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発明家に手を出すな
烏城 あきら著
徳間書店 (2005.10)
通常1-3週間以内に発送します。
イラスト/長門サイチ(キャラ文庫)

平井将孝は発明家に代わって特許を申請する弁理士。
ある日「世紀の大発明家」原田武之を担当することに。
絶え間なくアイディアが沸く原田の才能に将孝は惚れこむが、原田は現在開発中の薬剤の検証を将孝の身体でやりたがる。そしてある夜、将孝はついにベッドまで引き摺り込まれてしまい…!?
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原田武之(はらだたけゆき・25歳)×平井将孝(ひらいまさたか・27歳)
発明家×弁理士


勤めていたガイヤ電器株式会社の知的財産事業部で特許を扱っていた将孝は、その短気な性格が引き金となり会社を辞めてしまい、祖父の営む『平井特許事務所』でぎっくり腰を患った祖父の代わりに仕事をすることになります。
そして初めて出向いた「原田技術研究所」で出会ったのが“夏毛の雪男”のように全身毛むくじゃらの男・原田。町中に経つ塔のようなビルでたった一人で研究をしており、将孝は「町の発明家」を半ば軽視していましたが、そこで原田に関する特許関連資料の数を見て、自分の認識の甘さに愕然とします。そして原田の天才ぶりを知るにつけ、原田の弁理士として働くことに意欲を持ち始めます。

全身毛もじゃなのは毛深いわけではなく理由があるんですが、この初めての出会いが大変面白くて笑えました。
「天才」の原田のちょっと毛色の変わった部分を彷彿とさせるエピソードですが、ただの変人ではなく、ちゃんと炊事をしたり庭先に紫陽花を植えてみたりと几帳面で繊細でもあり、鷹揚に見えて強引だったり、意外に乙女入ってたりヘタレっぽかったり、視点は将孝側ですが原田の人となりの魅力も十分伝わってきました。
烏城さんなのでその辺も仕事面の描写に上手く組み込まれていて自然に人物像が浮かんでくる感じです。
将孝の「短気」もちゃんと展開に繋がっているんですよね。
会社を辞める発端となったこともそうですが、短気で喧嘩っ早い性格が、時には意地となって仕事の力となったり、原田にしてやられてしまう原因になったり。最初に「将孝は短気」と印象づけられたお蔭で、将孝の思考も理解しやすいです。短気な将孝に唖然とする原田や、原田に乗せられてしまう将孝など、二人の攻防も面白いですしね。

職業面がきちんと書かれているのが烏城さんだと思うんですが、恋愛面の心理的な動きもちゃんとそこに乗っかっていて、無理がありませんでした。
勤めていた会社で将孝がキレる原因となった特許の案件も上手い形でストーリーに生かされていて、展開も面白いです。嫌なヤツにはちゃんと落し前をつけてくれるのも、スッキリして気持ちいいですね。
原田が大変身して登場するにいたっては、こちらもときめいてしまいました(^^ゞ こういう落差に私も弱いみたいです。

将孝はまだ原田への気持ちをハッキリと認めるまでには至っていないラストです。原田の才能に惚れ、力になりたいと弁理士としての将孝は強烈に惹かれていますが、恋愛としてとなると…。
でも発明家としての原田に対する弁理士としての情熱と同時に、将孝には原田の人間としての魅力も十分伝わっていて、原田に会いたいという思いには仕事だけではないものがあると思えます。半ば強引に流されてしまったようなところもあるから、仕事と原田どちらに惹かれたのかわからないようなところもあるかもしれませんね。
しっかりと原田への思いを自覚する将孝が見てみたい気がします。

「許可証シリーズ」がお好きなら楽しんで読めるんじゃないかと思います。面白かったですよ。
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