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ただいま定修中!
烏城 あきら著
二見書房 (2005.12)
通常1-3週間以内に発送します。
イラスト/文月あつよ(シャレード文庫)

秋の工場定期修理が始まり、営業の徳永が製造で研修をすることに。やたら懐いてくる徳永をかわしつつ、クローズドシステムのテストを始めた弘だが、その時起こった機械トラブルを助けたのは定年退職した辻本だった。弘の色気をいち早く見抜いた油断ならない辻本の登場に危険を察知する前原。
案の定、前原と熱いひとときを過ごしたホテルを一人で出た直後、弘は偶然出会った辻本に彼の自宅へ連れ込まれてしまう―。
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前原健一郎(まえはらけんいちろう)×阿久津弘(あくつひろし)
年齢は…いくつでしたっけ?(^^ゞ
20代、同い年。

「ただいま定修中!(前編)」雑誌掲載
「ただいま定修中!(後編)」雑誌掲載
「魚は釣れたか?」書き下ろし の三編収録されています。

「許可証をください!シリーズ」第4弾です。

今回の喜美津化学工場は、「定期修理(略して定修)」の時期に当たっていて、操業を停止しての機械の点検や補修、新しいシステムのテストといった仕事を軸に、前原と弘の恋愛模様が展開されています。
今までのように台風や渇水に悩まされるというほどの大きなトラブルはありませんでしたが、本社から前原のいる製造部に研修にやってきた徳永(とくなが)、OBで今回特別に定修に呼ばれてきた辻本(つじもと)が、二人の仲をかき回しています。

弘にやたらと懐いていて前原をイライラさせる徳永ですが、研修中徳永の指導を前原が自分から買って出たり、前原の大学卒業資格のための勉強の手伝いを徳永がすることなり二人きりで勉強したりと、弘の方にも波風を立たせます。全て仕事の上でのことなんですが、嫉妬の感情は抑えられない。仕事とプライベートの境界で、二人はそれぞれに悩みます。
また60を越えて今だ現役の辻本が弘によからぬ食指を動かします。大先輩として二人をからかいながら見守っているような感じもあるんですが、マジの下心も大いにありそうです。個人的にはいくら何でも60はキツいです(^^ゞ
そして二人の同居の話も出てきます。
「魚は釣れたか?」でそちらはグッと進みます。
さてどっちがどっちに釣られたんでしょうね?

恋人同士としてはかなり安定した二人という印象でしたが、同時に同じ職場で働く同僚であり、気持ちは心配したり手助けをしたかったりしても、それぞれの分野で仕事をする男と男という立場上どこまでを見守りどこから口を出していいのか戸惑いも出てきています。
そういう迷いや、嫉妬、そして一緒に住みたいという想いをそれぞれがそれぞれなりに考えて結論を出そうとしています。
仕事をしながら、日常を過ごしながら、恋と向き合う二人のお話。

相変わらず仕事面や工場の様子は詳細で、読んでいると工場内に立っているような気がします。機械が動く音や、作業着の男達の大声が聞こえ、その動く気配が感じられそう。
主人公は決して恋愛面だけにうつつを抜かすのではなく、ちゃんと仕事をして、そして恋をしている。そういう「働く男の恋」が身近に感じられるのがこのシリーズの良さかな、と思います。
思えば「作業着もいいかも」とちょっと思い始めていた私が「作業着最高!」と思うようになったのはこの前原のせいでした。

今回は今まで読んだものに比べると静かな印象だったかな?
仕事上それほど大きなトラブルが起きなかったのと、前原と弘の間も多少の行き違いはあれど、表立って大問題にはならなかったせいかもしれません。
あと、弘ってこんなに前原が好きでしたっけ?(笑)
どちらかというと弘の方が腰が引け気味のような気がしていたんですが、全然そんなことなかったですね今回。

同居…ではないけれど、二人が同じ屋根の下二階と四階に住むようになって、またまた次が楽しみですね。
でも一階にお母様がいるのはどうなんでしょう(笑)
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