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傲慢で優しいシナリオ
かのえ/なぎさ??著
ムービック (2005.5)
通常2??3日以内に発送します。
イラスト:天野瑰(ゲンキノベルス)

脚本家の隆は、親友・青沼の頼みで無愛想な年下の朋樹を助手として世話することに。
仕事の相棒でもあるプロデューサーの青沼を密かに想っていた隆だが、眠っている青沼にキスしかけたところを朋樹に見られてしまう。
激情に駆られるまま、青沼への秘めた想いを朋樹にぶつけてしまう隆。
自身の欲望を抑えきれず朋樹を求めるが、思いのほか熱い腕に抱きしめられて乱れていく―。
注ぎ込まれる体温に溶け出した快感は、いつしか隆の心を満たしていくが…。
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津川朋樹(つがわともき・24歳)×常盤隆(ときわりゅう・31歳)

本編の他に天野さんによる漫画のオマケつきです。


親友のプロデューサー・青沼に秘めた恋をしている隆。
青沼に頼まれて、朋樹を自分のアシスタントとして面倒をみることになりますが、疲れて眠っている青沼にキスしようとしたところを朋樹に見られてしまいます。
朋樹に弱みを握られたという意識が拭えない隆に、朋樹は変わらない態度で接してきますが
その実直さに神経を逆撫でされ、「常盤さんの望むことなら何でもします」という朋樹に自分を抱くことを命じます。
隆の指示どおりに隆を抱く朋樹。
少しずつ隆の中で朋樹の存在が大きくなっていきますが、青沼への想いは簡単には消えません。

視点は隆で、隆の青沼への想いはもちろん強く伝わってくるんですが、読んでてより感じていたのは朋樹の切なさ、痛々しさでした。
朋樹は無愛想で無口なキャラで、心情を口に出す場面もほとんどなく、それを伺わせるのはちょっとした表情の変化だけなんですが、
朋樹の隆への想いはそれだけでも伝わってきます。
青沼の代わりのように、それも自分からではなくて
「抱きしめろ」「キスをしろ」とその命令どおりに隆を抱く朋樹の想いを考えると、そっちの方が胸が痛かったです。
それこそ飼い主の命令がないと動かないワンコ…という感じなのでワンコ好きのアンテナに引っかかったとも言えますが。
キスをしているところを青沼に見られてしまった時も、隆を守るように自分が全てを被り、仕事をやめてしまうその健気さには、泣けてきます。
「俺に好きなようにあなたを愛させて下さい」という朋樹のセリフがそれまでの朋樹の想いの全てを語ってましたね。

恋敵(笑)の青沼もいいやつです。
二人の恋の壁にはなっていますが、新婚の身であり、大きな包容力で隆のことも朋樹のことも包んでいるような感じです。
隆の恋心など何も知らなかったんですが、知ったときもきちんと受け止めちゃんと失恋させてくれて、さらに踏み切れずにいる隆の朋樹への想いの
後押しをしてくれるような好人物でした。

甘さは全然なく、切ない~という感じでもなく、
どちらかというと苦めの硬質な印象でした。
甘さは天野さんの漫画で補われています。
テレビ番組の制作会社や脚本家という仕事の場面が非常に多く(7割がたそうかも)そういう面でも働く男たちが楽しめると思います。

途中で出てきた「志賀」という人物、なんとなく性格悪そうだったので
もっと色恋に絡んでくるのかと思って警戒(笑)したんですが、
純粋に仕事関係の人だったんですね。
しかも悪い人じゃなかったし(^^ゞ
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