イラスト/奈良千春(SHYノベルス)
警視庁組織犯罪対策第五課、「組対五課」の刑事である椎葉は、拳銃の密売情報を得る、言わば拳銃押収のスペシャリストだ。
その捜査方法は、エス(スパイ)と呼ばれる協力者を使った情報収集活動に重点がおかれている。
大物ヤクザでありながら椎葉のエスである宗近。
宗近に特別な感情を持っていることを意識しつつも、刑事というポジションを選んだ椎葉。互いを想いながらも、ふたりはエスと刑事という関係を守ることを誓っていた。
そんなある日、椎葉の前に現われた謎の青年・クロによってすべてが狂い始める!
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宗近奎吾(むねちかけいご・33歳)×椎葉昌紀(しいばまさき・29歳)
「エス」シリーズの第三弾です。
前回、お互いを想う気持ちがありながら、エスと刑事としての関係を保つことを決めた宗近と椎葉。
椎葉は今、ある拳銃暴発事件を発端に三件続けて起きた密造銃発見の事件を追っています。
そして、以前警察官だった男の経営するバーに情報収集に寄ったところ、そこで「クロ」と名乗る青年と知り合います。「密造銃を見た」というクロの言葉に、椎葉はフリーのルポライターと名乗り詳しい情報を調べてもらうよう、クロに頼みます。
ここから本作の全てが始まるんですが、クロの他に、暴力団「五堂組」の組長・五堂(ごどう)という新しい登場人物が出てきます。クロも重要人物ですが、五堂も非常に重要です。椎葉が拳銃を憎むようになった経緯には、姉が暴力団の抗争に巻き込まれ撃たれて亡くなったという事件が深く関係していました。
一作目では、椎葉の背景としてのただのエピソードのようにも思われましたが、この五堂が、その事件に深く関わっているという疑いが浮上してきます。そして五堂は過去に宗近とも繋がりがある。
椎葉に重く圧し掛かる姉の死、その事件が一気に表舞台に出てくる予感。完結の4作目に向けて、いろいろなものが一気に動き出すのが本作となっています。
本作で気になったのは椎葉の均衡がどんどん危うくなっていくような気がしたことですね。宗近との関係を「エスと刑事」とわりきったはずなのに、宗近への想いはどんどん熱く激しいものになっていく。それと同時に拳銃を追う椎葉の執念はますます鬼気迫るものになっていき、焦燥感さえ感じさせます。まるで「姉の死」に纏わる重大で危険な真実が迫っていることを、本能で感じてでもいるようにさえ思える。前作で亡くなった永倉が血まみれになって倒れる姿を夢に見る椎葉ですが、私には椎葉が同じ運命に突き進んででもいるように思えてしまった。
椎葉の精神は「死」と隣りあわせで歩んでいる、そんな風に思えた本作でした。
もちろんそんな結末は願っていませんが。
しかし、ラストの椎葉は「覚悟」してしまった人のようではありませんか。10月の完結まで待つのが辛いですね。
BLというよりは警察小説のようなしっかりした構成と展開で、完結への盛り上がりを予想させるとても興味深い第三弾でした。
クロ、五堂以外にも、義兄の篠塚、穏やかで優しい印象だった彼ですが、篠塚もまた新たな片鱗を見せ、激しい何かを抱えているようで、彼の本当の姿や想いもとても気になります。
そして忘れちゃいけない、宗近。
「どんな時も俺に背中を預けていろ。決して一人になるなよ。」
とても印象深い、二人にとって大切な言葉でしたね。
しかし彼はもっともっと激しい男のはずだ!(笑)
椎葉は一人になろうとしているぞ!
次回、「フルスロットルになった宗近」期待しています。
そして全ての決着を。
いろいろなものが終わり、そして始まりになる予感。
でもひとつだけヘタレ読者からのお願いです。「死」はやめてね(^^ゞ
※今回と次回二冊購入で小冊子が貰える全員サービスがあります。本を切らないといけないけどね…。
宗近奎吾(むねちかけいご・33歳)×椎葉昌紀(しいばまさき・29歳)
「エス」シリーズの第三弾です。
前回、お互いを想う気持ちがありながら、エスと刑事としての関係を保つことを決めた宗近と椎葉。
椎葉は今、ある拳銃暴発事件を発端に三件続けて起きた密造銃発見の事件を追っています。
そして、以前警察官だった男の経営するバーに情報収集に寄ったところ、そこで「クロ」と名乗る青年と知り合います。「密造銃を見た」というクロの言葉に、椎葉はフリーのルポライターと名乗り詳しい情報を調べてもらうよう、クロに頼みます。
ここから本作の全てが始まるんですが、クロの他に、暴力団「五堂組」の組長・五堂(ごどう)という新しい登場人物が出てきます。クロも重要人物ですが、五堂も非常に重要です。椎葉が拳銃を憎むようになった経緯には、姉が暴力団の抗争に巻き込まれ撃たれて亡くなったという事件が深く関係していました。
一作目では、椎葉の背景としてのただのエピソードのようにも思われましたが、この五堂が、その事件に深く関わっているという疑いが浮上してきます。そして五堂は過去に宗近とも繋がりがある。
椎葉に重く圧し掛かる姉の死、その事件が一気に表舞台に出てくる予感。完結の4作目に向けて、いろいろなものが一気に動き出すのが本作となっています。
本作で気になったのは椎葉の均衡がどんどん危うくなっていくような気がしたことですね。宗近との関係を「エスと刑事」とわりきったはずなのに、宗近への想いはどんどん熱く激しいものになっていく。それと同時に拳銃を追う椎葉の執念はますます鬼気迫るものになっていき、焦燥感さえ感じさせます。まるで「姉の死」に纏わる重大で危険な真実が迫っていることを、本能で感じてでもいるようにさえ思える。前作で亡くなった永倉が血まみれになって倒れる姿を夢に見る椎葉ですが、私には椎葉が同じ運命に突き進んででもいるように思えてしまった。
椎葉の精神は「死」と隣りあわせで歩んでいる、そんな風に思えた本作でした。
もちろんそんな結末は願っていませんが。
しかし、ラストの椎葉は「覚悟」してしまった人のようではありませんか。10月の完結まで待つのが辛いですね。
BLというよりは警察小説のようなしっかりした構成と展開で、完結への盛り上がりを予想させるとても興味深い第三弾でした。
クロ、五堂以外にも、義兄の篠塚、穏やかで優しい印象だった彼ですが、篠塚もまた新たな片鱗を見せ、激しい何かを抱えているようで、彼の本当の姿や想いもとても気になります。
そして忘れちゃいけない、宗近。
「どんな時も俺に背中を預けていろ。決して一人になるなよ。」
とても印象深い、二人にとって大切な言葉でしたね。
しかし彼はもっともっと激しい男のはずだ!(笑)
椎葉は一人になろうとしているぞ!
次回、「フルスロットルになった宗近」期待しています。
そして全ての決着を。
いろいろなものが終わり、そして始まりになる予感。
でもひとつだけヘタレ読者からのお願いです。「死」はやめてね(^^ゞ
※今回と次回二冊購入で小冊子が貰える全員サービスがあります。本を切らないといけないけどね…。
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