イラスト/角田緑(アルルノベルス)
精悍な容貌の営業マン・栖原が一目惚れしたのは、艶やかな美貌を持つ図書館司書・一ノ瀬。
彼を振り向かせるために猛アタックを繰り返す栖原だが、いつも意味深にはぐらかされてばかり。しかし、彼を知れば知るほど、そのミステリアスな魅力に惹かれ、のめり込んでいく。
そしてついに一ノ瀬を押し倒すことに成功した栖原は、彼にとんでもない秘密が隠されていることに気づき―!?
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栖原櫂(すはらかい・28歳)×一ノ瀬舟(いちのせしゅう・25歳)
ハンサムで明るく爽やかで清涼感溢れる好青年の栖原。後輩からも慕われ、女性にもモテる、そんな栖原は実はゲイでした。
栖原の好みは「東洋風の美人(男)」。そんな美人の男とゆっくり愛を育みたいと思っているのだ。
しかし現実はなかなか厳しく恋人いない歴三年…の栖原ですが、ある時飲みに行った帰り、偶然擦れ違った男にハートを直撃されます。モロに好みで完全に一目惚れ。しかしいきなり声をかけるわけにもいかず、その場は仕方なく見送ってしまうのですが、後日、再び偶然、図書館に入っていく彼を見かけ後を追いかけます。
彼が図書館の司書だと知ると、本を借り言葉を交わしなんとかお近づきに…と考える栖原。
それから栖原の涙ぐましいアタックが始まります。
涙ぐましいと言っても、わりとトントン拍子に言葉を交わし名前を教えてもらい、本を選んでもらい、借りては返し、と図書館に足しげく通ううちに顔も名前もしっかり覚えてもらい、次はお食事…と順調に接近は成功していきます。栖原はもう有頂天です。目がハートの形になってるんじゃないでしょうか(笑)。一ノ瀬の美貌にドキドキし、笑顔や反応に「可愛いー、可愛いー!」と心の中で身もだえせんばかり。
そしてキスをして、ついに初Hと栖原の恋が成就する…かのように思われるのですが、ここからが一苦労の始まりでした。
読んでいてもあまりに上手く行き過ぎて、おかしい~と思いますよね(笑)
なんとなく一ノ瀬君にはとんでもない事実がありそうだというのが、それまでの彼の行動から察せられます。
一ノ瀬くんは究極の「自分のことは自分で」の人なのです。
自分でできることは自分で…というのは一見当たり前のようですが、彼の場合はそれが度を越しています。人の手を借りる、人に甘えるという考えが全くない。そしてそれは自分だけではなく他人にも当てはまっていて、「自分のことを自分でする」のが彼の中で当たり前な以上、他人が困っていようがなんだろうが、彼は一切手助けをすることもないし、その前にそれが必要だということにも思い至らないんですね。
そんな一ノ瀬ですから25になるまでの学校生活でも、職場でも良く思われるわけがありません。彼には友達がいたこともないし、むろん恋人などとんでもない。それでも一切疑問を感じないところが、そもそもおかしいのです。
実際、初めて一ノ瀬の家に招かれ、栖原が下心いっぱいでウキウキしながら玄関を入ると、一ノ瀬くんは「片づけられない男」でした。
あまりの惨状に思わず掃除を始めてしまう栖原ですが、一ノ瀬は手伝おうともしません。自分だけ冷蔵庫からお茶を出して飲み、さっさと風呂に入り、必死になって掃除をする栖原を尻目にベッドに横になって本を読んでしまう。
信じられない~!と思う栖原ですが、一ノ瀬の思考からすると、「僕は喉が渇いたからお茶を飲む。栖原も飲みたかったら自分でどうぞ。風呂に入りたいから入る。本を読みたいから読む。栖原が掃除をしたいなら自分でどうぞ」となるわけだ。一緒に食事をしても、栖原の近くに調味料があっても「とってくれ」とは言わず、わざわざ立ち上がって自分で取りにいく。その代わり自分の傍に醤油があって栖原がそれをとって欲しくても「自分でどうぞ」となるのです。
そして究極は初Hのとき。栖原はHがしたいと思ってる。自分はそうは思っていないけど栖原のことはイヤじゃないから栖原がしたいなら勝手にどうぞと、マグロ状態になってしまう(笑)
何か変だよ、一ノ瀬くん!栖原もようやく一ノ瀬の真実の姿に気づきます。今まで栖原の誘いにつきあってくれたのも、自分がそうしたいからではなく、栖原がそうしたいなら、イヤじゃないからとつきあっていただけだったのだ。
そんな一ノ瀬を前にして、栖原は誠実というか、実に爽やかなスポーツマンシップにのっとった行動をとります(笑)
据え膳をいただいてしまうのではなく、心の通わないHはしたくないと、下心を封印!一ノ瀬に欠けているものを埋めようと、それはそれは甲斐甲斐しく努力を始めるんですね。
栖原はホントに誠実で真っ直ぐで優しくてあまりに理想的過ぎて、現実的ではないかもしれませんが、こういう「いい人」は花川戸さんの特徴というか味のようなもので実に花川戸ワールド(笑)。
私はわりと好きで、それでも鼻につくときもあったりしますが、今回は面白かったですね。栖原が一目惚れして一ノ瀬を落そうと一生懸命な様子は、面白くて可愛らしくて凄く微笑ましい。まさにウキウキ、恋愛してる!という心弾むような栖原の高揚感がなんだかこっちまで嬉しくなってきます。一ノ瀬の真実に気づいて傷ついても、自分のことより一ノ瀬のことを心配してしまうというホントにいいヤツなんですが、応援したくなるんですよね。
辛抱強く一ノ瀬を気遣い、そして仕事が忙しいあまりちゃんと連絡しないで一週間離れてしまったことが、一ノ瀬の心に大変化を及ぼしますが、初めて栖原を自分から求めて会いに行き想いを訴える一ノ瀬には、こっちまで栖原になったような気持ちで感動してしまいました。
心が通じ合ったあとは、当に甘々で正視できない花川戸さんの世界となっておりました(笑)
大変楽しく読ませていただきました。
アニ○イトに出かけた時に買ったんですが、オマケに小冊子がついていました。
あんなに大切にしてたから、栖原は一ノ瀬の尻に敷かれてるのかと思ったら、意外に強気でオシオキしてました(笑)
栖原櫂(すはらかい・28歳)×一ノ瀬舟(いちのせしゅう・25歳)
ハンサムで明るく爽やかで清涼感溢れる好青年の栖原。後輩からも慕われ、女性にもモテる、そんな栖原は実はゲイでした。
栖原の好みは「東洋風の美人(男)」。そんな美人の男とゆっくり愛を育みたいと思っているのだ。
しかし現実はなかなか厳しく恋人いない歴三年…の栖原ですが、ある時飲みに行った帰り、偶然擦れ違った男にハートを直撃されます。モロに好みで完全に一目惚れ。しかしいきなり声をかけるわけにもいかず、その場は仕方なく見送ってしまうのですが、後日、再び偶然、図書館に入っていく彼を見かけ後を追いかけます。
彼が図書館の司書だと知ると、本を借り言葉を交わしなんとかお近づきに…と考える栖原。
それから栖原の涙ぐましいアタックが始まります。
涙ぐましいと言っても、わりとトントン拍子に言葉を交わし名前を教えてもらい、本を選んでもらい、借りては返し、と図書館に足しげく通ううちに顔も名前もしっかり覚えてもらい、次はお食事…と順調に接近は成功していきます。栖原はもう有頂天です。目がハートの形になってるんじゃないでしょうか(笑)。一ノ瀬の美貌にドキドキし、笑顔や反応に「可愛いー、可愛いー!」と心の中で身もだえせんばかり。
そしてキスをして、ついに初Hと栖原の恋が成就する…かのように思われるのですが、ここからが一苦労の始まりでした。
読んでいてもあまりに上手く行き過ぎて、おかしい~と思いますよね(笑)
なんとなく一ノ瀬君にはとんでもない事実がありそうだというのが、それまでの彼の行動から察せられます。
一ノ瀬くんは究極の「自分のことは自分で」の人なのです。
自分でできることは自分で…というのは一見当たり前のようですが、彼の場合はそれが度を越しています。人の手を借りる、人に甘えるという考えが全くない。そしてそれは自分だけではなく他人にも当てはまっていて、「自分のことを自分でする」のが彼の中で当たり前な以上、他人が困っていようがなんだろうが、彼は一切手助けをすることもないし、その前にそれが必要だということにも思い至らないんですね。
そんな一ノ瀬ですから25になるまでの学校生活でも、職場でも良く思われるわけがありません。彼には友達がいたこともないし、むろん恋人などとんでもない。それでも一切疑問を感じないところが、そもそもおかしいのです。
実際、初めて一ノ瀬の家に招かれ、栖原が下心いっぱいでウキウキしながら玄関を入ると、一ノ瀬くんは「片づけられない男」でした。
あまりの惨状に思わず掃除を始めてしまう栖原ですが、一ノ瀬は手伝おうともしません。自分だけ冷蔵庫からお茶を出して飲み、さっさと風呂に入り、必死になって掃除をする栖原を尻目にベッドに横になって本を読んでしまう。
信じられない~!と思う栖原ですが、一ノ瀬の思考からすると、「僕は喉が渇いたからお茶を飲む。栖原も飲みたかったら自分でどうぞ。風呂に入りたいから入る。本を読みたいから読む。栖原が掃除をしたいなら自分でどうぞ」となるわけだ。一緒に食事をしても、栖原の近くに調味料があっても「とってくれ」とは言わず、わざわざ立ち上がって自分で取りにいく。その代わり自分の傍に醤油があって栖原がそれをとって欲しくても「自分でどうぞ」となるのです。
そして究極は初Hのとき。栖原はHがしたいと思ってる。自分はそうは思っていないけど栖原のことはイヤじゃないから栖原がしたいなら勝手にどうぞと、マグロ状態になってしまう(笑)
何か変だよ、一ノ瀬くん!栖原もようやく一ノ瀬の真実の姿に気づきます。今まで栖原の誘いにつきあってくれたのも、自分がそうしたいからではなく、栖原がそうしたいなら、イヤじゃないからとつきあっていただけだったのだ。
そんな一ノ瀬を前にして、栖原は誠実というか、実に爽やかなスポーツマンシップにのっとった行動をとります(笑)
据え膳をいただいてしまうのではなく、心の通わないHはしたくないと、下心を封印!一ノ瀬に欠けているものを埋めようと、それはそれは甲斐甲斐しく努力を始めるんですね。
栖原はホントに誠実で真っ直ぐで優しくてあまりに理想的過ぎて、現実的ではないかもしれませんが、こういう「いい人」は花川戸さんの特徴というか味のようなもので実に花川戸ワールド(笑)。
私はわりと好きで、それでも鼻につくときもあったりしますが、今回は面白かったですね。栖原が一目惚れして一ノ瀬を落そうと一生懸命な様子は、面白くて可愛らしくて凄く微笑ましい。まさにウキウキ、恋愛してる!という心弾むような栖原の高揚感がなんだかこっちまで嬉しくなってきます。一ノ瀬の真実に気づいて傷ついても、自分のことより一ノ瀬のことを心配してしまうというホントにいいヤツなんですが、応援したくなるんですよね。
辛抱強く一ノ瀬を気遣い、そして仕事が忙しいあまりちゃんと連絡しないで一週間離れてしまったことが、一ノ瀬の心に大変化を及ぼしますが、初めて栖原を自分から求めて会いに行き想いを訴える一ノ瀬には、こっちまで栖原になったような気持ちで感動してしまいました。
心が通じ合ったあとは、当に甘々で正視できない花川戸さんの世界となっておりました(笑)
大変楽しく読ませていただきました。
アニ○イトに出かけた時に買ったんですが、オマケに小冊子がついていました。
あんなに大切にしてたから、栖原は一ノ瀬の尻に敷かれてるのかと思ったら、意外に強気でオシオキしてました(笑)
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