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我が儘な食卓
秀 香穂里著
プランタン出版 (2006.3)
通常24時間以内に発送します。
イラスト/緒田涼歌(プラチナ文庫)

編集者の槇は、昔の恋人・芳沢に12年ぶりに再会する。
彼は立派なシェフになっていたが、槇が手酷く振った恨みか、言葉に棘がある。つい口論になり、槇は押し倒され一方的にイかされてしまう。
昔と違う慣れた手つき。別れた後、誰が彼の下で啼いたのだろう?芳沢は彼の相手に嫉妬する自分に気づく。
だが、今さら自分からは縋れない。
そんな時、悩む槇の前に、芳沢のパトロンが現れて…。
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芳沢英慈(よしざわえいじ・29歳)×槇直実(まきなおみ・30歳)

購入をちょっと迷っていたところ、「面白い」という感想を拝見して即購入しました。
いやいや、読んでよかった。ツボに入り、とっても面白かったです。


槇が高校3年生のとき、一つ下の芳沢から告白されて二人はつきあい始めます。
どちらかというと奔放で、恋愛や性に重きを置いていなかった槇は、一途で真剣な想いをぶつけてくる芳沢に始めは新鮮さや可愛らしさを感じていましたが、次第にそれが重荷になっていきます。
どうなるかわからない先のことまで二人一緒の構図を描き、周りのことさえ目に入らなくなっているような芳沢に苛立ち、その想いの重さに恐れさえ感じて、やがて槇はひどい言葉で別れを告げてしまいます。
そのまま二人が会うことはありませんでしたが、12年後編集者となった槇が同僚と訪れたイタリアンレストランで、二人は再会します。芳沢はそのレストランのオーナーシェフとなっていたのです。

高校時代、芳沢の一途な想いから逃げ出した槇ですが、今度は槇が追いかける立場になるんですね。
ひどいことは言ったものの、12年も経ったことだし、ちょっとお話してみたいな~なんていう槇の甘い考えは即座に否定されます。昔は自分のあとをついて廻っていたのに、芳沢から投げかけられたのはキツイ罵倒。
「性悪」「淫乱」と侮蔑され、あげく押し倒されて一方的にイかされて、再会は散々なものとなります。

芳沢のレストランになど二度と行くものかと思う槇でしたが、しかし芳沢のことが頭から離れません。会わなかった間に芳沢の身に起きたであろうことにさえ嫉妬してしまう。

なんだよこのヤロウと思っても、自分にとっての芳沢の存在はとても大きいものだったんですね。芳沢は自分に真剣な想いを抱いてくれた初めての、そして唯一の男でした。若かった自分はそれを「重い」などと感じ別れを告げて傷つけてしまったけれど、大人になった今は自分の馬鹿さ加減がよくわかる。
キスもHも自分が教えてやったのに、今の芳沢はその時より遥に経験値を積んでいて、それさえも胸の棘になります。変わってしまった芳沢でしたが、仕事を通じ顔をあわせるうちに、高校時代に見せていた生真面目さ、真剣さは変わっていないことに気づく。レストランを開くためにしたであろう苦労も伝わってくる。本当は謝って、自分のしたことを後悔していることを告げたいのに、芳沢はとてもそんなことを聴いてくれるような態度ではありません。けれど頑張っている芳沢のために、自分のできることはなんでもしてやろうと槇はそう思います。

二人の再会の、歯に衣着せぬなじり合いから、このノリは何だかとってもいいぞ!と思いました。真剣な想いを踏みにじっておいてちょっと調子いいぞ~な槇に浴びせる罵詈雑言は、一途な年下好きとしては、そうだそうだ、と気持ちよかったという個人的な趣味のせいです(笑)。
しかし、その後は槇側の想いで展開していくわけですが、この槇もとても良かったんですよね。槇の揺れる想いがとてもよくわかる。
高校時代、芳沢に別れを告げてしまった時の気持ち。しかし12年の間芳沢だけが心に残っていて、再会して、30という大人になった槇は、過去と12年間と現在の想いを、振り返り、悔やんだり否定したり迷ったりしながらもとても素直に認めていきますね。槇の想いが手に取るように伝わってきました。
態度はなかなか素直とはいきませんが、心の中はとても真っ直ぐに後悔し、芳沢への想いをちゃんと認めている。そして芳沢に憎まれていても仕方がないけれど、自分は何でもしてやりたいと、彼を支える立場になろうとします。自分の気持ちを認めず、意固地になって否定する受に出会うことが多い中で、なんだかとても新鮮だったし好感高かったですね。恋愛を軽く考え気楽なつきあいばかりを求めてきた槇が、唯一自分に齎された本当の愛に気づくというまとめもとても良かったと思います。

年下男が大人になって別の顔を見せる・・・という個人的萌えツボもしっかり刺激してもらいましたので、大満足の一冊でした。


あれ、また「灼熱のハイシーズン」を追い越してしまいましたね(笑) そっちも準備できてるので近々。
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