イラスト/水名瀬雅良(オヴィスノベルス)
派遣スタッフの赤羽東砂は、新規派遣先で岩波という室長の第二秘書になるが、着任早々、愛人にならないかと口説かれる。能力を買われて仕事をしてきた身として心外に思った赤羽は丁重に断るが、岩波は臆面もなくじっと見つめ、お前は美人だと口説く。
これさえなければ岩波は優秀な上司なのだが、そんななか派遣期限が決まり、岩波の許を去ることに。いつのまにか岩波に惹かれはじめていることに気づいた赤羽は…。
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岩波正臣(いわなみまさおみ・36歳)×赤羽東砂(あかばねあずさ・26歳)
派遣先の初めての顔合わせの場で、岩波に紹介されたとたんいきなり彼から「愛人にならないか」と言われ赤羽は眉を顰めます。赤羽は派遣社員として数々の職場を歩き、時には無能な上司の下で働いたこともあるものの、これから二人きりの部屋で仕事をしなければならない上司が「ホモ」であることの前途多難さに憂鬱になります。
ところが赤羽は岩波と一緒に仕事をするうちに彼がとても精力的で有能で赤羽の「理想の上司」そのものであることに気がつきます。仕事を離れて自分に接する場面では妙に子供っぽかったり可愛らしい物言いをしたりして赤羽を戸惑わせますが、仕事に関してはその目配りも気のつき方も、また自分の部下に対する接し方も、岩波のそれは数々の職場を見てきた赤羽が「こんな上司がいたら」と頭で考えていたそのものの姿でした。
自分を愛人に、という言葉には困惑するものの、「仕事をする岩波」の姿に少しずつ惹かれていく赤羽。
しかし赤羽は派遣社員であり、彼のいるポジションに座るはずの正社員が研修を終えて正規に職場に戻ってくることになります。そうすれば赤羽の派遣期間は終わり、職場を去らなければなりません。わかっていたことなのに喪失感を感じる赤羽ですが、ある日岩波と二人きりで残業した夜、「ここにいろ」と言う岩波に押し倒され無理矢理に抱かれてしまいます。
無理矢理に…とは言え岩波に抱かれた時点で赤羽の心にはもう岩波への恋心は確実に育っていました。ただ自分がそれを認めることを怖れていただけなんですが、抱かれている最中に岩波が他の人間の名前を呼んだことが波紋を起こします。岩波を好きだと気づいたものの赤羽は岩波の真意がわからず苦しみますが、数日後、その名前の人物が社に現れる。
「秋沙(あいさ)」という名を持つその青年は名前も自分に似ていましたが、その容姿もじぶんを若く可愛らしくしただけで、赤羽にまるで兄弟のようにそっくりでした。自分を抱いていたときに岩波が呟いた名前が「秋沙」だったことに赤羽は気づきます。そして岩波の秋沙を見る慈しむような優しい瞳、秋沙が素直に岩波に甘える様子を見て、自分は秋沙の身代わりだったことを知ってしまう。
好きだと気づいたとたんの失恋に、赤羽は派遣期日の終了日、引き止める岩波に何も告げずに社を去ってしまいます。
いきなり「愛人にならないか」という言い方に反発を感じる受けというのはそう珍しくはないですよね。一緒にいるうちにだんだん惹かれていくのもお約束通り。そのあとにひねりがあるのがちょっと惹きつけられる展開でした。
この岩波は登場はいかにも唐突ですが、とても魅力的というか仕事の出来る面もよく伝わってくるし、妙に子供っぽいような可愛らしい部分もあるし、真っ直ぐさも感じられてかなり好感が持てました。
はじめはこの岩波の二面性に戸惑う赤羽はちょっとコミカルささえ感じさせて面白いんですが、派遣期限が近づいて岩波への想いを自覚したと同時に失恋してしまうあたりから、かなり切なさが迫ってきました。岩波は赤羽を身代わりにしたわけではなく真実が他にあると予想していても、心を隠して去る赤羽の想いは辛かったです。
この秋沙のこともわかってみると結構衝撃だと思うんですが、それもこのお話の中では岩波という人物の魅力を上げるように感じられました。真っ直ぐで情熱的で子供っぽい部分もあるやんちゃな男、若い時の岩波とそれまで読んで感じた今の岩波のイメージが自然と結びつくような感じでした。
赤羽は一見クールビューティーですが中身は可愛らしい純情乙女さんでした。でもそれを言えば岩波も結構純情男でしたね。まわりに手助けされちゃってるところは二人ともぶきっちょで可愛らしい。
岩波の第一秘書・高野(たかの)、そして秋沙、こちらの二人も興味をそそられるかたもあると思います。私は高野は興味ありますが秋沙はお子様なのであんまり…ですが(^^ゞ
岩波正臣(いわなみまさおみ・36歳)×赤羽東砂(あかばねあずさ・26歳)
派遣先の初めての顔合わせの場で、岩波に紹介されたとたんいきなり彼から「愛人にならないか」と言われ赤羽は眉を顰めます。赤羽は派遣社員として数々の職場を歩き、時には無能な上司の下で働いたこともあるものの、これから二人きりの部屋で仕事をしなければならない上司が「ホモ」であることの前途多難さに憂鬱になります。
ところが赤羽は岩波と一緒に仕事をするうちに彼がとても精力的で有能で赤羽の「理想の上司」そのものであることに気がつきます。仕事を離れて自分に接する場面では妙に子供っぽかったり可愛らしい物言いをしたりして赤羽を戸惑わせますが、仕事に関してはその目配りも気のつき方も、また自分の部下に対する接し方も、岩波のそれは数々の職場を見てきた赤羽が「こんな上司がいたら」と頭で考えていたそのものの姿でした。
自分を愛人に、という言葉には困惑するものの、「仕事をする岩波」の姿に少しずつ惹かれていく赤羽。
しかし赤羽は派遣社員であり、彼のいるポジションに座るはずの正社員が研修を終えて正規に職場に戻ってくることになります。そうすれば赤羽の派遣期間は終わり、職場を去らなければなりません。わかっていたことなのに喪失感を感じる赤羽ですが、ある日岩波と二人きりで残業した夜、「ここにいろ」と言う岩波に押し倒され無理矢理に抱かれてしまいます。
無理矢理に…とは言え岩波に抱かれた時点で赤羽の心にはもう岩波への恋心は確実に育っていました。ただ自分がそれを認めることを怖れていただけなんですが、抱かれている最中に岩波が他の人間の名前を呼んだことが波紋を起こします。岩波を好きだと気づいたものの赤羽は岩波の真意がわからず苦しみますが、数日後、その名前の人物が社に現れる。
「秋沙(あいさ)」という名を持つその青年は名前も自分に似ていましたが、その容姿もじぶんを若く可愛らしくしただけで、赤羽にまるで兄弟のようにそっくりでした。自分を抱いていたときに岩波が呟いた名前が「秋沙」だったことに赤羽は気づきます。そして岩波の秋沙を見る慈しむような優しい瞳、秋沙が素直に岩波に甘える様子を見て、自分は秋沙の身代わりだったことを知ってしまう。
好きだと気づいたとたんの失恋に、赤羽は派遣期日の終了日、引き止める岩波に何も告げずに社を去ってしまいます。
いきなり「愛人にならないか」という言い方に反発を感じる受けというのはそう珍しくはないですよね。一緒にいるうちにだんだん惹かれていくのもお約束通り。そのあとにひねりがあるのがちょっと惹きつけられる展開でした。
この岩波は登場はいかにも唐突ですが、とても魅力的というか仕事の出来る面もよく伝わってくるし、妙に子供っぽいような可愛らしい部分もあるし、真っ直ぐさも感じられてかなり好感が持てました。
はじめはこの岩波の二面性に戸惑う赤羽はちょっとコミカルささえ感じさせて面白いんですが、派遣期限が近づいて岩波への想いを自覚したと同時に失恋してしまうあたりから、かなり切なさが迫ってきました。岩波は赤羽を身代わりにしたわけではなく真実が他にあると予想していても、心を隠して去る赤羽の想いは辛かったです。
この秋沙のこともわかってみると結構衝撃だと思うんですが、それもこのお話の中では岩波という人物の魅力を上げるように感じられました。真っ直ぐで情熱的で子供っぽい部分もあるやんちゃな男、若い時の岩波とそれまで読んで感じた今の岩波のイメージが自然と結びつくような感じでした。
赤羽は一見クールビューティーですが中身は可愛らしい純情乙女さんでした。でもそれを言えば岩波も結構純情男でしたね。まわりに手助けされちゃってるところは二人ともぶきっちょで可愛らしい。
岩波の第一秘書・高野(たかの)、そして秋沙、こちらの二人も興味をそそられるかたもあると思います。私は高野は興味ありますが秋沙はお子様なのであんまり…ですが(^^ゞ
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