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作る少年、食う男
椹野道流著
二見書房 (2005.8)
通常24時間以内に発送します。
イラスト:金ひかる(二見シャレード文庫)

港町マーキスで検死官を勤めるウィルフレッド。
耳慣れぬ職業、銀髪の暗青色の瞳、高い身分を持ちながら社交界に
出入りせず独り身を貫く彼は、いつしか人々の間で「北の死神」と
呼ばれるようになっていた。そんなウィルフレッドが出会ったのが、孤児院出身で
男娼のハル。料理の勉強がしたいと屋敷に出入りするようになったハルは、
ウィルフレッドに生きた人間の肌の温もりを感じさせた。それは北の国から
この街に流れ着いて初めて知る感情―愛しさを彼にもたらすようになる。
ところが些細な行き違いからハルが街の荒くれ者たちに囚われ、嬲られるという
事件が起こり…。
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ウィルフレッド・ウォッシュボーン(?歳)×ハル(16歳)
検死官と孤児の少年です。

「作る少年、食う男」雑誌掲載
「旦那様の休日」書き下ろし の二編収録されています。


舞台は架空の港町で、時代はビクトリア時代のイギリス風です。
シャーロックホームズのあれです。
過去に傷をもち故郷を離れてきた孤独な検死官と、天涯孤独のハル。
ひょんなことから出会い、なりゆきでハルはウィルフレッドの屋敷に通い料理番に
料理を習うことになります。
捨て子で孤児院育ちという境遇でありながら、明るく真っ直ぐで負けん気が強く
元気で人懐こいハルの訪問を楽しみに感じ始めるウィルフレッド。
ハルも初めて与えられた人の好意に喜びを感じ、二人は惹かれあっていきます。


愛することに慣れない大人と少年の、それはそれは不器用でウブな恋愛が
とても微笑ましかったです。
ウィルフレッドは男前で生真面目で誠実で不器用。
故郷では外科医で、この街でもそれを望まれていたのに検死官になったのは、
人と関わることが嫌になった辛い過去に原因があり、生きた人間ではなく死体を相手に
することを選んだ…というのが心の傷をこれ以上ないほど表しているように思いますが、
だからといって人に冷たいということはなく、同じように心に傷を持っていたり
必要とされなくなった人間に手を差し伸べたりと、かなり優しい男です。
ハルは少年っぽい、言葉は乱暴ですが、のびのびとして大らかなキャラで、
人にだまされて男娼にされてしまったり、見た目の異質さからイジメを受けたりしていても
前向きでとっても明るい。
この二人が結構お似合いでやりとりや会話を読んでても楽しかったですね。

ウィルフレッドの仕事が検死官ということもあり血なまぐさい殺人事件も起きますし、
ハルの境遇や、ウィルフレッドと喧嘩をしたあと3人の男たちに陵辱されてしまうなど
痛々しい出来事もあるんですが、ハルは逆境に負けない強い少年ですので
お話の雰囲気もまったく暗くはなっていません。 
(陵辱場面は書かれていないので、辛い場面は見ずにすみます)

名物警部が登場したり、事件解決のために二人で乗り出したり、
出来事と二人の恋愛がバランスよく絡んでいてとても面白かったです。

ウィルフレッドの執事・フライトは四十半ばということなんですが、
以前仕えていた屋敷の奥様と密通してしまい、屋敷を追い出されたという
曰つきの伊達男です。朴念仁のウィルフレッドを面白がりながら、嗜めたり手を貸したりして
とってもいい味を出していて、気になるタイプです。
イラストもちょっと捨て置けないカッコよさでした(笑)

他にも料理番のお婆さんや召使、庭師などの登場人物や、街の石畳、馬車、
貴族と貧民街など、その時代を匂わす様子もとても楽しめました。
もともと、昔(今の年齢の半分くらいのころ)に本屋さんや図書館で手に入るホームズ物は
全て読み、N○KのTV放送も全部見たくらいに好きでしたので、
雰囲気もとても楽しめました。
出てくる料理も美味しそう。

なんとなく続きもありそうなことをあとがきで匂わせてありますし、
ウィルフレッドの過去もまだ全ては明らかになっていないので、
もし続きがあるなら読みたいです。というか是非!
執事フライトも気になるー。
この雰囲気をもっと楽しみたい。
「二人で事件に体当たりで挑むお話(あとがきより)」を是非読んでみたいです
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