ふゆの 仁子著
フロンティアワークス (2005.12)
通常24時間以内に発送します。
フロンティアワークス (2005.12)
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大学の経済学部長を父に持つ大学四年の水野拓巳は、成績が良いくせに出席率の悪い学生。
夏の終わり、拓巳は深夜のクラブで「伝説のDJ」と噂される強烈な印象の男に抱かれる。しかし、次に彼と再会した場所はなんと大学のゼミだった。
教授の代理になったという彼・小田島一宏は、拓巳が卒業論文を書き上げ、単位を取るのにある交換条件を出してきて…。
二人の間で特別講義が始まるが…。
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小田島一宏(おだじまかずひろ・33歳)×水野拓巳(みずのたくみ・大学四年生)
大学の授業にはほとんど出席せず、バイトをしたり深夜クラブを徘徊したりしている拓巳。ある晩、いきつけのクラブで知り合った「伝説のDJ」と呼ばれる男と知り合い、店の非常口で身体に触られてしまいます。
そして次にその男と再会したのは大学の構内。
拓巳の取っていた「楽勝」と言われたゼミの教授が体調不良のため代理としてやってきたのが、その男・小田島一宏でした。きちんとした卒論を仕上げなければ卒業も危うくなってしまった拓巳に、一宏は個人的な特別講義をすることを申し出てきます。その交換条件は、「一講義に対して一セックス」。
拓巳はその条件を受け入れ、一宏との関係が始まります。
拓巳は大学経済学部長の父との関係が上手くいっていません。
幼い頃は父に認められたくて勉強もスポーツも頑張っていましたが、成長するにつれて拓巳個人に全く興味を示してくれない父への反発が生まれ、家を飛び出して一人で生活しています。ただ、そのわりに、多少のアルバイトはしているものの家賃や生活費は父に出してもらっており、自分に関心を持ってくれない父への思いは理解はできますが、どうも拓巳の鬱屈は我儘で子供っぽく、甘えているようにしか思えませんでした。だから拓巳に共感できなくて。大学四年生という年齢にしては、親への不満の塊である拓巳の考え方は幼いように思えました。親のお金で遊んでいる人が何を言えた筋合いではないと思うと言ったらきびしすぎるかな…?私もいい加減年食ってますので、拓巳との間にギャップがありすぎてしまったのかもしれませんね(^^ゞ
でも、拓巳の名誉のため(笑)に言っておくと拓巳もうすうすそういう自分には気づいていて、それでも理性と感情は一筋縄ではいかず苛立っている部分もあるんですね。ラストにはちゃんと成長する物語でもあるんです。
「一講義、一セックス」という“契約”のもとに一宏と関係を持ち、拓巳はだんだん一宏に惹かれていきます。「伝説のDJ」という過去を持ちながら現在は大学の講師という一宏はちょっと謎めいた感じがしましたが、彼もまた拓巳と同じように過去には父への反発の時代があり今があります。だから一宏には拓巳の姿がよくわかるんですね。それがまた拓巳には「同情」と思えてしまって辛くなったりしてしまうんですが。
拓巳の思いはきちんと書かれているので、惹かれていく過程も自然に入ってきます。それに比べると一宏の方は最後まではっきりとはわかりません。年齢差もあるカップルですし、先に書いたように拓巳がどうも私には幼く見えてましたので、ひとりでジタバタしているように思えなくもなかったですが。
自分に関心がない・・・と思っていた父も実は…というタネ明かしがあって、それを読むとやはり拓巳はまだまだお子様だな~という感想を強くしてしまいました(^^ゞ
でも一宏もそうであるように、そういう頼りない時代を過ぎてきちんと大人になっていければいいわけですから、拓巳についてここで判断を下しては可哀相ですよね。まだまだスタートラインにさえ立っていないのかもしれませんが、これからに期待というところでしょうか。
小田島一宏(おだじまかずひろ・33歳)×水野拓巳(みずのたくみ・大学四年生)
大学の授業にはほとんど出席せず、バイトをしたり深夜クラブを徘徊したりしている拓巳。ある晩、いきつけのクラブで知り合った「伝説のDJ」と呼ばれる男と知り合い、店の非常口で身体に触られてしまいます。
そして次にその男と再会したのは大学の構内。
拓巳の取っていた「楽勝」と言われたゼミの教授が体調不良のため代理としてやってきたのが、その男・小田島一宏でした。きちんとした卒論を仕上げなければ卒業も危うくなってしまった拓巳に、一宏は個人的な特別講義をすることを申し出てきます。その交換条件は、「一講義に対して一セックス」。
拓巳はその条件を受け入れ、一宏との関係が始まります。
拓巳は大学経済学部長の父との関係が上手くいっていません。
幼い頃は父に認められたくて勉強もスポーツも頑張っていましたが、成長するにつれて拓巳個人に全く興味を示してくれない父への反発が生まれ、家を飛び出して一人で生活しています。ただ、そのわりに、多少のアルバイトはしているものの家賃や生活費は父に出してもらっており、自分に関心を持ってくれない父への思いは理解はできますが、どうも拓巳の鬱屈は我儘で子供っぽく、甘えているようにしか思えませんでした。だから拓巳に共感できなくて。大学四年生という年齢にしては、親への不満の塊である拓巳の考え方は幼いように思えました。親のお金で遊んでいる人が何を言えた筋合いではないと思うと言ったらきびしすぎるかな…?私もいい加減年食ってますので、拓巳との間にギャップがありすぎてしまったのかもしれませんね(^^ゞ
でも、拓巳の名誉のため(笑)に言っておくと拓巳もうすうすそういう自分には気づいていて、それでも理性と感情は一筋縄ではいかず苛立っている部分もあるんですね。ラストにはちゃんと成長する物語でもあるんです。
「一講義、一セックス」という“契約”のもとに一宏と関係を持ち、拓巳はだんだん一宏に惹かれていきます。「伝説のDJ」という過去を持ちながら現在は大学の講師という一宏はちょっと謎めいた感じがしましたが、彼もまた拓巳と同じように過去には父への反発の時代があり今があります。だから一宏には拓巳の姿がよくわかるんですね。それがまた拓巳には「同情」と思えてしまって辛くなったりしてしまうんですが。
拓巳の思いはきちんと書かれているので、惹かれていく過程も自然に入ってきます。それに比べると一宏の方は最後まではっきりとはわかりません。年齢差もあるカップルですし、先に書いたように拓巳がどうも私には幼く見えてましたので、ひとりでジタバタしているように思えなくもなかったですが。
自分に関心がない・・・と思っていた父も実は…というタネ明かしがあって、それを読むとやはり拓巳はまだまだお子様だな~という感想を強くしてしまいました(^^ゞ
でも一宏もそうであるように、そういう頼りない時代を過ぎてきちんと大人になっていければいいわけですから、拓巳についてここで判断を下しては可哀相ですよね。まだまだスタートラインにさえ立っていないのかもしれませんが、これからに期待というところでしょうか。
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