意味もよくわからないままに貴志は悶々としますが、自分が何もできないうちにも買収交渉はどんどん進んでいってしまう。
結局焦燥感に駆られ、「覚悟」がなんだかわからないまま高城に連絡した結果…いただかれてしまうのですね。あとはただただ嵐に翻弄される「小鳥」ちゃんとなってしまう。
しかし高城は、この関係は一度では終わらないと貴志を自分にしばりつけたまま、買収を決めてしまいます。
高城の印象は、非常に意地悪で傲慢で、貴志とは全く違う「大人の男」。表と裏を使い分け、計算高い冷徹な感じがします。言葉攻めもキツイです~(笑)。
こういう攻はそう珍しくはないし、こんな風に意地悪でありながら、実は裏では受にベタ惚れというのもよくあることで、この場合もそのとおりです。
が、この高城さん、ちょっと変なんです。
人に情や愛というものを感じたことがないらしい。
愛情の示し方間違ってます。
これはラストの方になりますが、貴志への想いを伝えるのに「君を買いたい」という言い方をするんですね。貴志を独占するためにそれしか思いつかないと。そんな風になってしまった人に悲哀は感じるけれど、どうしてそうなったかは語られていないのでわからない。こんな人なのでラストはともかく、それまでの高城には意地悪なところばかり目立ち愛情が感じられなかった。示し方がわからなければ当然だけど、なのに貴志が高城に惹かれていってしまうので「何故?」と理解できず、それがピンとこなかった理由かもしれません。
ただ見方を変えれば、優秀で非の打ち所のない男でありながら「愛」を知らないという人間的な欠陥を持った高城が、貴志に出会って愛というものを初めて知る、そういうお話とも言えるので、その辺に萌えを感じられれば、楽しめるかな。
条件をのませておきながら買収をしてしまうというところに冷徹な面が見えて、それが元々高城という人なんだろうけど、その冷たい男が、初めて自分の中に「愛情」というものを感じて戸惑っているところも想像できなくもない。
買収の件もただの裏切りというわけではないし、ラストはみんな幸せに甘いところに着地していました。
しかし、貴志にとっては高城よりも「幼馴染のお兄ちゃん」の方が幸せだと私には思えてしまったのでした。(^^ゞ
高城哲臣(たかしろてつおみ・30代前半)×中路貴志(なかみちきし・23歳)
「交換条件は身体」
とてもよくあるパターンですね。
実はちょっと期待していたんですが、これはツボを外れてたかな…。
自分の父が経営するホテルを買収されるとなったら、それまでいくら疎遠だったとは言っても知らん顔ではいられません。ましてそのホテルは父と亡くなった母の出会いの場所であり、自分にとっても亡き母の思い出の場所だった。
しかし、息子の自分には父から直前まで何も知らされず、父の秘書から内情を聞いて父の元へ駆けつけても、「お前は心配するな」と蚊帳の外に置かれてしまう。
気は焦るし、いても立ってもいられない貴志ですが、この貴志くんには何の力もない。大学院生で未だスネカジリの身だし、読んでいくと周りから大事に大事に守られて育ったお子さんのようで、世間知らず。
ホテル内の思い出の庭園のすみっこで泣いていたところ、高城と出会うわけです。
買収を考え直して欲しいと頼む貴志に高城は「覚悟」を求めます。「覚悟」ができたら連絡してこいと連絡先を渡される。
「覚悟」とはいったい何だろう。その意味もよくわからないままに貴志は悶々としますが、自分が何もできないうちにも買収交渉はどんどん進んでいってしまう。
結局焦燥感に駆られ、「覚悟」がなんだかわからないまま高城に連絡した結果…いただかれてしまうのですね。あとはただただ嵐に翻弄される「小鳥」ちゃんとなってしまう。
しかし高城は、この関係は一度では終わらないと貴志を自分にしばりつけたまま、買収を決めてしまいます。
高城の印象は、非常に意地悪で傲慢で、貴志とは全く違う「大人の男」。表と裏を使い分け、計算高い冷徹な感じがします。言葉攻めもキツイです~(笑)。
こういう攻はそう珍しくはないし、こんな風に意地悪でありながら、実は裏では受にベタ惚れというのもよくあることで、この場合もそのとおりです。
が、この高城さん、ちょっと変なんです。
人に情や愛というものを感じたことがないらしい。
愛情の示し方間違ってます。
これはラストの方になりますが、貴志への想いを伝えるのに「君を買いたい」という言い方をするんですね。貴志を独占するためにそれしか思いつかないと。そんな風になってしまった人に悲哀は感じるけれど、どうしてそうなったかは語られていないのでわからない。こんな人なのでラストはともかく、それまでの高城には意地悪なところばかり目立ち愛情が感じられなかった。示し方がわからなければ当然だけど、なのに貴志が高城に惹かれていってしまうので「何故?」と理解できず、それがピンとこなかった理由かもしれません。
ただ見方を変えれば、優秀で非の打ち所のない男でありながら「愛」を知らないという人間的な欠陥を持った高城が、貴志に出会って愛というものを初めて知る、そういうお話とも言えるので、その辺に萌えを感じられれば、楽しめるかな。
条件をのませておきながら買収をしてしまうというところに冷徹な面が見えて、それが元々高城という人なんだろうけど、その冷たい男が、初めて自分の中に「愛情」というものを感じて戸惑っているところも想像できなくもない。
買収の件もただの裏切りというわけではないし、ラストはみんな幸せに甘いところに着地していました。
しかし、貴志にとっては高城よりも「幼馴染のお兄ちゃん」の方が幸せだと私には思えてしまったのでした。(^^ゞ
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