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斜向かいのヘブン
砂原/糖子??著
新書館 (2005.8)
通常24時間以内に発送します。
イラスト:依田沙江美(ディアプラス文庫)

「俺、吸血鬼だから」
真顔でとんでもないことを口にした会社の上司・羽村。
九條はムキになってそれを打ち消そうとするが、羽村は
頑なに譲らない。
現実的な九條は呆れるが一緒に過ごす時間が増えるにつれ、
羽村の意外な面を知り、九條は次第に羽村に惹かれていく…。
-------------------------------

九條柾己(くじょうまさき・25歳)×羽村紘人(はむらひろひと・30歳)

「斜向かいのヘブン」雑誌掲載
「隣のヘブン」書き下ろし の二編収録されています。
吸血鬼、リーマン物です。


あとがきにもあったように基本は地味なリーマン物でしたが、
羽村が「吸血鬼」であるために、全体的にとっても不思議な印象を
感じてしまいました。
吸血鬼物であっても、それ以外はほとんど普通と変わらないので
ファンタジーとも言えず、かといって現実的とも言えず…。
淡々とちょっと皮肉なユーモア交じりの文章はとても現実的で、
でも吸血鬼。
どっちの気分で読んだらいいのやら、ちょっと困ってしまいましたね。

でも吸血鬼だという部分をうっちゃってしまえば(笑)、不器用で
非社交的で無口だけれど可愛く子供っぽい恋愛に不慣れな男
(羽村)と、現実的で小器用でハンサムで女にはモテても真剣に
なれなかった男(九條)のちょっとぶきっちょな恋という感じで、
そういうよくある恋の擦れ違いや二人の思いなどの部分は、
いかにも地に足がついているというか理解しやすい感情で、
とても楽しめました。

自分が吸血鬼だということを隠すために、
ずっと人と深く関わらないように無表情で冷徹に振舞っていた羽村が、
初めての感情に戸惑ったり迷ったり、
何も知らない子供のような反応をしたりするところは
すごくよくわかるし、とても可愛くて、そういう羽村が結構好きでした。
しつこいですが、吸血鬼であることを除けば、会話を交わし、少しずつ
お互いを知って惹かれあっていく普通の恋なので、そういう面はすごく
好きなタイプのお話でした。

でも吸血鬼。…作者さまは…なぜ吸血鬼だったんだろう?(^^ゞ

書き下ろしの「隣のヘブン」は一応つきあいだした二人ですが、
恋愛経験のない羽村と、恋人同士としてきちんとつきあいたい
(一線を越えたい)九條の擦れ違いのお話です。
こちらの方が吸血鬼であることがお話に、より関わっているような感じかな?
吸血鬼に血を吸われると、吸われた方も吸血鬼になる…といいますが、今回予想を裏切る(?)この展開が私はかなり好きでした。
そうきたか~!とニヤッとしてしまいましたね。

恋愛部分が面白かったので、砂原さんの他の作品も
ちょっと読んでみたくなりました。
コメント
この記事へのコメント
こんにちは、mimuさん。

古い記事に失礼しますvv
最近、鳩村さんの書かれるお話の心理描写が面白いなと思い始めて読みました。

特殊な設定だけど、扱っている内容は普遍的なもののような気がします。

>…作者さまは…なぜ吸血鬼だったんだろう?(^^ゞ

ですよね~。その不思議テイストもなかなかクセになりそうな面白さでした。同じ吸血鬼ものでも他の作家さんとは違う切り口が面白かったです。

予約設定にしたので、まだblogにアップされてないと思いますが、TBよろしくお願いしますvv


2008/06/17(火) 15:22 | URL | 桃 #-[ 編集]
>桃さん
こんにちは、桃さん!

たぶん私が砂原さんを初めて読んだのがコレだと思います。
この頃はまだ他サイトさんでもそんなにお名前を見ることもなくて。

「吸血鬼」なんですけど、二人の恋模様とか気持ちはホントによくある共感できるもので、繊細で微妙な心理を書く事ができる力量にすごく惹き付けられました。
それから「砂原さんを読んでみよう」企画なんかも始めたりしたんですよ(笑)。

今もこの本は手元にあります。
今の砂原さんとも共通する部分がたくさんあるので、砂原さんがお好きで未読のかたは読んでみて欲しいな~と思いますね。

TBありがとうございます~!
あとでお邪魔しますv
2008/06/18(水) 08:36 | URL | mimu #-[ 編集]
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2008/06/17(火) 18:34:56 | 桃の楽園