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熱に溺れる。
いおか いつき著 / 桃山 恵イラスト
ワンツーマガジン社 (2006.1)
通常24時間以内に発送します。


十年前から歌舞伎役者・幸吉郎の付き人をしている彰人は「愛人ではないか」と噂されるほど美しい。ある日、幸吉郎の跡継ぎで、華と才能を生まれ持った宗春の付き人になるよう命じられる。
しかし噂を信じている宗春に「俺にも試させて下さい」と突然組み敷かれてしまう。初めての快楽に彰人は抗うこともできずに呑みこまれ―。
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尾方宗春・本名:康(おがたむねはる・やすし・20歳))×二宮彰人(にのみやあきと・29歳)

歌舞伎界を舞台にしたお話です。
「熱に溺れる。」
「熱が溢れる。」の二編収録されています。


彰人は、初めて幸吉郎の舞台を見たときから役者としてのその姿に惹かれ、同時に恋心も抱いていました。その気持ちは幸吉郎にも知られていますが、幸吉郎からはそれに答えることはできないと言われています。
それでも、ただ想うだけでいいと、幸吉郎の付き人として傍にいることに喜びを感じている彰人ですが、ある日、幸吉郎の息子である宗春の付き人が怪我をしてしまい、その代わりを務めるように幸吉郎から言われます。

彰人と宗春は挨拶程度で会話はほとんど交わしたことがなく、新に付き人となる彰人を見る宗春の目は、蔑みに満ちたものでした。自分の父の愛人であると彰人のことを勘違いしているせいだと考えた彰人は誤解を解こうとしますが、宗春の冷たさの意味はそれだけではありませんでした。
彰人の想いに答えることはできないけれど、そんな彰人を不憫に思った幸吉郎は、たった一度だけ、その手で彰人を慰めてやったことがあり、その時12歳だった宗春が、部屋の外でそれを目撃していたんですね。
最後までしたわけではないんですが、そうだとばかり思っている宗春と彰人は言い争いになり、そして「俺にも試させろ」と押し倒されてしまうわけです。

付き人を親と息子で争う・・・となんだか淫靡な感じですが、宗春の方はライバル心もあると思いますが幸吉郎はそういうわけではないです。幸吉郎は歌舞伎以外のことには全く興味がなく、妻や自分の息子にさえ、人として愛情を注いでやったことは全くありません。結婚したのも跡継ぎを作るためで、その跡継ぎの宗春にさえ父らしいことをしたことはなく、宗春は幸吉郎の弟・幸之助(こうのすけ)の家で従兄弟達と共に育ったといっていいくらいでした。彰人を傍に置いているのは、自分に情熱的に片思いしている彰人の心情を感じることで、歌舞伎に生かしたいから…ということなんですね。
ですが宗春にしてみれば、そうとは知らないし、そんな父が自分や母を省みず愛人を作ったなどと聞けば、いい気持ちがするわけがありません。父にも、彰人にも相当の反発はあるわけですが、彰人に関しては、やっぱり12歳のときに“見て”しまったことはかなり大きいんですね。綺麗で色っぽいお兄さん(笑)が乱れる様を盗み見てしまって、その光景は後々のオカズ(失礼)となってしまったわけで(^^ゞ
宗春は、歌舞伎役者として、同年齢の同性に比べれば大人びていますが、父に愛されなかったことや、「父の愛人」彰人への苛立ちや、父へのライバル心など、「父」にこだわっているところはやはりまだ子供ですよね。そういうところが見え隠れするから可愛いんですが。
それに比べると幸吉郎や幸之助などオヤジどもはドッシリ構えて大人ですから、そっちが好き!というマニア(?)な方もいらっしゃるかもしれません。

9歳年下攻めなんですが、歌舞伎役者と付き人という立場の宗春と彰人の場合、仕事はもちろんそれ以外でも彰人の方が傅くというか尽くす位置にいるんですよね。一歩下がって…みたいな感じなんです。なんとなく年上の貞淑な妻が若い夫をたてているみたいに思えて萌えでした。これからもずっと影で年下の夫を支えていく妻の図・・・が目に浮かびます。それと、この人たち両方とも丁寧語なんです。ずっとお互い丁寧な喋り。これがまた萌えツボを突かれました。いいなあ、この他人行儀な感じ。新鮮でした。

「熱が溢れる。」の方は無理矢理彰人を押し倒してしまったあとの宗春の想いを書いた極短いものです。宗春が彰人にいっぺんに溺れてしまった様子がよくわかります。この「熱」に彰人は溺れてしまうんですねぇ。

残念ながら歌舞伎のことは良く知らないんですが、知らなくても難しいことはなく、大丈夫でした。こういう御家は大変そうだな~と思いました。
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