イラスト/金ひかる(ルチル文庫)
モグリの外科医・小田切優哉が初めて一ノ瀬櫂に会ったのは、櫂が15の時だった。
優哉は会った瞬間、本能的に8歳年下の櫂を、「これは俺のものだ」と直感、誘惑。以来6年間、身体だけの関係を結んでいる。
しかし櫂の二代目襲名を間近に控え、周囲は厳しい状況になってきた。
反対派による襲撃も増え、身体だけのドライな関係だった二人にも変化が起こりはじめる…!?
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一ノ瀬櫂(いちのせかい・21歳)×小田切優哉(おだぎりゆうや・29歳)
「やさしく殺して、僕の心を。」の続編となります。
「おまえは、愛を食う獣」
「獣の純情」の二編です。
幼い頃から櫂の兄のようにして育ち、今は一番の側近の室生(むろう)に紹介されて、櫂が15歳の時二人は出会います。
まだ15でありながら、牙を剥いた若い獣のような櫂を見て、優哉は「これは俺のものだ」と直感。誘惑してしまうんですね。
15の少年を誘惑してしまう優哉の倫理というのも考えると凄いと思いますが、櫂の荒れ狂う力を抑える術を知らない危険な若さは特別なものに見えたんでしょうね。
それ以来身体だけのつきあいを続けてきた二人。そこには何の感情もなかったはずなのに、いつの間にか二人の間に生まれていた「情」の存在に優哉は気づきます。
お互い他にも相手はいくらでもいて、実際お互いだけ、ということはなかっただろうに、6年間という年月に渡って二人が続いてきたのは、そこに身体以外の何かがあるからだと言っても決しておかしくないですよね。というかあっても当たり前。深く考えず、また見ないようにしてきたその事実に6年経ってやっと気づく。
そしてその「恋」は櫂の将来のためにならないと、優哉は別れることを決心します。
「殺伐とした恋愛」と確か前作のあとがきで言われていたと思ったんですが、想いを自覚してからは「好きになってしまったから別れなければならない」と言うなんとも切ない状況ですね。「情」が入ったことで二人の間は大きく変わります。
前作の室生と菜央の場合も、菜央のために生き、死ぬことができない室生が菜央を切ろうとしましたが、今度も、優哉が櫂の二代目としての将来のために、自分が「しみ」となることを防ぐためという理由で別れようとする、立場に引き裂かれるところは似ていますね。
身体から溢れる欲求と力をコントロールできず、爆発的に外へ出すことしかできなかった櫂は、そういう危うい感じが萌えであり(笑)魅力であるわけですが、初めて「感情」に目を向けて理解できずに荒れたりしながら、少しずつ変わっていくのもなかなかいいですね。ちょっと調教された野獣という感じでなかなかいいなと思います(笑)。まだまだ噛み付きますが。
次回は櫂の双子の兄弟・彗と刑事の橘の二人のお話ですが、こちらもお互いの立場が大きな障害ですし、一番きついかもしれない。しかも彗は身体がとても弱い。
けれど身体が弱い人というのは心がとても強いということもよくあります。そして彗ももしかしたら精神的には登場人物の中で一番強い…ということも大いにありそうです。
個人的には一番注目してるカップルなので楽しみです。
続編から、メインカップルは櫂と優哉に変わっていますが、前作のカップルもたっぷり出てますし、次作のカップルも大いに登場しています。
登場人物が大きくかぶってますので前を知らないと人物相関図が掴めません。
これから読まれるかたは、前作から読まれることをお薦めします。
一ノ瀬櫂(いちのせかい・21歳)×小田切優哉(おだぎりゆうや・29歳)
「やさしく殺して、僕の心を。」の続編となります。
「おまえは、愛を食う獣」
「獣の純情」の二編です。
幼い頃から櫂の兄のようにして育ち、今は一番の側近の室生(むろう)に紹介されて、櫂が15歳の時二人は出会います。
まだ15でありながら、牙を剥いた若い獣のような櫂を見て、優哉は「これは俺のものだ」と直感。誘惑してしまうんですね。
15の少年を誘惑してしまう優哉の倫理というのも考えると凄いと思いますが、櫂の荒れ狂う力を抑える術を知らない危険な若さは特別なものに見えたんでしょうね。
それ以来身体だけのつきあいを続けてきた二人。そこには何の感情もなかったはずなのに、いつの間にか二人の間に生まれていた「情」の存在に優哉は気づきます。
お互い他にも相手はいくらでもいて、実際お互いだけ、ということはなかっただろうに、6年間という年月に渡って二人が続いてきたのは、そこに身体以外の何かがあるからだと言っても決しておかしくないですよね。というかあっても当たり前。深く考えず、また見ないようにしてきたその事実に6年経ってやっと気づく。
そしてその「恋」は櫂の将来のためにならないと、優哉は別れることを決心します。
「殺伐とした恋愛」と確か前作のあとがきで言われていたと思ったんですが、想いを自覚してからは「好きになってしまったから別れなければならない」と言うなんとも切ない状況ですね。「情」が入ったことで二人の間は大きく変わります。
前作の室生と菜央の場合も、菜央のために生き、死ぬことができない室生が菜央を切ろうとしましたが、今度も、優哉が櫂の二代目としての将来のために、自分が「しみ」となることを防ぐためという理由で別れようとする、立場に引き裂かれるところは似ていますね。
身体から溢れる欲求と力をコントロールできず、爆発的に外へ出すことしかできなかった櫂は、そういう危うい感じが萌えであり(笑)魅力であるわけですが、初めて「感情」に目を向けて理解できずに荒れたりしながら、少しずつ変わっていくのもなかなかいいですね。ちょっと調教された野獣という感じでなかなかいいなと思います(笑)。まだまだ噛み付きますが。
次回は櫂の双子の兄弟・彗と刑事の橘の二人のお話ですが、こちらもお互いの立場が大きな障害ですし、一番きついかもしれない。しかも彗は身体がとても弱い。
けれど身体が弱い人というのは心がとても強いということもよくあります。そして彗ももしかしたら精神的には登場人物の中で一番強い…ということも大いにありそうです。
個人的には一番注目してるカップルなので楽しみです。
続編から、メインカップルは櫂と優哉に変わっていますが、前作のカップルもたっぷり出てますし、次作のカップルも大いに登場しています。
登場人物が大きくかぶってますので前を知らないと人物相関図が掴めません。
これから読まれるかたは、前作から読まれることをお薦めします。
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