
日生水貴著/イラスト:水名瀬雅良(アイノベルス)
(2005.9)
艶やかな黒髪としなやかな身体を持つ深森は、その美貌に反してボディーガードを天職としていた。
そんな彼が新に警護するのは、秋篠グループの御曹司・櫂名。だが24時間警護のため同居することになった深森は、彼の家でいきなりキスされて?!
普段は飄々とした櫂名の、何ものにもとらわれない強さと優しさに触れ、彼に強く心惹かれていく深森だったが、彼の仕事には裏の顔があって―。
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芝浦櫂名(しばうらかいな・25歳)×藤崎深森(ふじさきみもり・31歳)
年上でクール美人のボディーガード受けは私のBL読書歴の中では珍しかったです。
反対はたくさん読みましたけど。
なのでその設定は新鮮でなかなか萌えでありました。
それまで櫂名についていたボディーガード(女性)の結婚退職の代わりに新しく深森がつくことになり二人は接近します。
その前に出逢いがあり、深森の姿に魅せられた櫂名のたっての希望で深森がつけられることになったんですが。
子供の頃から始終危険に晒され狙われる立場の櫂名とは無論同居し24時間体制でその身の安全を守らなければなりません。
仕事が始まったその日から、二人は櫂名のマンションで一緒に暮らし始めます。
初めからバイだと公言し悪気のない態度でキスをしかけてくる櫂名に深森は苛立ち、会社でもどうでもいいようにしか見えない部署に席を置き呑気にしている態度を見て、その印象はあまりいいものではありません。
苦労知らずのお坊ちゃん…というわけです。
実際櫂名は飄々としていて掴み所のない男に思えるんですが、秋篠グループ内の複雑な事情が明かされるにつれて、櫂名がただの気楽なお坊ちゃんではないことがわかってきます。
危険にさらされる家族や従兄弟のために、少しでも楯になろうと自らすすんで危険なポジションに身を置いている。
そして社内の人間からもどうでもいいと思われている部署は、周りの見解に反して実は一番深部に関わる仕事をしているところなんですね。
扱いにくい櫂名のガードに戸惑う深森は、やがて櫂名の心の中にある優しさや強さ、誠実さを知り、櫂名の身体だけでなくその心も守りたいと思うようになっていきます。
櫂名の方も、敵を倒す際にはしなやかな動きで情け容赦のない攻撃を繰り出す深森が、そのクールで美しい顔が時折見せる素の表情に惹かれていく。
そして深森の身体に、以前仕事で失敗をして瀕死の重傷となったときの傷が残っているのを見て、改めて深森の仕事の危険を知り、深森への想いが溢れ出してしまいます。
依頼人を守ることを仕事としている深森は、もちろん今までもその命を自分の命をかけて守ってきたわけですが、櫂名と出会い心の底から「愛する人の全てを守る」という想いの意味を知るんですね。
そして“攻め”の方が守られる立場なわけですが、櫂名はもちろん守られているばかりではありません。
暴漢からの攻撃に深森に守られながらも、深森の危機には身体を張り、また別の時には一人で行動して深森を助けようとします。
“攻め”としての面目もきちんと守られてますね。
でも櫂名に対して具体的な危険が及ぶということはほとんどなく、派手なアクションがもっとあっても良かったのにな~とちょっと思いました。
不穏な動きも起きるんですがそれも結局相手が小物なのでたいしたことないし。
何か事件が起きてそれが解決するまでのボディーガードというのではなく、日常的に幼い頃から今まで、そしておそらく死ぬまで守られながら生きていかなければならない立場の櫂名ですから、深森が(または二人で協力して)悪漢を退治して事件が解決して終わり…というお話ではないんですよね。
ずっと誰かに守られてきた櫂名が初めて守りたいという存在に逢い、人を守ってきた深森が仕事としてではなく初めて心底から守りたいと思う存在に出逢う。
そういうお話なんだな、と思います。
結構二人の身の上が複雑なので登場人物が多く入り組んでいます。
その中に、櫂名の従兄弟で現秋篠グループの社長(25歳・受)とその秘書で深森の兄(攻)のカップルがいます。
こちらがメインになるかもしれなかったようです。
意地悪で受けを泣かしちゃうような攻めなんだそうです。
ご意見はいろいろあると思いますが、私は櫂名と深森でよかったな。
でも機会があればそちらも書いてみたい…ということですので、そしたらちょっと読んでみたいかも。
芝浦櫂名(しばうらかいな・25歳)×藤崎深森(ふじさきみもり・31歳)
年上でクール美人のボディーガード受けは私のBL読書歴の中では珍しかったです。
反対はたくさん読みましたけど。
なのでその設定は新鮮でなかなか萌えでありました。
それまで櫂名についていたボディーガード(女性)の結婚退職の代わりに新しく深森がつくことになり二人は接近します。
その前に出逢いがあり、深森の姿に魅せられた櫂名のたっての希望で深森がつけられることになったんですが。
子供の頃から始終危険に晒され狙われる立場の櫂名とは無論同居し24時間体制でその身の安全を守らなければなりません。
仕事が始まったその日から、二人は櫂名のマンションで一緒に暮らし始めます。
初めからバイだと公言し悪気のない態度でキスをしかけてくる櫂名に深森は苛立ち、会社でもどうでもいいようにしか見えない部署に席を置き呑気にしている態度を見て、その印象はあまりいいものではありません。
苦労知らずのお坊ちゃん…というわけです。
実際櫂名は飄々としていて掴み所のない男に思えるんですが、秋篠グループ内の複雑な事情が明かされるにつれて、櫂名がただの気楽なお坊ちゃんではないことがわかってきます。
危険にさらされる家族や従兄弟のために、少しでも楯になろうと自らすすんで危険なポジションに身を置いている。
そして社内の人間からもどうでもいいと思われている部署は、周りの見解に反して実は一番深部に関わる仕事をしているところなんですね。
扱いにくい櫂名のガードに戸惑う深森は、やがて櫂名の心の中にある優しさや強さ、誠実さを知り、櫂名の身体だけでなくその心も守りたいと思うようになっていきます。
櫂名の方も、敵を倒す際にはしなやかな動きで情け容赦のない攻撃を繰り出す深森が、そのクールで美しい顔が時折見せる素の表情に惹かれていく。
そして深森の身体に、以前仕事で失敗をして瀕死の重傷となったときの傷が残っているのを見て、改めて深森の仕事の危険を知り、深森への想いが溢れ出してしまいます。
依頼人を守ることを仕事としている深森は、もちろん今までもその命を自分の命をかけて守ってきたわけですが、櫂名と出会い心の底から「愛する人の全てを守る」という想いの意味を知るんですね。
そして“攻め”の方が守られる立場なわけですが、櫂名はもちろん守られているばかりではありません。
暴漢からの攻撃に深森に守られながらも、深森の危機には身体を張り、また別の時には一人で行動して深森を助けようとします。
“攻め”としての面目もきちんと守られてますね。
でも櫂名に対して具体的な危険が及ぶということはほとんどなく、派手なアクションがもっとあっても良かったのにな~とちょっと思いました。
不穏な動きも起きるんですがそれも結局相手が小物なのでたいしたことないし。
何か事件が起きてそれが解決するまでのボディーガードというのではなく、日常的に幼い頃から今まで、そしておそらく死ぬまで守られながら生きていかなければならない立場の櫂名ですから、深森が(または二人で協力して)悪漢を退治して事件が解決して終わり…というお話ではないんですよね。
ずっと誰かに守られてきた櫂名が初めて守りたいという存在に逢い、人を守ってきた深森が仕事としてではなく初めて心底から守りたいと思う存在に出逢う。
そういうお話なんだな、と思います。
結構二人の身の上が複雑なので登場人物が多く入り組んでいます。
その中に、櫂名の従兄弟で現秋篠グループの社長(25歳・受)とその秘書で深森の兄(攻)のカップルがいます。
こちらがメインになるかもしれなかったようです。
意地悪で受けを泣かしちゃうような攻めなんだそうです。
ご意見はいろいろあると思いますが、私は櫂名と深森でよかったな。
でも機会があればそちらも書いてみたい…ということですので、そしたらちょっと読んでみたいかも。
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