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ひと目会ったら恋に花
英田 サキ著
白泉社 (2005.12)
通常24時間以内に発送します。
イラスト/笹生コーイチ(白泉社花丸文庫)

一流商社に勤める幸村匡樹は、取引先とトラブルを起こして左遷されてしまう。その上、火事で住む場所を失い、「桂花荘」という古ぼけた下宿屋へ引っ越す羽目に。
住人はエロ漫画家に変人の大学助教授、アイドル顔の鳶職人と超個性派しかも超美形ばかり。ご近所からは“イケメン荘”と呼ばれるほどだ。中でも元ホストのラーメン屋・中馬一成は、歓迎会で酔った幸村に濃厚なキスをしてきて…!?
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中馬一成(なかまいっせい・26歳)×幸村匡樹(ゆきむらこうき・31歳)

自分の責任ではないのにトラブルに巻き込まれ、一流商社勤めから関連のファミリーレストランの店長へと左遷されてしまった幸村。幸村が初めて「桂花荘(けいかそう)に訪れるところから物語は始まりますが、管理人の櫻井を始め次々に現れる下宿の住人達がなんともそれぞれに個性的で面白く、これからどんなドタバタが繰り広げられるんだろうとお話に引き込まれました。

初めて出会った晩の歓迎会のあといきなり一成にキスをされ、翌朝には、好きだ、つきあってほしいというのには、唐突さにちょっと怯みましたが(笑)、実は全然唐突ではなかったというのはラスト近くにわかる。どことなく奇人変人風の住人達のやりとりは面白可笑しくてコメディー調なんですが、面白いだけでなくしっかりと涙をさそうエピソードが盛り込まれていて、危うく泣きそうに。
「桂花荘シリーズ」と銘打ってもらって他の住人達のことも見てみたいと思わせるくらいに登場人物たちが魅力的でした。(小説「花丸・冬の号」にエロ漫画家と助教授の一編が掲載されていたそうですが今となっては後の祭。笑)

幸村は左遷され火事で焼け出されただけでも相当な災難なのに、店長としてやってきたファミリーレストランでは古株のパートが幅を利かせていて仕事がやりにくいことこの上ない。でもここまではまだ笑って読んでいられる程度でしたが、それ以上に辛い過去を背負っていたと知り、涙腺を刺激されることとなりました。子供が絡んでますので、子持ちの身としてはこういうのはクるんです。
その過去のために、気持ちを確かめあったばかりの一成に別れを告げる幸村ですが、一成もただの元ホストのラーメン屋ではなく、実は幸村と同じ傷を抱えていました。だから一成が幸村を励まず言葉も上っ面だけにならず、一成の誠実な人柄も見えてきて、人物に深みが感じられたように思います。同じ傷を持ち、思いを共有できる相手と愛し合うことができるなんて、ホントに良かったと思います。

それにしても何だかとても楽しそうな下宿屋で、私も住んでみたいです。
下宿屋での暮らしは人情コメディみたいなノリなんですが、それぞれがそれぞれにやっかいな過去を抱えていそう。それでいて皆優しくて思いやり溢れていて、凄くいい感じでした。

簡単に言えば過去に傷を持つ年上眼鏡美人を、やはり訳ありの年下の屋台のラーメン屋が落すお話ですが、軽いノリだけではなく、泣かせる場面もある、なかなか面白いお話でした。
とても読みやすくてあっという間に読んでしまいました。
一緒に一成のラーメン店で働く二人も見てみたいものですが、意外に仕事に前向きで頑張り屋な幸村もとってもいいので、幸村のファミリーレストラン奮闘記もいいな~という気もします。
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