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小説家は束縛する
菱沢 九月著
徳間書店 (2005.12)
通常2-3日以内に発送します。
イラスト/高久尚子(キャラ文庫)

昼夜を問わず求められる、甘い蜜月。
元コックの律は、人気小説家の佐々原と同棲中。強引で優しい佐々原とのセックスに溺れながらも、彼の世話だけに明け暮れる毎日に不安もあった。
そんなある日、律はオープンしたてのレストランで昔の男と再会する。神経質な外科医のような容貌でシェフとしても一流の土屋。
「この店で働かないか」と口説くように誘われて…。
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佐々原脩司(ささはらしゅうじ・30歳)×松永律(まつながりつ・25歳)

「小説家は懺悔する」の続編です。
前作から読まれた方がよろしいと思います。

前作で恋人同士となり、一緒に住んでいる二人。
北陸の片田舎の一軒家で、脩司は家で小説を書き、律は家の家事をして暮らしています。いつ食べてもらえるかわからないけれど食事を作り、脩司の求めがあれば身体を重ねる日々。
穏やかで暖かいまるで二人だけで籠ってしまったような生活を幸せに感じながらも、律の心にはふと不安が浮かびます。

思ったんですけど律の不安や悩みは子供のいない「専業主婦」のようですね。いえ、専業主婦がどうというわけではなくて。
一日中家にいて脩司や家の世話をするだけで過ぎていく日々。
愛されていることを疑っているわけではないのに、このままでいいのかと心に生まれる焦り。一日一緒に家にいても、仕事中の脩司は小説の世界にいってしまっていて声をかけることも憚られ、仕事の合間に僅かに生まれる細切れの時間を一緒に過ごすだけ。
「眠れない」という脩司に呼ばれて、まるで睡眠導入剤のように抱かれる。脩司の仕事や睡眠の時間は、律は一人脩司を待って暮らしています。
何もしていない、何の役にも立っていない、と律が感じていくのは、ある意味自然だと思う。普通の健康で健全な男で(男に限りませんが)、好きな仕事があるのなら、それをしたいと思っても不思議じゃない。脩司を好きで脩司のために食事を作ったり抱かれたりすることが好きでも、それとは別に外で「仕事」をしたいと思うでしょう。
それを言い出せないから、脩司と自分の間にある「想い」さえ不安定に思えてしまうんだと思います。そして不安定に思えるから益々言い出せない。
言えない理由は、脩司の中にある弱さを律が知ってるせいもあるだろうと思います。

しかし、もっと平たく言えば、読んで感じたのは。
幸せだけれど主人はあんまり構ってくれなくてちょっと退屈な日々に憂いて「仕事でもしようかしら…」と思っていたらパート募集をしているレストランの店長が昔の男でフラッとよろめきそうになってしまい、「いけないわ」と思うものの、でもこのままじゃ毎日つまらない…とつぶやく若妻のように思えてしまいました。すみません。
律の気持ちはわかりますけどね。
そして律をいつもそばに置いておきたい脩司の想いやその痛みもわかるのです。
でもお互いがお互いしか目に入れないような生活は、現実的に考えても無理だろう。ちょっとだけ別の方向を見て別々の時間を過ごす、そしてまたお互いの元へ戻ってくる。それだけのことさえ、こんなに難しいことなのかと思えば、二人の結びつきの深さがよくわかるというものです。

「神経質でサドの外科医」と評される律の昔の男・土屋が、なんとも淫靡な雰囲気をかもし出しています。が、別におかしなことはいたしません。個人的には大人しくしてくれていて良かったです。
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