![]() | 群青に仇花の咲く 神奈木 智著 / 穂波ゆきねイラスト 幻冬舎コミックス ルチル文庫2007-07 by G-Tools |
佳雨は、色街でも三本の指に入る大見世「翠雨楼」の売れっ子男花魁。粋な遊び人である老舗骨董商の若旦那・百目鬼久弥が佳雨の馴染み客になって半年がたつ。
誰にも恋をしたことがない佳雨だったが、実は久弥に恋をしている。しかし久弥は抱いてはくれない。
ある日、花魁の心中事件が。その事件を調べている久弥を手伝っていた佳雨が襲われ!?
誰にも恋をしたことがない佳雨だったが、実は久弥に恋をしている。しかし久弥は抱いてはくれない。
ある日、花魁の心中事件が。その事件を調べている久弥を手伝っていた佳雨が襲われ!?
百目鬼久弥(どうめきひさや・26歳)×佳雨(かう・19歳)
骨董商若旦那×男花魁
「群青に仇花の咲く」
「初夜」
あとがきの後に「二輪の仇花」というSSあり。
神奈木さん初の遊郭ものです。
色街きっての男花魁・佳雨が他作品の男花魁と違うのは、自分から望んで花魁になったこと。まあ、そこには理由はあるんですが。
髪も結ったりせず少し長めなくらいだし、見た目はしっとりたおやかな美人ですが、中身は男っぽい。やんちゃとか乱暴とかいうんじゃなくて、芯が強く気風がよくて粋な感じがする。それでいて久弥に恋する姿は一途でウブで可愛らしい。変に女の真似をしているんじゃないところが、好感持てました。
攻めの久弥は、老舗の骨董店の若旦那で、遊び人、それも綺麗な遊びをするという評判の色男として出てきます。確かにスマートな感じ。しかし佳雨の馴染みとなって三日も居続けているのに、なんにもしない。密かに久弥に恋をする佳雨の誘いも、穏やかに微笑んでするりと交わしてしまう飄々とした人物で、最初は久弥がどういう人なのか何を考えているのかわかりにくかったです。
佳雨の花魁としての矜持と、一途な久弥への想いの切なさを読まされていますから、なんだか逃げ腰の久弥は、「おいおい」という感じ。もうちょっと佳雨に熱くなってくれないの?となんだか寂しくなってきます(笑)
けれど、最後まで読めば久弥がどういう想いでいたのかわかり、それで安心しましたけどね。
でも、遊郭もののお約束「身請け」ということに、この二人はならないんですよね。
愛する男が他の男に抱かれることへの嫉妬、愛する男以外の男に抱かれなければならない辛さ、それを重々わかっていて、今後苦しむだろうと思っても、とりあえず佳雨は花魁のまま。
佳雨の『花魁』であるプライドは清々しく男らしい(笑)し、そういう佳雨も好きだという久弥の気持もわかるけれど、ちょっとドライ過ぎるように思えます。お約束でもやっぱり相手は一人であって欲しいから。
でもこのお話は続編が決まっているので、まだこれから本当に苦しみに対峙することになるんじゃないかな? 佳雨が花魁として「これで良し」と思えるまでは、どんなに辛くてもこうするしかないのを二人ともわかっているんでしょう。この本ではまだ意外に淡々と受け入れているように思えるのは恋人同士としてはどうなんだという気もするんですが、どうも佳雨の強さや飄々と感情を隠す久弥を見ていると、もしかしてあんまり気にしてないように見えてしまいます(笑)
でも、最終的には「初夜」で「おかえりなさい」と久弥を三つ指ついて迎えた佳雨のように、夫婦二人で暮らす未来であって欲しいなぁと思います。
お話は、佳雨と久弥の一途で、でも不器用でじれったい恋に殺人事件が絡みます。「花魁探偵」です(笑) ただの切ない色街話ではなかったですね。
久弥の経営する骨董店から盗まれたお宝と色街の恋が絡んだ事件が起きるんですが、そんな展開も面白かった。紛失したお宝はまだありますから、今後も「若旦那と花魁探偵」的になるのかなぁ?
不器用だけど甘い二人はなかなか良いですから、晴れて好き合う気持を確認しあった二人の先が楽しみです。
「続きはちょっと先」なんだそうですが、待ち遠しい。
穂波さんのイラストもとっても良かったです。
骨董商若旦那×男花魁
「群青に仇花の咲く」
「初夜」
あとがきの後に「二輪の仇花」というSSあり。
神奈木さん初の遊郭ものです。
色街きっての男花魁・佳雨が他作品の男花魁と違うのは、自分から望んで花魁になったこと。まあ、そこには理由はあるんですが。
髪も結ったりせず少し長めなくらいだし、見た目はしっとりたおやかな美人ですが、中身は男っぽい。やんちゃとか乱暴とかいうんじゃなくて、芯が強く気風がよくて粋な感じがする。それでいて久弥に恋する姿は一途でウブで可愛らしい。変に女の真似をしているんじゃないところが、好感持てました。
攻めの久弥は、老舗の骨董店の若旦那で、遊び人、それも綺麗な遊びをするという評判の色男として出てきます。確かにスマートな感じ。しかし佳雨の馴染みとなって三日も居続けているのに、なんにもしない。密かに久弥に恋をする佳雨の誘いも、穏やかに微笑んでするりと交わしてしまう飄々とした人物で、最初は久弥がどういう人なのか何を考えているのかわかりにくかったです。
佳雨の花魁としての矜持と、一途な久弥への想いの切なさを読まされていますから、なんだか逃げ腰の久弥は、「おいおい」という感じ。もうちょっと佳雨に熱くなってくれないの?となんだか寂しくなってきます(笑)
けれど、最後まで読めば久弥がどういう想いでいたのかわかり、それで安心しましたけどね。
でも、遊郭もののお約束「身請け」ということに、この二人はならないんですよね。
愛する男が他の男に抱かれることへの嫉妬、愛する男以外の男に抱かれなければならない辛さ、それを重々わかっていて、今後苦しむだろうと思っても、とりあえず佳雨は花魁のまま。
佳雨の『花魁』であるプライドは清々しく男らしい(笑)し、そういう佳雨も好きだという久弥の気持もわかるけれど、ちょっとドライ過ぎるように思えます。お約束でもやっぱり相手は一人であって欲しいから。
でもこのお話は続編が決まっているので、まだこれから本当に苦しみに対峙することになるんじゃないかな? 佳雨が花魁として「これで良し」と思えるまでは、どんなに辛くてもこうするしかないのを二人ともわかっているんでしょう。この本ではまだ意外に淡々と受け入れているように思えるのは恋人同士としてはどうなんだという気もするんですが、どうも佳雨の強さや飄々と感情を隠す久弥を見ていると、もしかしてあんまり気にしてないように見えてしまいます(笑)
でも、最終的には「初夜」で「おかえりなさい」と久弥を三つ指ついて迎えた佳雨のように、夫婦二人で暮らす未来であって欲しいなぁと思います。
お話は、佳雨と久弥の一途で、でも不器用でじれったい恋に殺人事件が絡みます。「花魁探偵」です(笑) ただの切ない色街話ではなかったですね。
久弥の経営する骨董店から盗まれたお宝と色街の恋が絡んだ事件が起きるんですが、そんな展開も面白かった。紛失したお宝はまだありますから、今後も「若旦那と花魁探偵」的になるのかなぁ?
不器用だけど甘い二人はなかなか良いですから、晴れて好き合う気持を確認しあった二人の先が楽しみです。
「続きはちょっと先」なんだそうですが、待ち遠しい。
穂波さんのイラストもとっても良かったです。
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