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図書館の眠り姫
遠野 春日著
ビブロス (2005.9)
通常24時間以内に発送します。
イラスト/藤井咲耶(ビーボーイノベルス)

鷹苑学院の理事長の座を祖父から譲り受けた実業家の亮祐。
理事会で廃止が叫ばれている学院の図書館で、無口で無愛想な美貌の司書教教諭・一紀に出会い強烈な興味を抱いて―。
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鷹栖亮祐(たかすりょうすけ・30歳)×桑名一紀(くわなかずき・?歳)

「図書館の眠り姫」雑誌掲載
「マリンブルー・メモリアル」書き下ろし の二編収録。
あとがきのあとに「おまけショート」の書き下ろしがあります。

祖父から母校の理事長職を譲り受けた亮祐は、久しぶりに訪れた学院内の図書館で、高校時代につきあっていたことのある、今は学院の教師となった好哉(よしや)と再開します。二人の関係はとっくに思い出になっていてお互いなんの拘りもなく軽口を叩きあい、亮祐は冗談で好哉に誘いの言葉をかけますが、好哉もそれを軽く受け流します。しかし好哉がその場を立ち去ったあと奥へ進んだ亮祐は、二つ先の書架の間に一人の男がいることに気づき驚きます。今の会話を聞かれて誤解されたかもしれないと考えた亮祐は男に声を掛けますが、その男のあまりの美貌にドキリとします。整いきった非の打ち所のない容貌で、冷たい印象の無愛想な男・桑名一紀に亮祐は一目で惹かれてしまい、それ以来なんとか近づこうとするのですが、一紀の態度は取り付く島もありません。
初めは親しい会話から…という感じで紳士的に接しながらも、あまりにそっけない態度に苛立ち強引に出てみたり、まだ駄目かとため息をついて引いてみたり、完璧な男が一生懸命口説こうとするところはなかなか面白かったです。
強気な男が押したり引いたり・・・いろいろ考えて悩んで策を練ってというのは萌えでした。
一紀の方は元々の人付き合いの苦手さと素直でない天の邪鬼な性格に加えて、やはり亮祐と好哉の軽口が気になっていて、実際冗談だったんですが「冗談のように男を誘ってフラれたら今度はこっち」のような亮祐がなかなか信用できないんですね。
図書館が廃止になるという話で意見を聞いても「僕は別に」と興味がなさそうな一紀ですが、閲覧者を増やそうと試行錯誤してHPを作ったりするところは、言葉とは裏腹に本を大切に思う気持ちが現われていて、真面目で一生懸命な人柄が伝わってきて好感を感じます。一紀が紹介した本をちゃんと読んでみるなど、亮祐もただ押しが強いだけでなく結構真摯だと思います。
かなり甘いお話だと思いました。恥ずかしいくらい情熱的な亮祐(笑)。

「マリンブルー・メモリアル」は、一紀側の視点から、亮祐との出会いと恋人になるまで、それから現在の気持ちがわかります。
これを読むと、そっけないだけだった一紀が実際その時何を思っていたのかよくわかり、一紀の恋に不慣れな戸惑う可愛らしい思いが伝わってきます。
こちらは亮祐のお誕生日に二人で過ごしたいと言われた一紀が、プレゼントを何にしたらいいのか悩み、好哉のアドバイスを受けて亮祐の思い出に関わるプレゼントを用意します。
都会の夜景の見える亮祐の部屋に有名ホテルから出張させたシェフを呼び二人のために料理をさせ、二人してタキシードを着込んでワインを開け…と、ホンマかいなと突っ込みたくなるようなロマンティックな演出のお誕生日。
どっかの芸人さんが「甘~い!」と言いそうですね。
亮祐へのプレゼントのエピソードも甘いですけど、こういうのは結構好きでした。一紀の心が本当に籠っている感じがして。

甘くてロマンティックで捻った展開は全然なく、安心して読めます。
亮祐の元恋人も波風立てることなく、爽やかないい人のままです。
甘くて強引で情熱的な攻めにたっぷり浸れます。

しかし何回「甘い」って言ったんだろ。
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