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僕のねむりを醒ます人
沙野 風結子著
茜新社 (2006.1)
通常2-3日以内に発送します。
イラスト/奈良千春(オヴィスノベルズ)

刑事の雪弥は連続暴行事件の犯行現場で射抜かれるような視線を感じる。
雪弥を見つめていたのは、11年前雪弥の身体と精神を壊し、姿をくらませていた幼馴染の葛城耀だった。
かつて自分を裏切った男に気を許したわけではない。だが、強気で意地悪だった以前と違い、まるで別人のように優しく上品な雰囲気をまとっている耀。雪弥は、思い出のオムライスを作るという耀のマンションへ連れて行かれるが…。
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葛城耀(かつらぎよう・27歳)×瀬口雪弥(せぐちゆきや・27歳)


奈良さんのイラストに惹かれて買ってしまったんですが、これも沙野さんだったんですね。読もうとして始めて気づきました(^^ゞ

雪弥が刑事で、連続暴行事件から始まるストーリーなので、最近読んだ、沙野さんお得意のタイプのものに似てるのかなと思っていたら、これは少し違ってシリアスでした。なんだか苦しいような切ないような物語。

雪弥と耀は隣り同士に住む幼馴染でした。
雪弥の家は母子家庭で、母は子供の面倒を見ない、言わばネグレクト。隣りに住む耀の家庭は絵に描いたような明るい家庭で、雪弥は耀の家に夕食に呼ばれることを何より幸せに感じていたし、耀のあとをいつもくっついて歩いていました。耀は実はちょっといじめっ子です。雪弥に意地悪をしては泣かせて、そして抱きしめて慰める。そんな耀でしたが、雪弥は耀を慕っていましたし、耀も同じでした。
しかし、雪弥と耀が16の時、ある日突然耀の一家が隣りから姿を消してしまいます。近所では「借金」の噂などが流れ、雪弥は耀からの連絡を待ちますが何の音沙汰もありません。
そしてしばらくたったある晩、耀が突然雪弥の家に現れます。ところが耀はひとことも言わないまま雪弥を押し倒し、雪弥は耀に無理矢理に犯されてしまいます。そして何も言わずに耀は雪弥の元を飛び出して行き、それ以来27歳になった今も、耀からの連絡はありませんでした。

雪弥は耀がいなくなったことと自分にされたことへのショックを抱えながらも耀を待ち続けていました。いつか連絡があるだろう、手紙がくるだろうと思い続けていましたが、やがてそんな気持ちも疲弊して磨り減っていきます。雪弥の心は少しずつ感じることを止め、27歳になった今では、ほとんど感情を動かされることのない「人形」のようになっていました。
そして刑事となった雪弥は、現在「連続暴行事件」を追っているのですが、その事件の現場で11年ぶりに、雪弥は耀の姿を見かけます。その後、自分達の家があった思い出の場所で二人は偶然に再会。11年前、活発で意地悪だった耀は、穏やかで上品な紳士のようになっていました。
そして、二人は再び会うようになるのですが。


「連続暴行事件」が絡んでいるところは沙野さんらしいといえるかもしれません。
このお話には、いろいろと種明かしがあって、それを明かそうかどうしようか迷ったんですが、詳しくはやめておきますね。そうするととても感想が書きづらいんですが、明かせば明かしたで長くなりすぎると思うので。
よくわからない感想となっていますが、ごめんなさい。

雪弥の耀に対する想い、耀の想い、そして重要なもう一人の登場人物「皓(こう)」、それぞれの想いが何というかジワジワと沁みるお話でした。なんだか哀しかったですね。
耀が姿を消したことによって雪弥は壊れてしまいますが、実は本当に壊れてしまったのは耀の方だと思いました。

「犯罪」が絡んでおりますので、その点受け付けないかたもおられるかと思います。それからもうひとつ、思い切って明かしてしまいますが(中盤でわかるので良しとしましょう。笑)「多重人格」という要素もあります。
読もうかどうか迷っておられるかたは、その点ご注意。

エロも濃いです。監禁や鎖、玩具もありますが、エロさよりも切なさの方が勝っているように思いました。どんなことをしているにせよ、壊れてしまっている耀、それを受け止める雪弥、その想いの方が伝わってきて切なかったですね。
ハッピーエンドですからその点はご心配いりませんが、どう受け止めるかはそれぞれかもしれません。
個人的には結構沁みるお話でした。
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