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スキャンダラスな君の夜
河野 葵著
プランタン出版 (2005.12)
通常24時間以内に発送します。
イラスト/小山田あみ(プラチナ文庫)

女ったらしの俳優・鷹原耀の監視の為、マネージャーになった篤史は、すぐに女性問題に悩まされる。それを咎めると、押し倒され「女のトコ行かせたくないなら相手をしろよ」言われる。
何度か肌を重ねるうちに彼が本当は優しいことに気づき、監視を続けるのが苦しくなるが、その間に耀は深夜番組の準主役に抜擢され、一躍有名に。だが彼を妬む者達が降板させようと動き出す。
それを知った篤史は思わず社長に直談判を…。
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鷹原耀(たかはらよう・24歳)×時枝篤史(ときえだあつし・27歳)

東邦コーポレーションの社長秘書である篤史は、ある日社長から俳優の鷹原耀の監視をするよう言い渡されます。
鷹原はそれまではさほどの知名度はなかったものの、最近立て続けに女性との写真を撮られ話題になった男でした。
東邦コーポレーションの社長・美作(みまさか)からは、最近の女性スキャンダルで有名人となった鷹原をこれ以上増長させないよう、行動を監視し大人しくさせろと言われます。その理由は何も教えられないまま、東邦と鷹原の関係もわからないままに、篤史は高原の所属する事務所に潜り込み、高原のマネージャーとなります。

美作に恩義があり、彼の傀儡のように仕事をしてきた篤史は、初めは鷹原のスケジュールを送ったり、その日の行動を報告したりと深いことは考えないまま美作の命じるままに動きます。しかし、鷹原の女性問題を防ぐため彼に抱かれるようになり、一緒に過ごすうちに篤史は鷹原に少しずつ惹かれていく。
そして彼の才能を知り、彼が埋もれたままで終わるような男ではないと感じるにつれて、彼のマネージャーとして動くことに真剣になっていき、何故美作が鷹原を監視するように命令したのかに疑問を抱き始めます。

美作が何故鷹原の監視を命じたのか、謎や陰謀を絡めた展開でなかなか面白かったです。
埋もれていた鷹原の才能がやっと世間に注目されるようになったと思ったら、罠に嵌められ今度はどこからも干されてしまうなどハラハラしたり、罠かと思っていたら実は反対に仕掛けていたり、好きになってしまった男のために離れることを決意する切なさがあったりと、なかなか凝った作りになっていて楽しめました。

美作の「人形」、無表情で冷たい作り物と言われた篤史は、鷹原と一緒にいるようになってからはそんな片鱗は見せません。鷹原のペースに惑わされているせいもあるけれど、美作といるときの方が故意に感情を抑えていたのであって、鷹原といるときの方が本当の篤史だったんじゃないかと思えます。
鷹原に抱かれることを受け入れた当初はまだ仕事を全うしようという気持ちの方が大きいですが、鷹原の才能に魅せられて、素の鷹原を知って、惹かれて力になりたいと思うのがとても自然に感じられました。
鷹原の方はちょっとわかりにくい感じもしましたが、鷹原の容姿や雰囲気の描写を読むと、なんだかとてもカッコ良さそう。その才能や、逆境にもブレない強さもしなやかでいい感じです。鷹原がそばにいないと機嫌が悪くなるなど年下らしい可愛い面も見える。「兎は寂しいと死んじゃうんだぞ」だって。息子も同じことを言うのでちょっと笑ってしまいました。
「女遊び」にも理由があって、ただの軽薄な男ではないというのも安心ですね(笑)

小山田さんのイラストが凄く好きでしたし、お話も楽しんで読ませていただきました。
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