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風でなくても
風でなくても
posted with 簡単リンクくん at 2005. 9.12
火崎勇著
ドリームメーカー (2005.7)
通常2~3日以内に発送します。
イラスト/朝南かつみ(バジルノベルス)

高校の後輩で元恋人の遊馬が、藤吾の会社の
新しい部下としてやってきた。5年ぶりの再会に
変わらない自分の想いを自覚させられる藤吾。
けれど藤吾を振った遊馬は再会しても頑なな態度を崩そうとしない。
そんなある日、高校の後輩から遊馬の思わぬ話を聞いて…。
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野々宮藤吾(ののみやとうご)×遊馬遥(あすまはるか)
年齢は書いてありませんでしたが推察すると23~5,6くらいとだと思います。

「風でなくても」雑誌掲載
「風をつかまえて」書き下ろし の二編収録されています。
再会モノです。


高校時代共に陸上部だった藤吾と遊馬。
記録よりも『走ること』を楽しんでいた藤吾は、自分と同じように感じている一学年下の遊馬に次第に惹かれていきます。
卒業式の日に思い切って告白すると返事はOK。大学を北海道に選んだ藤吾と遊馬は遠距離恋愛を始めますが、ある日手紙にも電話にも遊馬からの返事がなくなり、
藤吾は失恋したことを知り遊馬を諦めます。
ところが遊馬が偶然自分の部下として現れ、二人は再会します。

視点は藤吾、一人称です。
理由はわからないけれど別れてしまった遊馬と再会し藤吾は困惑します。
自分の中にはまだ遊馬への想いがあり理由を問いただしたい気持ちもありますが、それよりも遊馬が気まずい思いをしないですむようにと、藤吾は過去のことには一切触れずただの『いい先輩』として遊馬に接しようと努力します。
藤吾は体育会系でなかなか面倒見のいい優しい思いやりのある男で周りからも慕われるタイプだと思いますが、どうも相手のことを考えすぎるあまり恋に関してはとても臆病ではっきり言うと朴念仁です(笑)。
遊馬のために自分の想いを抑えて抑えてしまうんですね。
「俺は気にしてないよ」というふりをしてしまう。
考えすぎるあまりに言うのをためらってしまい、相手に気持ちが伝わらずに誤解されてしまいます。
こういう場合再会したとたんに再び自分のペースに巻き込んでくる攻めは沢山見ましたが、こういう抑えたタイプはちょっと新鮮でした。
かなりツボに入りました。
「いい人」でいることが恋の場合は必ずしもいいとは言えないんですねー。

「風をつかまえて」は、晴れて誤解も解けつきあい始めた二人のお話。
遊馬への欲望を抑えられず遊馬を疲れきるまで抱いてしまう藤吾は、このままでは遊馬を壊してしまうと反省します。
遊馬への独占欲を抑えようと、自分自身余裕を持ち遊馬を少し自由にしてやらなければ…と考える藤吾。
そんな時、遊馬から「少し会うのを控えよう」といわれ、遊馬も同じように考えていたと思った藤吾はそれを了承。
ところが折悪しく仕事も忙しくなり、少しどころか二人の時間はほとんど持てなくなってしまいます。
次第に焦燥感にかられていく藤吾。
このお話でもまたもや「相手のために」と考えたことが裏目に出てしまいます。

どちらのお話でも藤吾も引き過ぎですが遊馬も似たようなもんかな。
藤吾の一人称なので遊馬の気持ちはわかりにくいですが、
藤吾の遊馬を想う優しさや気遣いは真面目で誠実な人柄が出てて凄く好きでした。
「いい人」でいようとしてきた藤吾が最後には「いい人ではいられない」ということに気づきます。
こうなった藤吾は正攻法の猪突猛進の直球で障害物もなぎ倒していくタイプになるんじゃないかしら。
不器用なだけに小細工せず、あとがきにもありましたが
周りにカミングアウトして真っ直ぐ想いを貫きそうです。

「風でなくても」「風をつかまえて」
本文にちゃんとマッチしてるいいタイトルですね。

かなり好きなタイプのお話でした。
朝南さんの表紙とカラーイラストの藤吾の首筋がなんともセクシーで噛み付きたくなります。
首筋フェチじゃないんですけども…(^^ゞ
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