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いちばん外側の色
麻生 玲子著
集英社 (2005.10)
通常24時間以内に発送します。
イラスト/小山田あみ(コバルト文庫)

初めての出会い―突然のファーストキスから五年が経った。空閑は大学に通いながらドラマの脚本を書き、大地はサッカーに明け暮れる毎日。そんな二人を繋ぐ砂時計がまた動き出す。
泣けるくらい背の低かった大地が、いまは空閑を見下ろしている。そしてキスを奪われた大地が、今は…。
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青砥大地(あおとだいち・15歳)×空閑碧(くがみどり・20歳)

麻生さんのコバルト新シリーズです。
まだ導入であり、二人のこれまでの経緯や気持ちが動いていく様子をじっくりと追っている…という感じです。あからさまに続いていて一話完結でもない。
大地の名前を先に持ってきましたが、実は攻受もはっきりしてません。たぶん読んだ感じでは大地攻めだと…。だったらいいな、という願望も込めました。

五年前、大地・小学4年生、空閑・中学3年生の時が最初の出会いです。
大地の兄・栄(さかえ)の友人として家に遊びにきていたのが空閑でした。背が低く、ちょっと生意気で元気のいい大地を空閑はその頃から可愛く思っていた様子がわかります。
兄とは別の高校に進んだ空閑はその後家に姿を見せることはなくなっていましたが、再び空閑が兄と同じ大学に入学し校内で再会したのをきっかけに、大地の家にまた現われるようになります。
このあと空閑は兄の栄よりも大地と親交を深めていきます。
小さくて可愛かった大地への、ちょっとからかって弄くりまわしてみたいという気持ちは想像できるし、そんな大地が自分より大きくなって目の前に現われた今でも小さかった頃の感覚で接してみたり、成長した姿に感慨を受けてみたり。
大地の方は「きれいだけどちょっと意地悪」だった兄の友人に憧れと反抗のようなものを抱いていたんでしょうか。

どうして空閑が友人の栄よりも大地をこんなにかまうのか、イマイチよくわからなかったところもあるんですけどね。
雑誌「Cobalt」に二人の出会い編が掲載されているそうですが、そちらを読んでいないせいなのか。こちらには過去のエピソードについて詳しく書かれていないので、ちょっと読んでいる間手探りな感じはしてました。
今後、本の方で詳しく書いて下さるのかどうかはわかりませんが、そのへんちょっとすっきりさせてほしいなとは思いました。

さあ、これから、というところで続いています。
まだお互いの想いがなんなのかちゃんと把握できていない二人。
キスは何度かしています。
でも心よりも体の方が先へ行ってしまっている大地。いかにも若い、です。
「小さかった大地」と「今の大地」は明らかに違っていて、自分の気持ちがよくわからない空閑はこれから「大地の熱」に押されて翻弄されてしまうんでしょうか。
でも空閑もなかなか複雑な性格をしていそうなので、どうなるのか楽しみです。

「いちばん外側の色」というのは空閑が大地にあげた「プリズム」をひっかけているんだと思います。
プリズムを通してできる光の虹は一番外側の色は赤で、光のエネルギーが一番低い。
大地の心の色は、空閑が欲しい、という思いをその色にひっかけて、赤から橙に変わったと表現されています。

思春期の少年の身体の欲求と心がどうきちんと繋がっていくのか楽しみですし、これから大地が「年上のお兄さん」にどうぶつかって堕としてくれるのか。
体育会系の男の子の「生臭さと率直さとナイーブさ」、文系年上男の「冷めた部分と相反する熱さ」を期待して次回を待ちたいと思います。

小山田さんのイラストがとても良かったです。
冒頭の人物紹介の大地は、すごくイメージがぴったりだと思いました。
生意気そうでナイーブそうで、ちょっとケダモノそうで…若い牡って感じ?(^^ゞ
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