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マイ・ガーディアン
李丘 那岐著
幻冬舎コミックス (2005.11)
通常24時間以内に発送します。
イラスト/やしきゆかり(ルチル文庫)

高槻春也は養護施設で高校まで育ち、夢だった小学校経論として働いていた。
ある日、かつていた施設の嫌な噂を聞いた春也は、証拠を掴むため施設に戻ることに。しかし施設で一緒に育った幼馴染で弁護士の在田功誠に反対される。
そして手助けして欲しいと頼む春也に、その条件として功誠は「抱かせろと言い出す。子供の頃から功誠のことが好きだった春也は功誠に抱かれるが―。
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在田功誠(ありたこうせい・27歳)×高槻春也(たかつきはるや・27歳)

施設で育ち、今は小学校教諭として6年生を受け持つ春也。
春也は同じ施設で一緒に育った今は弁護士の功誠にずっと片思いしていました。
ある晩、教師同士の飲み会で泥酔した春也は功誠のマンションに転がりこみ泊まらせてもらいますが、翌朝やはり施設育ちの仲間、美容師のサトシ、俳優の淳之(あつゆき)がマンションを訪ねてきます。
そしてサトシの口から自分達の育った施設の嫌な噂を耳にするのですが、春也たちが世話になった園長が亡くなったあと後任としてやってきた新園長はどうにも胡散臭く、心配になった春也は後日園を訪ねます。
園長は留守だったものの事務局長と名乗る原口(はらぐち)という男は綺麗な顔をして大層感じが悪く、一様に硬い表情の子供達は不自然で、そしてある子供の胸元に傷を発見した春也は、虐待が行われていると確信します。
悩んだ末に、春也は受け持ちの6年生を卒業式で送り出したあと教師を辞め、園の職員として働くことを決心します。そして弁護士の功誠にも助けてくれるように頼むのですが、反対する功誠は春也の決心が変わらないと知ると助ける条件として「抱かせろ」と言い出します。

「条件は身体」。 よくあるパターンです。
が、このあとの春也の反応がよくあるパターンとはちょっと違ってました。
驚き戸惑いはするものの春也は「いいよ」と笑顔で即答なのです。功誠が好きな春也の選択肢に「NO」はありえないのでした。もちろん激しく動揺はしていますが、「子供達のため」などという犠牲的精神よりも、“え?え?俺でいいの?ホントに?嘘みたい”と絶対に叶わないと思っていた想いが思いがけず叶ってしまいそうなことに驚いてしまっているという感じ。
そうは言っても心の準備が出来ていないので、とりあえず数日引き伸ばしてもらうのですが、その間に春也のしたことはネットを巡り遠くの本屋に行って「男と男の愛し合い方」とか「男を虜にするベッドテクニック」とか「抱きたい女になるために」などという参考書を買い集めてしっかり予習することでした。

この春也ですが、別におマヌケさんではないんです。
天然は入ってますが、真面目で一生懸命。ちょっと猪突猛進。ひょんなことで大好きな功誠と寝ることになってしまったわけですが、愛のない身体だけの関係を悩んでグズグズいうのではなく、「もう一回したいって思ってもらえるように」と非常に前向きです。功誠との初Hを目前に控えながら、教え子の「好きなひといるの?つきあってるの?」と言う問いに「そうなれるように頑張ってるところだよ」と答える春也が、なんというか凄~く良かったんですよねぇ~。気持ちいいっていうか。
全編を通してこの春也の前向きさが、とても心地良かったです。
コメディーではありませんが、時折ユーモアを交える語り口もとても親しみやすい。教師を辞め養護施設に乗り込んで行われている不正や虐待などを突き止めようとする展開もちょっとドキドキさせられました。そうは言っても名探偵ではないので、鮮やかな活躍はいたしませんが。

お相手の弁護士・功誠ですが、いつも真っ黒なコートを靡かせ、いい男なのに無愛想でつっけんどん、ちょっとおっかない雰囲気で、誰も引き受けないような悪人(笑)の弁護ばかり引き受け勝利するので、非情な死神のようなイメージとして書かれています。ですが、登場したとたん、春也に気があるのが丸わかりです。本当は優しいのも感じられますし。春也が一生懸命予習した口技(もちろんひとり練習)を披露され焦って「したことがあるのか」と聞いてみれば、参考書で「処女は面倒」と学んでいた春也は「あるというかなんというか・・・」と答えてしまうんですが、あげく「俺ヘタ?」「ヘタじゃないから聞いてるんだ!」「俺うまい?じゃあもっとしてやる」と言われてしまい怒り狂ってしまってます。
その初H以来、功誠は春也には冷たくなり春也はドップリと落ち込んでしまうのですが、功誠が嫉妬で怒っているのはバレバレであります。
しかし「やっぱりダメだったんだ」と傷つきながらも、春也はやっぱり前向きで一生懸命です。年齢のわりにひねてなさすぎる感じはありますが、好感度は高かったですね。

お互い好きなのに隠しあって勘違いしあっている二人の恋の行方も気になりますし、養護施設の問題の方も気になり、わりとページ数多めですがツルッと読めてしまいました。施設問題の方は、どちらかと言えば外的力で解決してしまったような感じです。

春也が前向きとすれば、見事な対極にいる園の事務局長「後ろ向き原口」の思いや虐待の事実など決して軽くはない部分も含むのですが、やはり語り口と春也のおかげで重たい雰囲気は感じませんでした。
なかなか面白く読みました。
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