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純粋な恋が降る
あすま 理彩著
プランタン出版 (2005.12)
通常24時間以内に発送します。
イラスト/樋口ゆうり(プラチナ文庫)

時代は大正。気難しい伯爵と噂の彬久は、雪の中可憐な少年・舞雪を拾う。働かせて欲しいという彼に、屋敷におく代わりに身体を差し出せと傲慢に命じる。それでも受け入れ、自分を主人と尽くす健気な姿に、彬久の頑なな心も次第に解かされていく。
実は舞雪は彬久にある「秘密」を抱えていて…。
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望月彬久(もちづきあきひさ)×高嶺舞雪(たかみねまゆき・16歳)
彬久の年齢ははっきりわかりませんが、舞雪とは“ひとまわり上”との記述がありますので20代後半くらい。

時代モノです。今回は大正時代。
こういう時代設定、私は結構好きみたいです。
伯爵様と庶民・・・身分違いの恋ですね。

帝都から「体調を崩した」という理由で軽井沢の別荘へ療養に来ている彬久。ある晩、自分の家の庭で雪に埋もれて倒れている少年を見つけ、助けます。それが舞雪でした。
何故自分の屋敷の周りをうろついていたのかという問いに舞雪はきちんと答えず、彬久の心には疑心が生まれますが、給金もいらないから働かせて欲しいという舞雪の必死の頼みにそれを受け入れ、彼を屋敷の使用人として雇い入れることにします。
彬久は伯爵という地位にあり帝都で成功していたのですが、その生い立ちは恵まれず、幼い頃母は自分を捨てて家を出て行き、父は家のために自分を利用しようとし、そしてまた帝都で親友と信じていた男に裏切られたことで傷つき、人を全く信用しなくなっていました。「療養」と言って軽井沢に引っ込んだのも、帝都での生活から逃げるためというのが本当でした。初めて舞雪を見たとき、その可憐さに惹きつけられ、その純粋で無垢な大きな瞳や、心からの笑顔、控えめで健気な様子に惹かれますが、舞雪が屋敷の庭にいた理由を話さなかったことから、どうしても舞雪への疑いを消すことができません。

とはいうものの舞雪は人を謀るような人間とはとても思えず、そうかと言って手放しで信用することもできず、彬久は舞雪に冷たい態度を取っては、そのあとで心配と後悔で気を揉み、そうして苛々させられたと言ってはまた舞雪に冷たく当たる…と甚だ身勝手です。初めての舞雪の休暇の日、舞雪が町で幼馴染の男と会っていたと聞いて頭に血が昇り、舞雪を押し倒してしまうなんて嫉妬以外の何ものでもないと思うのですが、彬久は自分の中に生まれた舞雪への執着の意味をなかなか認めようとしません。
そんな彬久の姿は…拗ねちゃってしょうがないなぁ…という感じでした(笑) なんだか凄く不器用な人なんですね。舞雪は可憐な外見に加えてその性質も健気でとても可愛らしく、彬久は気になってしかたがないのに、「どうせお前も俺を裏切るんだろう」と思っていて、ちょっと自分に背く素振りでも見せようものならすぐ怒ってしまいます。気になっている子には意地悪したくなる…そんなふうに見えました(^^ゞ またちょっと舞雪が嗜虐芯をそそるタイプなんですね。

舞雪が何故彬久の家に来たのかは、読み手にはわかるように書かれています。実は舞雪が幼い頃、雪の夜に母と逸れ危うい状態であったところを彬久に助けられていたのです。その時冷たくなった舞雪の手を暖めるようにと彬久は自分の手袋を手渡してくれました。帝都に行ってしまった彬久が「療養」のため戻ったことを知ると、病気の彬久のために、今度は自分がどんなことをしても彼を助けてあげたいと思い、屋敷へやってきたのでした。
その時もらった手袋を舞雪は今も宝物のように大切にしていますが、彬久はその手袋を見ても過去の出来事を思い出せず、その「手袋」の持ち主に嫉妬してしまうんですね。ホントにおバカさんな彬久なのでした。

彬久に何を言われても何をされても健気な舞雪がやはりジンとしてしまいます。彬久への想いは、身分違いということもありますが全く見返りなど求めない愛なんですね。
「純粋な恋が降る」というタイトルに、舞雪の彬久への想いと、物語の中で降る雪が上手くシンクロしています。「舞雪」という名前もそうですね。軽井沢に降る雪と一緒に、舞雪の想い、そして舞雪自身が彬久の上に降ってくる…と考えると、なんとまあ綺麗であります。

健気で可愛らしい舞雪は現代モノだったらあまりに弱々し過ぎるでしょうが、この時代設定だと素直に受け入れてしまうこの不思議。
楽しんで読ませていただきました。
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