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夜が蘇る
夜が蘇る
posted with 簡単リンクくん at 2005. 9.26
英田 サキ著
プランタン出版 (2005.8)
通常24時間以内に発送します。
イラスト/山田ユギ(プラチナ文庫)

情人を亡くし、虚ろな日々を過ごす元警視の探偵・秋津は極道の久我に口説かれる。けれども情人を忘れられない。そしてなにより失う悲しみにはもう耐えられない。
必死で拒むが、共に事件を追ううちに、傲慢なくせに優しい久我に心をかき乱されて…
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久我仁一郎(くがじんいちろう・32歳)×秋津芳人(あきつよしと・36歳)
ヤクザさんと探偵さん。
年下に思えないけど年下攻めです。

人探し専門の探偵事務所の所長(代理)・秋津。
秋津は元警察のキャリア官僚でしたが、ヤクザの情人を持っていたこととその死によって警察を辞職。その後東京から大阪に居を移し探偵として仕事をしています。
前所長の知り合いだというヤクザの久我はしょっちゅう事務所を訪れ秋津を苛立たせますが、仕事を通じて協力を仰がざるを得なくなる。
久我は秋津を口説きますが、情人の死によって心に空いた空洞はどうしようもなく、秋津は久我を拒み続けます。
それでも、久我の存在は秋津のなかでだんだんと大きくなっていき…。


このお話の一番の魅力は秋津と久我そのものだと思いました。
秋津が非常にオトコマエです。
それでいて情人が自分の腕の中で血まみれで亡くなったという出来事そのものと、それによってエリートの道からも転落し心に深い傷を負っている。
久我が「未亡人」という言葉を使っていますが、まさに夫を亡くした悲しみを押し隠して、気丈にひとり生きる未亡人。だけど身体は疼いちゃって…という感じ(笑)
久我は傲慢さや態度のデカさはあるんですが、妙に愛嬌があるというかオッサンぽいというかやること言うことがクサいというか、可愛らしいオトコなんですね。
歯に衣着せぬ秋津にどことなくおちゃらけた久我の会話。
この二人のやりとりがとっても面白かったです。
これを読む前に凄く卑屈な受けのお話を読み心底参っていたので、秋津の漢前さには涙が出ちゃいました。
ああ、これだと思って(笑)
気の強さが最高にいいですね~。
久我も押しが強く傲岸不遜のように見えて、やってることが可愛らしいですよね。
花を贈ったり、ハメてた真珠を取っちゃったり、バスローブにイニシャルを入れちゃうところもなんだかベタベタにクサい(笑)
カラオケで朗々と「マイウェイ」を歌っちゃうなんて出来過ぎです。
このオッサンが年下だというのがまた高ポイントでした。
なんのことだろう?と思うようなタイトルにちゃんと意味がある、こういうふうに内容とタイトルが上手にマッチしてると、読み終わったときにホ~ッと感心しちゃいます。
なるほどねぇ…ってね。


英田さんのサイトで掲載していたお話のようなんですが、他にも続編や番外編がサイトや同人誌で公開されています。
英田さんのサイトは閉鎖されましたが、この本の発売により「夜が蘇る」の番外編だけは読めるようにしばらく残しておくそうです。
期間は明記されていませんでしたが今なら中編と短編が何本か読めます。
裕樹がいたたまれない目にあってました(^^ゞ
羽生と久我の短編も。
(英田さんのサイトは閉鎖のためリンク解除のお願いがされています。
 勝手に貼り付けるわけにもいかないので恐れ入りますがアドレスは本を参照なさってくださいませ)
プラチナ文庫の公式HPにも短編が一部公開されています。
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