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御曹司は恋に惑う
遠野春日著
リーフ出版 (2005.7)
通常2~3日以内に発送します。
イラスト/雪舟薫(リーフノベルス)

亜久津一族の御曹司・奨は叔父が生前暮らしていた山奥の別荘を相続することに。
だが無人のはずのそこには4年も叔父と暮らしていたという美青年・森生が住んでいた。
愛人関係だったのではと疑う奨と、見かけによらず勝気な森生は第一印象も相性も最悪。
しかし豪雨で麓の村へ通じる唯一の橋が落ち、二人は別荘に閉じ込められる羽目になってしまい…。
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亜久津奨(あくつしょう・30歳)×沢辺森生(さわべもりお・25歳)



二人っきりで陸の孤島の閉じ込められていったい何が始まるのかしらと期待していたら、閉じ込められた部分はほんのさわりでそのあとは舞台を東京に移しての展開でした。
初めて顔を合わせたとたんお互いに「嫌なやつ」と思い言い争いになりますが、どうしようもない状況で一緒にいる間にお互いに気になり始める。
そして奨は行くあてがないと言っていた森生を東京に一緒に連れて帰り、自分のマンションに同居させて仕事も自分の下で雑用係として雇います。
そして二人の気持ちはますますお互いへと傾いていきます。

意表を突くような展開はなく、安心して読めるお話でした。
結構好きなお話です。
視点も奨、森生と変わるので二人の変化や想いもちゃんとわかります。

奨は大会社の御曹司で、クールでどちらかというと堅物タイプ。
短気で傲慢で冷たい印象ですが実は結構不器用で、
うちにある優しさを素直に表に出すことができず、照れくさいためぶっきら棒で仏頂面になってしまうという、なかなか可愛いやつです。
相手に嬉しそうな顔をされたり御礼を言われたりしても、恥ずかしくて素直に喜べない。
奨視点では本当は何を考えているのかわかりますから、こちらにはその辺が伝わってきて、そのぶきっちょなところが却って魅力的に見えます。
森生は自由にのびのびと生きてきて、奨のようなキッチリしたタイプとは正反対です。
短気なところはそっくりですが。
奨に比べると素直ですから、相手に対して芽生えた想いも森生の方がずっと早く自覚しているようです。
でも奨がこんな感じですから森生からしてみれば、どう考えても叶うはずのない恋というわけで、ちょっぴり切なさも加味されています。

奨というひとは恋愛するにはとても不向きというか誤解されやすいタイプだと思いますが、森生は奨のわかりにくい優しさにちゃんと気づくことができて奨を理解しているので、奨もそうやって受け止めてくれる相手(森生)と一緒にいて過ごしやすい、居心地がいいと感じることができるんだと思います。
だから正反対とはいってもお互いが惹かれていくのもムリはない感じですね。
でもちょっとお互い察しが良すぎるな、とは思ったんですけど(^^ゞ
ぶきっちょで人付き合いもヘタそうな奨に対して意外に器用で世渡り上手そうな森生。
森生はきちんと就職したことがないのにも関わらず、自由気ままに外国をフラフラしていたおかげで語学が堪能なので、奨のピンチにも素晴らしい活躍をしてくれます。
こうしてみると最悪な出会いに反してかなりお似合いのカップルなんですね。

奨の会社の嫌な常務の背任行為にはビシッとした大岡裁きを期待していたんですが(奨のカッコいいところが見たかった)、あっさり終わってしまったのが気分的には物足りなかったです。
でもまあメインはカップルですから…。
そっちは萌えでしたからいいですわ。

奇をてらう展開はなく読みやすいですし、
そこそこハラハラさせられて萌えもあって面白く読みました。
BL初心者の方にも凄くいいと思います。
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