イラスト/夏目イサク(ディアプラス文庫)
飲み会と麻雀に明け暮れる大学生・小嶋は友人の三上から好きだと言われた。
何も期待しないから今までどおりでいてほしい。
そういう三上に戸惑いつつも、小嶋はいつのまにか彼をひどく意識している自分に気づく。不意に仕掛けられる激しく官能的なキスを拒めなかったり、自分だけを特別に見て欲しいと思ったり。
三上へ向かうこの気持ちは…?
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三上秋彦(みかみあきひこ)×小嶋眞(こじままこと)
20歳、同級生。大学2年生から3年生。
「臆病な背中」雑誌掲載
「甘えられない背中」書き下ろしの二編収録されています。
初めて見るお名前です。
と思ったらデビューは8年前なのに初めての本だそうです。
どこで区切ったらいいのかわからないお名前ですよね。って私だけ?(笑)
ちなみに「おのにし・こぐさ」さんです。
明るく可愛らしく爽やかな恋のお話でした。
なんとも楽しそうな大学生活がてんこ盛りに綴られています。飲み、麻雀にスキーにキャンプ…。
仲のいい友人達と男も女も関係なく皆でワイワイ。
いつものメンバーと麻雀をした夜、そんな中の一人、三上は小嶋に「好きだ」と言い出します。そして自分はゲイだとも。あまりにあっさり言われた言葉を小嶋もありのままに受け止めます。「好きだ」といっても友人としてなのか特別な意味なのか、はっきりわからないほどそれはさりげない言い方でした。
しかし三上の「好きだ」の一言は、思ったよりも小嶋の心に深く残ってしまいます。そして数日後小嶋はもう一度その意味を尋ねようとしますが、三上は「好きだと言ったことなんて気にするなよ」「俺は期待していない」といつもどおりに静かに笑うだけでした。
「期待していない」と言う言葉がどこか引っかかってしまう小嶋。最初から切り捨てられるような気がして胸が何故か痛む。二人の間はそれ以降も友人として今までどおり何も変わりません。でも小嶋は三上のことが引っかかってしょうがない。そして皆でスキーの行った日の夜、二人きりになった時、小嶋は再び三上に言います。
「今も三上は気にしていないわけ?俺が隣にいても」
「気にはしてるよ、それはね。でも期待はしてない」
そして「だって君相手に何を期待するというの?たとえば?キスとか?」その言葉に固まったとたん三上にキスをされてしまう。
キスをしたあとも、三上の態度は今までと変わらない。そんな時、三上を好きだという女の子が現れます。告白された三上が何と答えたのか小嶋は気になって仕方がありません。三上のことを特別な意味で好きになどなれないのに、三上に好きだと言われたことを嬉しいと思っている自分。三上に自分だけを見ていてほしいと願うエゴ。
「俺はお前を好きにならないよ」と言いながら、「期待していない」と言われるたびに感じる切なさのようなものはなんだろう。
三上の存在が小嶋の中でどんどん膨らんでいるのに、小嶋はその気持ちの意味がなかなかわかりません。というか気づけない。
好きってどういう気持ちだろう?「頭でするもんじゃないよ、恋愛なんて」と友人が言いますが、ホントにそのとおりなのだ(笑)。
小嶋の一人称なのでその微妙な気持ちはよく伝わってきます。けれど三上の想いが私には切なかったですね。「期待していない」という思いには、ゲイである自分がノンケである小嶋を好きになってもどうしようもないという諦めがある。ぶつかってダメなら仕方がないというのではなくて、ダメで当たり前と思ってるんですね。だから「好きだ」と言えたことだけで良かったと思おうとしている。言えて良かった、でも駄目なのはわかってるから気にしなくていいよ、自分も期待してないから。期待していない、それは自分への言い訳のように思えます。
やっと想いが通じたあとも、三上は信じられないんですね。抱きたくて仕方がないのに、ゲイの自分はともかく、元々女の子が好きな小嶋には普通の将来を選ぶ方法もあるわけで、いつか自分から離れていって女性とつきあうことになったとき、きっと後悔するから、と抱くことはできないと思っている。その気持ちが切なくて。
でも小嶋の想いはもっと強くて真っ直ぐです。
馬鹿にするな、侮るなよ、という小嶋はカッコいいですね。
大学の仲間たちとの間のやりとりが非常に多く、二人の恋愛だけでなく、大学生気分も味わえますね。ホントに遊んでばっかりで楽しそうだ(笑)。
ただそういう場面が多く、長くて、私としてはもうちょっとスッキリさせて欲しいと思ったのも本音です。このノリからは遠くかけ離れた年齢になってしまったのが要因かもしれません(^^ゞ なかなか面白いと思ってるのに、こんなに読むのに時間がかかった本は珍しい。
三上秋彦(みかみあきひこ)×小嶋眞(こじままこと)
20歳、同級生。大学2年生から3年生。
「臆病な背中」雑誌掲載
「甘えられない背中」書き下ろしの二編収録されています。
初めて見るお名前です。
と思ったらデビューは8年前なのに初めての本だそうです。
どこで区切ったらいいのかわからないお名前ですよね。って私だけ?(笑)
ちなみに「おのにし・こぐさ」さんです。
明るく可愛らしく爽やかな恋のお話でした。
なんとも楽しそうな大学生活がてんこ盛りに綴られています。飲み、麻雀にスキーにキャンプ…。
仲のいい友人達と男も女も関係なく皆でワイワイ。
いつものメンバーと麻雀をした夜、そんな中の一人、三上は小嶋に「好きだ」と言い出します。そして自分はゲイだとも。あまりにあっさり言われた言葉を小嶋もありのままに受け止めます。「好きだ」といっても友人としてなのか特別な意味なのか、はっきりわからないほどそれはさりげない言い方でした。
しかし三上の「好きだ」の一言は、思ったよりも小嶋の心に深く残ってしまいます。そして数日後小嶋はもう一度その意味を尋ねようとしますが、三上は「好きだと言ったことなんて気にするなよ」「俺は期待していない」といつもどおりに静かに笑うだけでした。
「期待していない」と言う言葉がどこか引っかかってしまう小嶋。最初から切り捨てられるような気がして胸が何故か痛む。二人の間はそれ以降も友人として今までどおり何も変わりません。でも小嶋は三上のことが引っかかってしょうがない。そして皆でスキーの行った日の夜、二人きりになった時、小嶋は再び三上に言います。
「今も三上は気にしていないわけ?俺が隣にいても」
「気にはしてるよ、それはね。でも期待はしてない」
そして「だって君相手に何を期待するというの?たとえば?キスとか?」その言葉に固まったとたん三上にキスをされてしまう。
キスをしたあとも、三上の態度は今までと変わらない。そんな時、三上を好きだという女の子が現れます。告白された三上が何と答えたのか小嶋は気になって仕方がありません。三上のことを特別な意味で好きになどなれないのに、三上に好きだと言われたことを嬉しいと思っている自分。三上に自分だけを見ていてほしいと願うエゴ。
「俺はお前を好きにならないよ」と言いながら、「期待していない」と言われるたびに感じる切なさのようなものはなんだろう。
三上の存在が小嶋の中でどんどん膨らんでいるのに、小嶋はその気持ちの意味がなかなかわかりません。というか気づけない。
好きってどういう気持ちだろう?「頭でするもんじゃないよ、恋愛なんて」と友人が言いますが、ホントにそのとおりなのだ(笑)。
小嶋の一人称なのでその微妙な気持ちはよく伝わってきます。けれど三上の想いが私には切なかったですね。「期待していない」という思いには、ゲイである自分がノンケである小嶋を好きになってもどうしようもないという諦めがある。ぶつかってダメなら仕方がないというのではなくて、ダメで当たり前と思ってるんですね。だから「好きだ」と言えたことだけで良かったと思おうとしている。言えて良かった、でも駄目なのはわかってるから気にしなくていいよ、自分も期待してないから。期待していない、それは自分への言い訳のように思えます。
やっと想いが通じたあとも、三上は信じられないんですね。抱きたくて仕方がないのに、ゲイの自分はともかく、元々女の子が好きな小嶋には普通の将来を選ぶ方法もあるわけで、いつか自分から離れていって女性とつきあうことになったとき、きっと後悔するから、と抱くことはできないと思っている。その気持ちが切なくて。
でも小嶋の想いはもっと強くて真っ直ぐです。
馬鹿にするな、侮るなよ、という小嶋はカッコいいですね。
大学の仲間たちとの間のやりとりが非常に多く、二人の恋愛だけでなく、大学生気分も味わえますね。ホントに遊んでばっかりで楽しそうだ(笑)。
ただそういう場面が多く、長くて、私としてはもうちょっとスッキリさせて欲しいと思ったのも本音です。このノリからは遠くかけ離れた年齢になってしまったのが要因かもしれません(^^ゞ なかなか面白いと思ってるのに、こんなに読むのに時間がかかった本は珍しい。
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