0Hｚ－ゼロヘルツ-

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東郷伊織（とうごういおり・28歳）×長嶋慧（ながしまけい・26歳）

再会モノです。

高校時代、ある出来事が憧れていた生徒会長・東郷を怒らせ、彼に犯されてしまった長嶋。
そんなことがあっても憧れの気持ちは消えず、嫌われたくない一心で東郷にいいように抱かれる日々が続きます。
いつしか長嶋の心には憧れ以上の気持ちが芽生えますが、言い出せないまま東郷の卒業まで関係は続き、その後長嶋は急遽ドイツへと引っ越すことになった際に自分の想いを込めた手紙を東郷に出しますが、返事は全くなく、
二人の関係は終わりを告げ、10年の月日が流れます。
そして医療機器の会社に勤めていた長嶋は機器の故障で呼ばれた先の医院で東郷と再会。
東郷は再会したその日から、再び以前のような身体の関係を要求してきます。
東郷の強引さに抗えず、長嶋は再び東郷と身体だけの関係を持たされることに…。

高校時代も10年経って再会してからも、長嶋は東郷の前でまるで蛇に睨まれた蛙のようです。
どうしてこんなことに、こんなことイヤだと思っていても一言も言い返せず、耳元で囁かれただけで骨抜きに。
内気で気の弱い性格で、東郷に憧れを抱いているということを考慮しても、ちょっとないだろーというくらい見事な流されっぷりでした。

もともとはちょっとした誤解の東郷の嫉妬から始まり、長嶋が出した手紙も第三者の邪魔で本人に届かなかったための擦れ違いなんですが、東郷という人もかなり自己中で強引というか、何にも言わずにここまで長嶋を振り回すのも凄いです。
本心が明かされてみれば、ぶきっちょで可愛いと思えなくもないですが、それにしてもまず本人に聞いてみたら？と思わずにはいられません(^^ゞ
流される方も流される方で長嶋にあまりに気概というものがないので、こんな理不尽な要求にどこかで一転反撃するシーンはないものかと期待していたんですが、なにもないまま流れ流れて終わってしまいました。あはは。
ホントに心底優しく弱々しいかただったんですね。
長嶋の世話をしている社長（叔父）が何かやってくれるかと思ったものの、こちらも脇で不審がってるだけでした。
東郷の意地の悪そうな妹がもっと何かしでかすんでもよかったんだけど（笑）

傲慢強引な東郷に引き摺られるままの長嶋…という感じで
「これでいいのか？」と思いますが、長嶋にとっては東郷が長嶋の荷物を黙って勝手に漁って携帯番号を盗みだしても「やりたい放題で欲しい情報は必ず手に入れ、人の気持ちはおかまいなしなところも魅力的」だそうなので、心配は余計なお世話でした(^^ゞ