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君が誰の隣りにいても
月上 ひなこ著
幻冬舎コミックス (2005.11)
通常24時間以内に発送します。
イラスト/山田ユギ(ルチル文庫)

江戸友禅の新鋭作家・日比野佑一の前に偶然現われたのは六年前に別れた恋人・九生暁也。当時美術教師だった佑一は、新入生の暁也の強引なアプローチのすえ恋人になるが、彼の将来のため嘘をつき別れたのだ。
真実を知らず佑一のことを恨む暁也は佑一のもとに通い始め、やがて強引に押しかけてきて同居することに。暁也への想いを抱いたまま別れた佑一は、ずっと暁也を愛していたが…。
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九生暁也(くりゅうあきなり・23歳)×日比野佑一(ひびのゆういち・30歳)
ホスト×江戸友禅作家。

二人がつきあっていたのは佑一が新任の美術教師、暁也が高校1年生のときです。暁也の度重なるアプローチにとうとう佑一が折れることになったのですが、それから二人は真剣につきあっていました。
ところが暁也の母親に二人の関係が知れ、佑一はとにかく別れてくれと言われます。もし別れないのなら佑一の両親にもこの関係を話す、暁也は家の跡継ぎであり将来を台無しにするわけにはいかないとの暁也の母の言葉に、佑一は引き裂かれるような胸の痛みを隠しながらも暁也を突き放し、真実を知らない暁也は佑一の言葉に激怒。二人の恋は終わりを告げます。
そして6年後、暁也と別れたあとすぐに教師を辞め江戸友禅作家に弟子入りし今では新鋭作家として名の売れてきた佑一の元に、偶然暁也が現れます。

暁也は佑一に別れを告げられたあと荒れに荒れ、結局継ぐはずだった家からも見放されて今ではホストとなり何人もの女とつきあい貢がせるような生活を送っています。
佑一は別れたあともずっと暁也を想い続けていましたが、なんと暁也と別れたあと結婚し子供が生まれています。現在は妻とは離婚していますが、この結婚と生まれた子供がこのお話の中で二人の間に大変重要な意味を持っています。

現在の荒れた様子やその態度を見れば暁也もずっと佑一を忘れられずにいたことが伝わってきます。視点が暁也側に変われば佑一への変わらない想いがよりハッキリとわかりますし、暁也の家は弟が継ぐことになり、佑一が身を切られるような思いで切り出した別れは無駄になってしまったのですから真実を告げれば簡単にいきそうです。が、佑一には秘密があり、ずっと愛し続けていながらそれを暁也に伝えることができずにいます。
それに深く関わってくるのが佑一の結婚と子供です。これにはとても複雑で切なく深い佑一の暁也への愛が関わっています。とても切なくて苦しくて、そしてエゴさえも含んだ佑一の暁也への想いがなんというか、深くて濃かったですね。ジンワリと沁みてしまいました。

ただ。
佑一の想いはわかるし、その切なさも伝わるんですが、個人的にこの「子供」という存在がどうもスンナリと受け入れられなくてとても微妙な感じでありました。
この子供・晃(あきら)が出てくると凄く可愛くて和むんですよ。シーンそのものは微笑ましくて、とても好きなんですが。
それに佑一の晃への愛情は、まっすぐに暁也へと続く佑一への想いそのもので、ストーリーの要であるわけです。そして佑一の気持ちは痛いほど伝わってきて、複雑な心理でありながら、それを理解することはそう難しくありませんでした。
それでも子供が介入していたことは、私にはちょっと…。
でも一応言っておくとこれは単に好みの問題だと思います。誰もが私と同じように感じるとは思いません。
二人の深い深い愛が伝わってきますしね。
私が言うのも、「なかなか面白かったよ~。…でも子供はね…」とこんな(どんな?)感じのニュアンスに取っていただけるとありがたいです。

もう一つつけ加えると苦しい苦しい恋の結末は、なんだか軽くて、あっけないように思えました。中身の切なさに比べると、ラストをハッピーにしようとした落差がちょっと出てしまっていたかもしれません。
それに6年間の擦れ違いや苦しくて切ない想いを涙ながらに吐露するシーンで発情しなくてもいいんじゃないかと思いましたんですが…。 最高の山場なのに疼いてしまった下半身の元気さに、場違いにも笑いそうになってしまいました(^^ゞ 6年間たまってたのね。
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