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不遜で野蛮
岩本 薫著
ビブロス (2006.1)
通常24時間以内に発送します。
イラスト/円陣闇丸(ビーボーイノベルズ)

警視庁のエリート・上條は、やむを得ない事情から、有能だが型破りな刑事・織田と極秘捜査をするハメに。
参考人を張り込むため織田が指示した方法は、男同士のカップルとして隣りの部屋に住み込むこと。しかも織田は隣りに怪しまれないためと言って上條に本当に触れてくる。
抵抗虚しく、上條は織田に翻弄されてしまい…。
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織田冬輝(おだふゆき・29歳)×上條玲司(かみじょうれいじ・29歳)

「熱情シリーズ」第三弾。これだけで大丈夫です。

片やキャリアのエリート(上條)、片や万年ヒラの刑事(織田)という組み合わせ。仕事の出来の違いではなく、上條はキャリア志向、織田は現場主義。
以前は同じ管轄の署にいたこともあったものの、その際ある出来事が起き織田が謹慎となった間に上條は異動、そして二人はそれ以来5年間、お互いに連絡を取らずにいました。
しかし突然5年ぶりに上條が織田のマンションを訪ねてきます。
上條の上司が紛失した、警察関係者全てのデータが入ったパソコンを取り戻すため、極秘捜査に協力して欲しいと。

容疑者の兄を張り、容疑者が連絡してきたところを抑えるため手ごろな張り込み場所を探しますが、幸か不幸か隣りの部屋しか適当な場所がない。容疑者の兄がゲイということもあり、興味をそちらにひきつけて怪しまれないために、織田は上條にゲイのカップルのふりをするように言います。
そしてあらすじにあったように、壁の薄い隣りの部屋に聞こえるように声を出せ、と上條は無体をされてしまうわけですね。

この二人ですが、実はお互いに気があります。
5年前に起きた出来事を誤解して、お互い相手に軽蔑されていると思い込んでいて連絡をとることも怖くてできず、二人とも相手への想いを叶わぬものと諦めています。ひょんなことから再会し、一緒にいることになって抑えていた想いが溢れ出して織田はついあんなことをしてしまい、上條は突然のことに戸惑い憤りながらも、織田の真意を測りかねていろいろ悩んでしまうわけです。
<織田><上條>と視点が交互に代わりながらお話が進むので、両方の気持ちはとてもよく伝わってきました。読んでる方は「早く相手の本当の気持ちがわかればいいのにな」とジリジリして楽しいわけですね(笑)

上條は白皙の美貌のクールビューティー。「ツンデレ」っていうんだそうです(笑)
ツンデレというのは“普段はツンツン、二人っきりの時は急にしおらしくなってデレデレ”というものだそうです。確かに上條は見た目の硬質さとは裏腹に、織田への想いも、思い切ったら自分から必死でガバッというところも可愛らしいです。普段は髪をバックに撫で付けて眼鏡、仕立てのいいスーツと、これがまたカチンコチンに硬そうで、円陣さんのイラストが最高に色っぽい!乱してみたいと思いますねぇ(笑)
織田はちょっと長めの髪に顎には無精ひげ、上條とは違ってワイルドなタイプ。上條とは美女と野獣と言う感じです。キャリアの道を進める立場がありながら、試験は受けず現場一本やりで、型破りな捜査方法ながら実績も多い、と破天荒なイメージですが、タイトルのようにまるきり「不遜で野蛮」ということはなく、織田の内面もまたナイーブで優しいいい男でした。ネコに上條の名前を密かにつけているなど…ちょっと乙女なのね(笑)

コミカルな場面もあったりしてとても面白く読めました。
これだけで読めるんですけど、つい最初の「不器用な純情」を古本屋で見つけて買ってしまった。こちらは「年下敬語攻×天然美人受」って何だか美味しそうなんだもん。シリーズ二冊目は「発情すがり系ワンコ攻×奥手の硬派受」。これも興味をそそられます。
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