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こどもの瞳
こどもの瞳
posted with 簡単リンクくん at 2005. 9.20
木原音瀬著
幻冬舎コミックス (2005.9)
通常1~3週間以内に発送します。
イラスト/街子マドカ(ルチル文庫)
※(追記)今朝リンクを貼った時は発送まで1~3週間だったのですが、その後取り扱いできなくなっています。
売れてるみたいですね。

小学生の子供と二人でつつましく暮らしていた柏原岬が数年ぶりに再会した兄・仁は事故で記憶を失い6歳の子供にかえってしまっていた。
超エリートで冷たかった兄とのギャップに戸惑いながらも、素直で優しい子供の仁を受け入れ始める岬。しかし仁は無邪気に岬を好きだと慕ってきて…。
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榎本仁(えのもとひとし)×柏原岬(かしわばらみさき・25歳)
仁の実年齢は30歳ですが物語中で6歳に退行しています。

「こどもの瞳」(既刊ビーボーイノベルス「こどもの瞳~イノセントラブ」)
「こどもの瞳2」書き下ろし の二編収録されています。

いつもにも増して感想が大変に長くなってしまいました(^_^;)
適当に読み飛ばして下さいねぇ。


子供の頃に起きた両親の事故死で岬と兄の仁はそれぞれ母方の祖母、父方の祖父…と離れ離れに引き取られ連絡をとることのないままに育ちます。
18歳で結婚した岬は妻との間に男の子を儲け貧しいながらも幸せに暮らしていましたが、数年後妻が脳腫瘍を患い、手術費用を捻出するため、金持ちの祖父に引き取られ会社の跡を継いだ仁の所へ借金を頼みに行きます。
ところが仁の迷惑そうな冷たい態度に激怒した岬は、金輪際会わないとその場を飛び出します。
それ以来兄に対しては憎しみしか抱けず、二度と会うこともないまま、妻の死後6歳になる息子・城一郎(じょういちろう)と細々と暮らしてきました。
そんなある日、二人の元へ「お兄さんに会ってほしい」と兄の会社の人間が現われます。岬はそれを断りますが、数日後今度はアパートの部屋の前に座り込んでいる兄を見つけます。
激怒する岬の前で兄は子供のように泣き出し、兄の持たされていた手紙を読むと中にはとんでもないことが書かれていました。
名前と年を尋ねる岬に、兄の仁は「かしわばらひとし」「6歳」と答えます。
事故にあった仁は、両親が生きていた頃、6歳の頃の兄に戻ってしまっていたのです。

結局どこにも行くあてのなくなった仁をアパートに住まわせることになるのですが、大人なのに6歳並の知力と行動しかできない仁を受け入れていくまでの岬のジレンマが手に取るように伝わってきました。
兄に対するなかなか消すことのできなかった怒りも、子供の兄の罪ではないと、少しずつ仁の存在を受け入れていく岬。
そして祖母から、嫌がる岬の代わりに祖父に貰われていった仁がいつも岬のことを心配していたこと、妻の手術費用を自分からだということは内緒で援助してくれていたこと、亡くなったときもこっそりと香典を送ってくれていたことを聞き、それまでのわだかまりはすっかりと消えてしまいます。

と、ここまでは引き離された兄弟と、知らずにいた兄の愛…という感じなんですが、その先からが変わってきます。
中身は6歳であるものの身体は立派な大人の仁はある日岬に身体がおかしいと打ち明けます。
健康な男性ならごく正常な「射精」という現象のことなんですが仁にはそれがなんだかわからなかったのです。
仁に性教育を施すくらいのつもりで処理の仕方を教えてやる岬ですが、上手くできないという仁に手を貸してやり、やがてお互いに向き合ってするようになり、そのうちにお互いのものをしあうようになり…とその行為は擬似セックスへと変化していきます。
身体は大人である仁はその方面では当然大人なみなのですが、知識が子供相応のものしかないため、それがどういうことなのか、血が繋がっている二人がそうすることの意味さえもわからず、ただ真っ直ぐに岬が好きだという想いだけを込めて岬との行為を望みぶつかってきます。
それに流され、次第に絆され、倫理観さえも希薄になっていく岬。
一応書いておきますが攻めは仁(6歳)です。

厳密には子供ではないし添えられているイラストも青年でしかないんですが、字面だけ見たら口調は子供ですからなんだかとても居心地の悪い感じ(^^ゞ
兄弟であることはもちろんですが、それより6歳っていうのがね。本当は30なんですけど。
ただタイトルに「こどもの瞳」とあるように、目に留めるべきは年齢ではなくて「こどもの瞳」、岬を慕い「好き」と気持ちをぶつけてくる仁の純粋さ、そちらの方かな、と思います。
「子供」モノは苦手なので素直に共感できないところが辛いところですが、この純粋さの前には、複雑極まりない関係が正しいとか正しくないとか倫理に悖るとかそういう大人の常識は叶わないということなのかなと思わせられました。
結局、仁はおつかいに行った帰りに自転車にぶつかり記憶が戻ってしまうんですが、元にもどった仁は別人です。
言葉使いはもちろん態度もガラリと変わってしまう。
傲慢にさえ思える大人の仁ですが、岬を想う気持ちは表現の仕方は変わったとはいえ、その重さに変わりはないようです。
6歳に退行していたとき岬に抱いた気持ちは元に戻ってもそのままだったんでしょうか。
そのへんがちょっとわかりづらかったですが、仁にとって岬は「守るべきもの」だったことは本当に幼かったころからの仁の想いでした。
記憶喪失によって岬に守られ、元に戻ったことで再び守る立場へと仁のポジションは変わります。
しかしあまりの変わりようにこっちがついていくのが大変(笑)
岬をとても大事にしていることは「2」で偲ばれますが、よかったねぇ~と素直に言えないところがまた辛い(^^ゞ

「2」は岬の息子・城一郎と城一郎のクラスの副担任・堂本広喜(どうもとひろき)二人のお話です。
正真正銘、城一郎は子供、10歳です。
城一郎はあるきっかけで堂本になつき、放課後を堂本の傍で過ごすようになります。
無邪気に懐いてくる城一郎が堂本は可愛く、次第に特別な生徒になっていきます。
そしてその想いが特別な意味での「好き」であると自覚した堂本は城一郎にキス(額にですが)してしまうんですね。
「好きだからキスするんでしょ」「つきあってあげてもいいよ」という城一郎の言葉に「好き」と言ってしまう堂本。
父とその兄が恋人同士であり3人で同居していることを自然と受け入れている城一郎は、そういう部分では大人びているし抵抗もないんですね。
その成長を見守りたいと願うと同時に、自分はふさわしくないと考える堂本は確かに苦しいと思いますが、申し訳ないけれどやはり共感まではできず。
城一郎はやはり子供特有の純粋さと真っ直ぐさで、大人の考える常識や倫理観などは気にもせず、ただ自分と堂本のことだけを考えています。
子供であるがゆえに周りのことや行く末のことにまでは考えなど及ぶわけもなく、それだからこそ「好き」という純粋な心だけを真っ直ぐにぶつけてきて、大人はその激しさによろめいてしまいます。
城一郎と堂本はしてません、念のため(笑)。
岬は結果的にそれを受け入れたことになるわけですが、堂本は苦しさから別れを告げてしまいます。
そして7年後成長した城一郎の姿を見てようやく大切な恋を振り切ります。
夢を叶え、強くなった城一郎を見て、初めてあれで良かったと思うことができたんでしょうか。

あとがきにもありますが城一郎のその後が知りたい感じがしますね。

「兄弟モノ」であり「子供」であり、ある意味私にとっては地雷尽くしのお話でしたが、「イヤッ」と切捨てられないものもありました。
岬も堂本も、子供であった仁や城一郎に惹かれています。
そして仁の記憶が戻った時、成長した城一郎を見たときに感じる喪失感。
大人になってしまうと様々な事柄や世間体などがどうしても先に立ち、好きなだけではどうしようもないこともあります。
子供に返った仁や城一郎が自分達に寄せる愛情は、何の柵も計算もないただそれだけのものです。
そんな剥き出しの愛情をぶつけられて戸惑い悩み足元が崩れてしまうのは大人の方なんですね。

いやいや、それにしてもやっぱり木原さんは難しかったです…(^^ゞ
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