イラスト/鹿谷サナエ(プリズム文庫)
年下の上司・斎賀部長につくことになった秘書の奏だが、相手はいわくつきの男だった。並みいる優秀な秘書たちを次々に無能扱いし切り捨ててきた斎賀に、奏は絶対に負けるわけにはいかない。
しかしひょんなことから斎賀と「恋人のふり」をすることになりそれを口実に無理矢理抱かれてしまう。プライベートも拘束され社内ではセクハラを受けながらも、奏は秘書課の名誉のために頑張ろうとするのだが…。
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斎賀貴柾(さいがたかまさ・27歳)×上杉奏(うえすぎかなで・29歳)
斎賀は若くして営業部長に昇進後、半年の間に5人の秘書を「無能」として切り捨ててきた男。入社後すぐに優秀な成績を買われて幹部候補生としてアメリカの本社で働き、鳴り物入りで日本に戻ってきた斎賀の秘書に求める水準は大変高い。
6人目として現われた奏は斎賀の好みの容姿で、バイの斎賀は興味をそそられますが、奏は見た目だけでなく仕事においても斎賀の求める優秀さを兼ね備えており、ますます奏を気に入ります。
斎賀は奏を口説き落とすことを決意し、初めは食事から…などとホクホクとして段取りを考えますが、奏の方はといえば、今まで散々秘書課の女性を無能呼ばわりし自信喪失させてきた斎賀に対して、奏の出陣は言わば背水の陣。秘書課での斎賀の評判は地に落ちていて、奏の中にあるのは斎賀への負けん気と彼の最悪なイメージだけでした。
そんなある日、斎賀は奏が見知らぬ男にキスをされ抵抗している場面を目撃します。奏を助け出した斎賀が経緯を聞くと、奏は以前から脅しで強要された不倫関係を続けていて、相手の男・保科(ほしな)の転勤を機に別れを切り出したものの受け入れられず、ストーカーとなった保科につきまとわれているということを知ります。
奏がゲイであることを知った斎賀は、これ幸い、それなら遠慮することは何もないと、奏に自分と恋人のふりをすることを提案します。そうすれば保科の目が斎賀に移り、奏への攻撃は止むだろうと奏を納得させ無理矢理押し倒す。そしてそれからは「保科を避けるため」との名目で仕事中はもちろん帰社後は奏を自分のマンションに連れ帰り、情熱的に抱きまくります。
斎賀は“ふり”だろうが何だろうが奏が「恋人」として傍にいるようになったことを幸いに、「恋人」という名目で、実は奏に愛情の限りを尽くして求愛し口説き落そうとしているつもりなのですが、この男、身体で愛情を表現するタイプなのか、行動はともかく言葉が全然足りてません。奏の方の斎賀のイメージはお世辞にも良いものではないですし、「恋人のふり」をするだけでどうして斎賀の絶倫につきあわなければならないんだとしか思えない。それでも斎賀と共に過ごすうちに、その仕事ぶりや人柄にやがて惹かれていくんですが、「フリ」をしているだけという当初の目的が、斎賀へと傾こうとする奏の気持ちに待ったを掛ける。惹かれないようにと奏は益々斎賀から遠ざかります。
「ここまでやってるのになんでだ」と呟く斎賀がなんだかとってもおかしい。やるにはやってるけどたくさんヤればいいってもんじゃない。だから言葉が足りないんだってばと突っ込みたくなる。
強引で唯我独尊自画自賛の斎賀が妙にツボをつついてくれました。一見とても自信満々で自分勝手なんですが、デキるけれど何となくズレた男が意外と好ましかったです。
奏は典型的なクールビューティーでしたね。中身は可愛らしいんですが、切なさや苦しみは一切表に出さず、自分ひとりで抱え込んで冷静な顔を貫こうとする。斎賀に対する口調もツンツンしています。でも斎賀にはそれも可愛く見えるだけですし、奏のピンチにはすぐに駆けつけ、奏を悩ませる事象は奏の知らないところできちんと排除し、ストーカーにも立ち向かってくれる斎賀はやっぱり相当にデキる男です。なのに恋愛のツメが甘いのは、「初めての真剣な恋」だから…なのね。
このお話ではどちらかというと奏よりも斎賀の方がうわてな感じでしたが、つきあい始めると立場が逆転するかもしれません。意外と斎賀が尻に敷かれるかも。でも夜は奏は相当泣かされると思いますが。これは円満カップルの秘訣のようなものだと思いますので、お似合いの二人ということだと思います。
美人の年上女房の尻に敷かれていても実は頼りになるデキる年下男…凄い萌えなんですけど。「斎賀」が個人的に好きでしたね。年下攻めなんですけど、とてもそうは思えない。斎賀、オヤジ入ってます。
思ったよりHシーンが多く濃かったです。
プリズム文庫創刊ということで、これが初めてで、牧山さんも初めてなので、作風なのかレーベルの傾向なのかは私にはわかりませんです。
斎賀貴柾(さいがたかまさ・27歳)×上杉奏(うえすぎかなで・29歳)
斎賀は若くして営業部長に昇進後、半年の間に5人の秘書を「無能」として切り捨ててきた男。入社後すぐに優秀な成績を買われて幹部候補生としてアメリカの本社で働き、鳴り物入りで日本に戻ってきた斎賀の秘書に求める水準は大変高い。
6人目として現われた奏は斎賀の好みの容姿で、バイの斎賀は興味をそそられますが、奏は見た目だけでなく仕事においても斎賀の求める優秀さを兼ね備えており、ますます奏を気に入ります。
斎賀は奏を口説き落とすことを決意し、初めは食事から…などとホクホクとして段取りを考えますが、奏の方はといえば、今まで散々秘書課の女性を無能呼ばわりし自信喪失させてきた斎賀に対して、奏の出陣は言わば背水の陣。秘書課での斎賀の評判は地に落ちていて、奏の中にあるのは斎賀への負けん気と彼の最悪なイメージだけでした。
そんなある日、斎賀は奏が見知らぬ男にキスをされ抵抗している場面を目撃します。奏を助け出した斎賀が経緯を聞くと、奏は以前から脅しで強要された不倫関係を続けていて、相手の男・保科(ほしな)の転勤を機に別れを切り出したものの受け入れられず、ストーカーとなった保科につきまとわれているということを知ります。
奏がゲイであることを知った斎賀は、これ幸い、それなら遠慮することは何もないと、奏に自分と恋人のふりをすることを提案します。そうすれば保科の目が斎賀に移り、奏への攻撃は止むだろうと奏を納得させ無理矢理押し倒す。そしてそれからは「保科を避けるため」との名目で仕事中はもちろん帰社後は奏を自分のマンションに連れ帰り、情熱的に抱きまくります。
斎賀は“ふり”だろうが何だろうが奏が「恋人」として傍にいるようになったことを幸いに、「恋人」という名目で、実は奏に愛情の限りを尽くして求愛し口説き落そうとしているつもりなのですが、この男、身体で愛情を表現するタイプなのか、行動はともかく言葉が全然足りてません。奏の方の斎賀のイメージはお世辞にも良いものではないですし、「恋人のふり」をするだけでどうして斎賀の絶倫につきあわなければならないんだとしか思えない。それでも斎賀と共に過ごすうちに、その仕事ぶりや人柄にやがて惹かれていくんですが、「フリ」をしているだけという当初の目的が、斎賀へと傾こうとする奏の気持ちに待ったを掛ける。惹かれないようにと奏は益々斎賀から遠ざかります。
「ここまでやってるのになんでだ」と呟く斎賀がなんだかとってもおかしい。やるにはやってるけどたくさんヤればいいってもんじゃない。だから言葉が足りないんだってばと突っ込みたくなる。
強引で唯我独尊自画自賛の斎賀が妙にツボをつついてくれました。一見とても自信満々で自分勝手なんですが、デキるけれど何となくズレた男が意外と好ましかったです。
奏は典型的なクールビューティーでしたね。中身は可愛らしいんですが、切なさや苦しみは一切表に出さず、自分ひとりで抱え込んで冷静な顔を貫こうとする。斎賀に対する口調もツンツンしています。でも斎賀にはそれも可愛く見えるだけですし、奏のピンチにはすぐに駆けつけ、奏を悩ませる事象は奏の知らないところできちんと排除し、ストーカーにも立ち向かってくれる斎賀はやっぱり相当にデキる男です。なのに恋愛のツメが甘いのは、「初めての真剣な恋」だから…なのね。
このお話ではどちらかというと奏よりも斎賀の方がうわてな感じでしたが、つきあい始めると立場が逆転するかもしれません。意外と斎賀が尻に敷かれるかも。でも夜は奏は相当泣かされると思いますが。これは円満カップルの秘訣のようなものだと思いますので、お似合いの二人ということだと思います。
美人の年上女房の尻に敷かれていても実は頼りになるデキる年下男…凄い萌えなんですけど。「斎賀」が個人的に好きでしたね。年下攻めなんですけど、とてもそうは思えない。斎賀、オヤジ入ってます。
思ったよりHシーンが多く濃かったです。
プリズム文庫創刊ということで、これが初めてで、牧山さんも初めてなので、作風なのかレーベルの傾向なのかは私にはわかりませんです。
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