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キスに濡れる純情
森住 凪著
オークラ出版 (2006.1)
通常24時間以内に発送します。
イラスト/巴里(プリズム文庫)

大学に通う祐真には“書家”というもうひとつの顔がある。新人アート作家をバックアップしている企業『ヴェルエイク』の社長・日下遼一に才能を見出され、駆け出し書家として華々しい一歩を踏み出したところだ。
けれど才能を妬まれてか祐真はストーカーに狙われるようになる。優しく支えてくれる遼一に祐真は憧れ以上の気持ちを感じ始めるが、さらに遼一のマンションで同居することになって!?
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日下遼一(くさかりょういち・31歳)×浅井祐真(あさいゆうま・20歳)

有名な書家である祖父の影響で幼い頃から書を始めた祐真。
16歳のとき祖父の個展に作品を数点出してもらったところ、それが画廊を持ち若手アート作家の発掘も手がける『ヴェルエイク』の若手社長・日下遼一の目に止まり、それ以来その庇護の元で着々と力を発揮しています。
大学生となった今は、美大の課題をこなしながらも、CDのジャケットや新商品の日本酒のラベルなどのデザインも頼まれるようになり、書家としての将来を嘱望される、希望に満ちた毎日を送っていました。
ところがある日、祐真の師である有名書家の家の保管庫に預けてあった祐真の書が、何者かに切り刻まれ傷つけられるという事件が起きます。祐真の書だけが引き裂かれるという事態に、近頃誰かに見つめられたり、つけられているような気がしていたこともあり、祐真は不安を感じます。それでも同じくして遼一からもたらされた祐真の初めての「個展」の開催の話に、祐真は気持ちを切り替え書に向かおうとするのですが、ある晩遼一と食事をして家に戻ってみると、今度は部屋が荒らされ、再び祐真の書がメチャクチャにされるという事件が起こります。
危険を察した遼一は祐真に自分のマンションで一緒に住むようにと言い、二人は同居することになります。

祐真の憧れの気持ちがどんどん恋心へと育っていくのが手に取るようにわかりました。あからさま過ぎるくらいに(笑)。それでも自分の気持ちにすぐ気づかないのは鈍感過ぎなんじゃないだろうか、とか変なところで突っ込みを入れたくなったりしました。遼一の方はどうかというと、ポツリポツリと本音のようなものを洩らす場面もあるんですが、大人の余裕なのか、すぐにからかいや冗談に紛らわせてしまってホントのところはわかりにくい。でも同居して祐真の寝顔を見たとたん抑えが効かなくなったりして、ちょっと触れてから我に返って逃げ出すなど、結構切羽詰っていたのでした(笑)。言葉に出せないだけでお互い想いあっているのはすぐわかるので、そういう面でのハラハラは全然ありません。祐真がストーカーに監禁されて・・・とかそっちのハラハラはありますが。

祐真は本当に恵まれていると思います。
有名書家の孫であり、余るほどの才能も持っていて、若くして注目され仕事も舞い込み、二十歳そこそこで個展を開くような話も出ている。遼一はもちろん、秘書の薫平(くんぺい)からも大事に大事に可愛がられて、書の師からも期待されて、そして本人も素直で可愛らしくて。人生一点の曇りもないという感じなんですよね。
ところが書に限らず、こういう才能が物を言う分野では、持つものと持たないものがどうしてもいるわけで。祐真と同じようになりたいと思いながらも、才能がないために果たせず、けれど隣りには何の苦もなく階段を上っていく人間がいたら。心の中に妬みが生まれることもあるだろうと思うわけです。その妬みに「恋愛妄想(エロトマニア)」という精神疾患が重なって事件が起きるんですが、その名称から感じるほどのおぞましさはあまり感じませんでしたが、そういうものがあるんだということはよくわかりました。
ただ祐真のあまりに恵まれ過ぎた環境に、私はちょっと犯人の方に同情してしまいました(^^ゞ やったことがいいとかいうんではなくて。
こういう「持たない」人に対して、芸術の世界は厳しいですよね。それはわかるんですが、お話の中でも全く同情の余地もなく悪者となってしまった「彼」が、ちょっと可哀相だなと思ったり。努力してもダメなものはダメなんだって切捨てられちゃって…。そうか。ホントに辛い世界ですね。そして祐真の今後は、愛まで手に入れて幸せの極みですよ…。
自分が「持たない」せいかしら。ちょっと妬みたくなっちゃうわ(笑)。
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