隣接する一般住宅と高級住宅街に生まれ育った瑛と聡史の出会いは五歳の時。広い屋敷で孤独に過ごす聡史にうっかり同情したのが運のつき。以来、瑛は超パーフェクトな独断専行男に育った聡史の並々ならぬ執着にさらされ、束縛され続けてきた。
両家の親まで巻き込んだ求愛(プロポーズ)についに陥落した高校時代、留学先から毎週帰国する聡史と週末婚状態の大学時代、そして就職・・・聡史の暴走愛はどこまでも…。
両家の親まで巻き込んだ求愛(プロポーズ)についに陥落した高校時代、留学先から毎週帰国する聡史と週末婚状態の大学時代、そして就職・・・聡史の暴走愛はどこまでも…。
御見苗聡史(おみなえさとし)×神尾瑛(かみおえい)
「わがままにしか愛せない」
「わがままだけど君が好き」
「わがままでもいいじゃない」の三編収録されており、それぞれ、二人の出会いと高校時代、大学時代、就職、と段階を追って一組のカップルの恋愛と成長を雑誌に連載したものだそうです。
そういう書き方も面白そうだなと思って購入してみました。
いろいろ壁にぶち当たったり、悩んだりしながら愛を育んでいく二人なのかと思ったら、そんな要素もないわけではないけれど、どちらかというと猪突猛進ストーカー攻めに押し切られて、捕まってしまうというお話という印象の方が強かった。ラブコメディでしょうね、やっぱり。
普通の家庭で普通の一軒家に住む瑛と、母親は亡くなったものの会社社長の父を持ち洋館に住む聡史の家は道路を挟んで向かいに建っています。
出会いは聡史の家の庭にいるゴールデンレトリバーの仔犬と遊びたくて、瑛が聡史の家の庭に忍び込んだのがきっかけ。当時二人は5歳で、母を亡くしたばかりの聡史は、病気で表に出ることができず、瑛が遊びにくる約束をして、二人は友人になります。
しかし、聡史の瑛への執着は、それから始まるのです。
小学校時代、瑛が他の友達と仲良くするのを嫌った聡史は、その頃から二人の将来設計を立て始め、株でせっせと将来資金を貯めはじめます。
あまりの聡史の執着ぶりに、高校受験では、同じ私立の有名金持ち進学校に入学しろと迫る聡史を騙して、まんまと近所の県立進学校に入学してしまう瑛ですが、それ以来朝は迎えにきて瑛を高校まで送り、帰りは部活後の瑛を学校の校門で仁王立ちで待ち、また一緒に帰るということを毎日繰り返しています。
瑛が文句を言うと、矢のような皮肉や嫌味が飛んできて「お前が悪い」と言い負かされてしまう。聡史は外見も誰もが目を惹かれるような美男子なんですが、頭も天才的にキレるので、いつも言いくるめられて瑛は聡史のペースに巻き込まれてしまうのです。
相変わらず瑛の友人に嫌味を言って追い払ったりするので瑛は怒りますが、効果はなし。
「わがままにしか愛せない」では、まだ二人は恋人にはなっておらず、お互いの気持ちが愛情であることを確認して、初めてのH、そしていきなり両親へのカミングアウトに「結婚(二十歳になったら養子縁組)する宣言」という展開です。
聡史の父が、留学してMBAを取得してきたら瑛との結婚を認めるという条件を出したため、聡史は高校を辞めボストンへ留学することになります。
「わがままだけど君が好き」は、大学生になった二人。
聡史はまだ留学中ですが、瑛は聡史の用意したマンションに住まわされ、そこから学校へ通っています。そして聡史は毎週末、往復三十時間かけてボストンから帰ってきます。その熱意と行動力も凄いですが、瑛が一人住む部屋にビデオや盗聴器を仕掛ける変態ぶり。時には専門機関を雇って、瑛の動向を探らせることもあります。
友人に嫉妬するのも変わらずで、たまたま聡史の帰国中に訪ねてきた友人たちに、背筋の凍るような嫌味を浴びせて追い出してしまいます。
そして瑛の誕生日を前に、「その日は区役所に行く」(養子縁組をする)と強引に決めている聡史との間にちょっとした擦れ違いが。
「わがままでもいいじゃない」は、就職に関してまたまた揉めて喧嘩になる二人。
天才的頭脳で、ありえない速さでMBAを取得した聡史が日本に帰ってきます。ちょうど就職活動の時期、瑛は報道関係の会社に就職したいと考えていますが、聡史は瑛が就職するというのは頭になかったようです。自分が仕事をして、瑛は「妻」で家にいるのだと。
ところが、就職に関して譲らない瑛を見ると、聡史は、父の会社は兄に任せ、ボストンで起業した自分の会社も人に売り、自分が家にいて「専業主夫」になり、瑛の帰りを待つことにすると言い出します。二人が別々の仕事をしていたら一緒にいられる時間が減るから、自分が仕事を辞めると。
日本の宝ともいうべき頭脳(笑)が、そんなことになったら日本の損失、と瑛は焦りますが、実はこれには裏がありました。
二人で双方の両親に会いにいったとき、聡史は「専業主夫」になると宣言し、瑛の両親や聡史の父を嘆かせます。瑛は「考え直してくれ」と聡史の父に頭を下げられ、自分の希望を何も言えなくなってしまうのですが、それが聡史の狙いだったのです。
自分が言っても聞かない瑛を、親を使って言うことをきかせようとしたんですね。
それを知った瑛が怒らないわけはありません。怒った瑛は家出して、友人のアパートへ転がり込んでしまいます。
ここまで読んでいただいたら、お察しだと思いますが、電波男のやりたい放題…という感じがしますでしょ? 猪突猛進的な盲目愛攻め。顔良し(蓮川さんのイラストも美しい)、頭良し、財力あり、の三拍子揃った青年で、相手も満更でもないので「バカップル」で済みますが、そうでなかったらストーカーになってしまいます(笑)
めでたく報道機関に就職して、全国を取材に飛び回る瑛のところへ、取材が一日伸びたと聞いただけで「出張だ」とか言って訪ねてくる聡史。聡史の仕事に出張はないのに相変わらずです。
「仕事で忙しい夫が戻らないと妻が退屈なのはよくわかった。精神衛生上、僕も仕事を続けることにする」とボヤく聡史が面白可愛いです。おかげで、瑛を家に縛り付けようと言う気もなくなったようで、良かったですね。
どこに行っても何においても「受け至上主義」な攻めの重い愛情をズッシリ楽しめます。揺ぎ無い愛情は感じられますが、受けの苦労も偲ばれます(笑)。
なんだそりゃ、と突っ込みつつ、楽しめるお話でした。
「わがままにしか愛せない」
「わがままだけど君が好き」
「わがままでもいいじゃない」の三編収録されており、それぞれ、二人の出会いと高校時代、大学時代、就職、と段階を追って一組のカップルの恋愛と成長を雑誌に連載したものだそうです。
そういう書き方も面白そうだなと思って購入してみました。
いろいろ壁にぶち当たったり、悩んだりしながら愛を育んでいく二人なのかと思ったら、そんな要素もないわけではないけれど、どちらかというと猪突猛進ストーカー攻めに押し切られて、捕まってしまうというお話という印象の方が強かった。ラブコメディでしょうね、やっぱり。
普通の家庭で普通の一軒家に住む瑛と、母親は亡くなったものの会社社長の父を持ち洋館に住む聡史の家は道路を挟んで向かいに建っています。
出会いは聡史の家の庭にいるゴールデンレトリバーの仔犬と遊びたくて、瑛が聡史の家の庭に忍び込んだのがきっかけ。当時二人は5歳で、母を亡くしたばかりの聡史は、病気で表に出ることができず、瑛が遊びにくる約束をして、二人は友人になります。
しかし、聡史の瑛への執着は、それから始まるのです。
小学校時代、瑛が他の友達と仲良くするのを嫌った聡史は、その頃から二人の将来設計を立て始め、株でせっせと将来資金を貯めはじめます。
あまりの聡史の執着ぶりに、高校受験では、同じ私立の有名金持ち進学校に入学しろと迫る聡史を騙して、まんまと近所の県立進学校に入学してしまう瑛ですが、それ以来朝は迎えにきて瑛を高校まで送り、帰りは部活後の瑛を学校の校門で仁王立ちで待ち、また一緒に帰るということを毎日繰り返しています。
瑛が文句を言うと、矢のような皮肉や嫌味が飛んできて「お前が悪い」と言い負かされてしまう。聡史は外見も誰もが目を惹かれるような美男子なんですが、頭も天才的にキレるので、いつも言いくるめられて瑛は聡史のペースに巻き込まれてしまうのです。
相変わらず瑛の友人に嫌味を言って追い払ったりするので瑛は怒りますが、効果はなし。
「わがままにしか愛せない」では、まだ二人は恋人にはなっておらず、お互いの気持ちが愛情であることを確認して、初めてのH、そしていきなり両親へのカミングアウトに「結婚(二十歳になったら養子縁組)する宣言」という展開です。
聡史の父が、留学してMBAを取得してきたら瑛との結婚を認めるという条件を出したため、聡史は高校を辞めボストンへ留学することになります。
「わがままだけど君が好き」は、大学生になった二人。
聡史はまだ留学中ですが、瑛は聡史の用意したマンションに住まわされ、そこから学校へ通っています。そして聡史は毎週末、往復三十時間かけてボストンから帰ってきます。その熱意と行動力も凄いですが、瑛が一人住む部屋にビデオや盗聴器を仕掛ける変態ぶり。時には専門機関を雇って、瑛の動向を探らせることもあります。
友人に嫉妬するのも変わらずで、たまたま聡史の帰国中に訪ねてきた友人たちに、背筋の凍るような嫌味を浴びせて追い出してしまいます。
そして瑛の誕生日を前に、「その日は区役所に行く」(養子縁組をする)と強引に決めている聡史との間にちょっとした擦れ違いが。
「わがままでもいいじゃない」は、就職に関してまたまた揉めて喧嘩になる二人。
天才的頭脳で、ありえない速さでMBAを取得した聡史が日本に帰ってきます。ちょうど就職活動の時期、瑛は報道関係の会社に就職したいと考えていますが、聡史は瑛が就職するというのは頭になかったようです。自分が仕事をして、瑛は「妻」で家にいるのだと。
ところが、就職に関して譲らない瑛を見ると、聡史は、父の会社は兄に任せ、ボストンで起業した自分の会社も人に売り、自分が家にいて「専業主夫」になり、瑛の帰りを待つことにすると言い出します。二人が別々の仕事をしていたら一緒にいられる時間が減るから、自分が仕事を辞めると。
日本の宝ともいうべき頭脳(笑)が、そんなことになったら日本の損失、と瑛は焦りますが、実はこれには裏がありました。
二人で双方の両親に会いにいったとき、聡史は「専業主夫」になると宣言し、瑛の両親や聡史の父を嘆かせます。瑛は「考え直してくれ」と聡史の父に頭を下げられ、自分の希望を何も言えなくなってしまうのですが、それが聡史の狙いだったのです。
自分が言っても聞かない瑛を、親を使って言うことをきかせようとしたんですね。
それを知った瑛が怒らないわけはありません。怒った瑛は家出して、友人のアパートへ転がり込んでしまいます。
ここまで読んでいただいたら、お察しだと思いますが、電波男のやりたい放題…という感じがしますでしょ? 猪突猛進的な盲目愛攻め。顔良し(蓮川さんのイラストも美しい)、頭良し、財力あり、の三拍子揃った青年で、相手も満更でもないので「バカップル」で済みますが、そうでなかったらストーカーになってしまいます(笑)
めでたく報道機関に就職して、全国を取材に飛び回る瑛のところへ、取材が一日伸びたと聞いただけで「出張だ」とか言って訪ねてくる聡史。聡史の仕事に出張はないのに相変わらずです。
「仕事で忙しい夫が戻らないと妻が退屈なのはよくわかった。精神衛生上、僕も仕事を続けることにする」とボヤく聡史が面白可愛いです。おかげで、瑛を家に縛り付けようと言う気もなくなったようで、良かったですね。
どこに行っても何においても「受け至上主義」な攻めの重い愛情をズッシリ楽しめます。揺ぎ無い愛情は感じられますが、受けの苦労も偲ばれます(笑)。
なんだそりゃ、と突っ込みつつ、楽しめるお話でした。
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