イラスト/高峰顕(ショコラノベルス)
事故で恋人と視力を失った常陸深士は、医者である親の力で光を取り戻しはしたが、以来自暴自棄な日々を送っていた。
そんな中、仕事先のバーでいつも自分を見つめている男に気づく。何を話しかけるでもなく、ただひっそりと見つめるその男―有坂桐は、客とのトラブルから刺されそうになった常陸を庇い負傷してしまう。
なぜそんなことをしたのか、そしていつもの物言いたげな視線の理由はなんなのか。優しげで大人しやかな外見の有坂の内面の謎に興味を持った常陸は、有坂の上司の勧めもあって同じ会社に勤めはじめるが…。
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常陸深士(ひたちしんじ・26歳)×有坂桐(ありさかきり・27歳)
1歳年下攻めですが、態度や言葉づかいなどは全然年下っぽくないです。
ただ内面的には、常陸は「傷ついた子供」という感じでした。
とても複雑に入り組んだ背景があって非常に説明しづらいので大まかな流れは↑を参考にして下さい
「自分自身」をありのままに愛してくれなかった家族と、自分と一緒に事故に遭い亡くなってしまった恋人。その事故で失明した目は、医者である父の力で、きちんとした手続きを踏まずに裏から手を廻すような形で角膜移植を施され、回復はしたものの何もかもに嫌気が差してしまった常陸は、なじみのバーで手伝いをしながらも、まるで死んだような生活を送っていました。
そして↑のような経緯で常陸は有坂と同じ職場で働くことになり、じっと自分を見つめていた男・有坂の謎を探ろうとします。それと同時に自分のせいで怪我を負った有坂の回復を見届けたいという気持ちもありました。事故で亡くなってしまった恋人を助けられず、失明したために見送ってやることさえ出来なかった心の傷を、有坂をも守ることで癒したいと考えていたんですね。
インテリアコーディネイトという、常陸にとっては右も左もわからない仕事でしたが、有坂は丁寧に仕事を教えてくれます。それだけでなく、有坂はとても穏やかで優しく、常陸の事情は知らないはずなのに、有坂の言葉は常陸を否定することなく、励まし、慰め、自分を癒してくれて、常陸は有坂が自分自身を受け止めてくれると感じはじめます。
常陸は物事や有坂のことを斜めに見ているようなところがあります。それは傷つくことをとても怖れているように見えます。、怠惰で大人っぽい雰囲気や言動にだまされそうになりますが、彼の本質は「愛されたくて愛されなかった子供」だと思いました。有坂に惹かれているのにそれを認めようとしませんが、心の奥は否定しようがありません。
やがて自分をじっと見つめていた理由は、自分のことが好きだからではないかと常陸は思うようになります。それでもまだ臆病な心は“「有坂がそうして欲しいなら」優しくしてやろう”と何とも傲慢なもので、でも裏を返せばまるで薄氷を踏むように、有坂に向かって行く自分の心を見ないふりをしつつ、その行き先の安全さを疑い、確かめているように思えてなりません。そして大丈夫だと信じて踏み出したとたん…氷は割れて落ちてしまうんですね。
視点は常陸の一人称なんですが、鬱屈とした心理から、少しずつ有坂に惹かれ始めて、おっかなびっくり(笑)ながらもだんだん前向きになってきて、ちょっと自惚れや傲慢さ、ズルさが見え隠れしてきたなと思ったら、やっと踏み出したとたんの急降下で、その落差は残酷にさえ思えましたね。これはもう打ちのめされちゃったなという感じ。
そしてそこから這い上がるわけですが、やる気を出した常陸はやっぱりちょっとズルかった。強引で甘ったれな困ったタイプですね(笑)
なんというか凄く火崎さんっぽい話だなぁと思いました。
常陸深士(ひたちしんじ・26歳)×有坂桐(ありさかきり・27歳)
1歳年下攻めですが、態度や言葉づかいなどは全然年下っぽくないです。
ただ内面的には、常陸は「傷ついた子供」という感じでした。
とても複雑に入り組んだ背景があって非常に説明しづらいので大まかな流れは↑を参考にして下さい
「自分自身」をありのままに愛してくれなかった家族と、自分と一緒に事故に遭い亡くなってしまった恋人。その事故で失明した目は、医者である父の力で、きちんとした手続きを踏まずに裏から手を廻すような形で角膜移植を施され、回復はしたものの何もかもに嫌気が差してしまった常陸は、なじみのバーで手伝いをしながらも、まるで死んだような生活を送っていました。
そして↑のような経緯で常陸は有坂と同じ職場で働くことになり、じっと自分を見つめていた男・有坂の謎を探ろうとします。それと同時に自分のせいで怪我を負った有坂の回復を見届けたいという気持ちもありました。事故で亡くなってしまった恋人を助けられず、失明したために見送ってやることさえ出来なかった心の傷を、有坂をも守ることで癒したいと考えていたんですね。
インテリアコーディネイトという、常陸にとっては右も左もわからない仕事でしたが、有坂は丁寧に仕事を教えてくれます。それだけでなく、有坂はとても穏やかで優しく、常陸の事情は知らないはずなのに、有坂の言葉は常陸を否定することなく、励まし、慰め、自分を癒してくれて、常陸は有坂が自分自身を受け止めてくれると感じはじめます。
常陸は物事や有坂のことを斜めに見ているようなところがあります。それは傷つくことをとても怖れているように見えます。、怠惰で大人っぽい雰囲気や言動にだまされそうになりますが、彼の本質は「愛されたくて愛されなかった子供」だと思いました。有坂に惹かれているのにそれを認めようとしませんが、心の奥は否定しようがありません。
やがて自分をじっと見つめていた理由は、自分のことが好きだからではないかと常陸は思うようになります。それでもまだ臆病な心は“「有坂がそうして欲しいなら」優しくしてやろう”と何とも傲慢なもので、でも裏を返せばまるで薄氷を踏むように、有坂に向かって行く自分の心を見ないふりをしつつ、その行き先の安全さを疑い、確かめているように思えてなりません。そして大丈夫だと信じて踏み出したとたん…氷は割れて落ちてしまうんですね。
視点は常陸の一人称なんですが、鬱屈とした心理から、少しずつ有坂に惹かれ始めて、おっかなびっくり(笑)ながらもだんだん前向きになってきて、ちょっと自惚れや傲慢さ、ズルさが見え隠れしてきたなと思ったら、やっと踏み出したとたんの急降下で、その落差は残酷にさえ思えましたね。これはもう打ちのめされちゃったなという感じ。
そしてそこから這い上がるわけですが、やる気を出した常陸はやっぱりちょっとズルかった。強引で甘ったれな困ったタイプですね(笑)
なんというか凄く火崎さんっぽい話だなぁと思いました。
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